宇多丸 町山智浩 高橋ヨシキ『フォースの覚醒』座談会

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町山智浩さん、高橋ヨシキさんがTBSラジオ『タマフル』に出演。宇多丸さんと『スターウォーズ フォースの覚醒』について語り合っていました。


(宇多丸)今夜、お送りする特集はもちろんこちら!『スターウォーズ フォースの覚醒』公開翌日スペシャル 世界最強番組丸ごとスターウォーズ祭り!それでは、今夜のゲストをご紹介いたしましょう。まずは雑誌『映画秘宝』アートディレクター、そして映画評論家。『月刊 私のスターウォーズ』編集長。高橋ヨシキさんでーす。

(高橋ヨシキ)どうもー、お疲れ様です。昨日はお疲れ様でございました。

(宇多丸)お疲れ様でございました。あっ、ライトセーバーを。FXライトセーバー。私が・・・

(高橋ヨシキ)ちょっと先の方が折れてますが。持ってきました。

(宇多丸)やっぱりね、シスは敗れるっていうことですよね。これね(笑)。

(高橋ヨシキ)あ、そういう・・・昨日、でもこれを持って道を行ったらいきなりディスられたんですよ。

(宇多丸)あれ、すごいですよね。すれ違いざまに、知らない人に、『おい、シスかよ!?』みたいな。

(高橋ヨシキ)『おい、シスかよ!?こっちはジェダイだよ!』って言われちゃって。

(町山智浩)めちゃくちゃ態度の悪いジェダイじゃないですか!?

(宇多丸)ジェダイ、そんなこと言わないよ!

(町山智浩)そんなガラの悪いジェダイ、いねえだろ、それ!?(笑)。

(高橋ヨシキ)いねえだろ?って思ったんですけど。で、なんかこっちショボーン・・・みたいな(笑)。

(宇多丸)そんな絡まれ方するのもね、結構日本では昨日が特別だったかもしれないですけどね。

(高橋ヨシキ)悪かったなっていうね(笑)。いや、よろしくお願いします。

(宇多丸)はい。よろしくお願いします。この番組では『月刊 私のスターウォーズ』として半年に渡って毎月、スターウォーズの特集をアンオフィシャル、ノーディズニーでお送りしてまいりました。なぜ、ノーディズニーか?というとね、悪かった場合、ダメだった場合っていうのに備えていたんですけどね。まあ、私的にはその心配はもうなくなっておりますが。今夜はそんな『月刊 私のスターウォーズ エピソード7』。最終回です。もう一方。ゲスト。もうやはりね、ちょうどいいタイミングで帰って来ていただきました。映画評論家 町山智浩さんです。

(高橋ヨシキ)どうもです。眠いです(笑)。

(宇多丸)(笑)。レッドブル、飲んでくださいよ!

(町山智浩)あ、レッドブル。飲みまーす。

(宇多丸)あの、町山さんは向こうで。アメリカ、本国でも?

(町山智浩)はい。第一回の上映を見てきましたよ。うちの近所で。

(宇多丸)で、日本でも見たと。これ、アメリカはさぞかし?

(町山智浩)もう、おじさん、おばさんばっかりで(笑)。結構白髪混じりのお団子レイアヘアとかね。

(高橋ヨシキ)日本でもやってましたね。

(町山智浩)あ、日本もそうだった?で、無理やり子供を連れて来ていて。子供は親にさんざん見せられているから。まあ、お父さん、お母さんの趣味について来たって感じでしたね。

(宇多丸)なるほど。でも、まあウワーッ!って大盛り上がりで?

(町山智浩)うーん。だからもう、こっちはあれじゃないですか?ハン・ソロの立場だもんね。

(宇多丸)あ、ちょっと、はい。ねえ。これはヤバいですよ。ネタバレにね。

(高橋ヨシキ)ネタバレは避けつつ、ということで。

(宇多丸)まあでも、そうそう。要するに歳とったね、好きなように生きてきた男の、ツケを払わされるっていうね、ところですかね?はいはい。ということで、まあさっそくなんですが。ということで、町山さんがいまのところ、2回見て。ヨシキさんは?

(高橋ヨシキ)も、2回ですね。昨日、バルトで見て、TOHOシネマズ新宿で3Dで見て。はい。

(宇多丸)で、その後に叙々苑に行って。

(高橋ヨシキ)叙々苑に行って、さんざっぱらみんなでスターウォーズの話だけして帰ってきたという。

(宇多丸)ねえ。楽しかったですね。本当にね。では、ちょっとおひとりずつというかね、ぜんぜんクロストークになってもいいんですけど。お二方の『フォースの覚醒』、感想というか。どう見たか?というあたりをうかがっていきたいんですが。まず、ヨシキさん。いかがだったでしょうか?

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高橋ヨシキの感想

(高橋ヨシキ)ああ、そうですね。僕は、いろいろ考えたんですけど。端的に言うとですね、すごく過剰な接待をしてもらったような感じで。だから、ありがたいんですよ。なんか思ったよりすごい店に連れて行かれて。で、しかもいくら食っても終わらないみたいなことになっちゃったんで。美味しいし、うれしいけど、『えっ?そんなにやってくれなくても、まあ、いいのかな?』っていう。でも、ありがたいから。そういう時にほら、文句を言うと、『ちょっと!せっかく食わせてるのに、なに!?』っていう話になるじゃないですか。

(宇多丸)(笑)

(高橋ヨシキ)だから、僕としては、美味しくいただけたので。もう本当に大満足ですよね。

(宇多丸)たしかにてんこ盛りではありますよね。1本の映画でやる物語分量よりは、ちょい多いかもしれないですよね。

(高橋ヨシキ)それと、あとやっぱりここに来て、要はプリクエルっていうのは話が前に進んでなかったわけじゃないですか。で、ここに来て、本当にスターウォーズがやっと先に進み始めたっていうことと、あと、さっき宇多さんもおっしゃっていたんですけど。新しい新キャラクターが3人ともそれぞれ、別になんかのキャラに似ているからいいとかそういうんじゃなくて、新しい今っぽいキャラクターもちゃんと出てきているし。それがいて、だから今回はさっき言ったみたいにおっさん接待みたいなところもいっぱいあるわけじゃないですか。

(宇多丸)はいはい。うん。

(高橋ヨシキ)それも合わせて考えると、ちょうどだから次がね、正念場担ってしまったのかなと。今回がだからスターウォーズで言えば4、5、6と7、8、9の間の橋渡し的な作品になっていて。だから次、正念場ですよね。次はそんなにおっさん接待要素はなくしてもいいわけですから。そうなってくるのかな?と思って見てましたけども。

(宇多丸)あの、見終わってからね、おっさん接待要素がこうなってみると多すぎるんじゃないか?ぐらいに言ってましたもんね。

(高橋ヨシキ)そんなに接待してくれなくても!?っていう。まあでも、ありがたいんですよ。それは。全部ニコニコしながら見てましたけどね。まあ、そういうことはちょっと思いました。

(宇多丸)基本的には非常に肯定的というか?

(高橋ヨシキ)ああ、もう僕は本当に、ほぼ全肯定の勢いで今日、来てますけども。はい。

(宇多丸)あの、J・J(・エイブラムス)の悪口を言うのはもうやめよう、みたいな?

(高橋ヨシキ)J・Jの悪口はまあ、言わないですよ。もう。悪かったです。はい。

(宇多丸)『悪かったです』(笑)。

(町山智浩)悪口、言ってたの?いままで。

(高橋ヨシキ)あ、ちょっとは言ったかな?はい(笑)。

(町山智浩)ああ、そうなんだ。

(高橋ヨシキ)まあ、『スター・トレック』とかいろいろありましたから。

(町山智浩)だから要するに『僕は「スター・トレック」の大ファンだよ!』って言ったかと思うと、『スーパーエイト』を作った時に『僕はスピルバーグの大ファンなんだ!』って。今回は『スターウォーズの大ファンだ!』って。お前、いったいどれだけ大ファンなんだよ!?っていう(笑)。

(宇多丸)今回、インタビューで結構はっきり『スター・トレックを受けたのも、本当はスターウォーズを撮りたかったからだ』って。

(町山智浩)しょうがねえな、本当に(笑)。

(宇多丸)はっきり言っちゃってて。それは感じ悪いでしょ!?っていうのはね、ちょっとね。デリカシーが無いっていう。

(高橋ヨシキ)デリカシーねえな、本当。

(町山智浩)前、ちょっとケンカになったよ。だから。『スーパーエイト』のインタビューに行った時に。

(高橋ヨシキ)あ、町山さんと?

(町山智浩)そう。いや、だから『僕はスピルバーグが本当に好きで』って。彼はスピルバーグによって見出されたんですよね。もともと。でも、『この間、スター・トレック好きだって言ったじゃねえか?スピルバーグ、俺の方が好きだよ!』って言ったの。俺(笑)。

(宇多丸・高橋)(笑)

(町山智浩)『いや、俺の方が好きだ!』とか言うから。

(高橋ヨシキ)子供のケンカじゃないですか(笑)。

(町山智浩)だから、『俺はぜったいに負けない!俺はフェラだってできるよ!』って言ったら、『YOU WIN!』って言われた。

(宇多丸・高橋)(爆笑)

(町山智浩)『YOU WIN!』って。格言みたいに(笑)。『飲めるよ!』とか言ったの(笑)。

(宇多丸)町山さん論法(笑)。

(高橋ヨシキ)どういう価値観なんですか!?(笑)。

(宇多丸)勝ったのかな、それ?っていう(笑)。

(町山智浩)だいたいJ・Jって名前、何だよ?女性自身か、お前!?って思うの(笑)。

(高橋ヨシキ)女性自身(笑)。

(宇多丸)そういうね、女の子の雑誌みたいなね。無駄話してる場合じゃないんですよ!じゃあ、町山さん、いかがだったでしょうか?

町山智浩の感想

(町山智浩)あの、キャプテン・ファズマが良かったですね。

(高橋ヨシキ)ああ、キャプテン・ファズマ。

(町山智浩)あの、ダメロンをこう、拷問してね。顔面騎乗拷問でね。

(宇多丸)そんな場面、ないです!

(町山智浩)『ああーん、もうダメローン』っていう、そういうシーンが良かったですね(笑)。

(宇多丸)ちょっと!ひどいんだけど(笑)。本当にひどいんだけど(笑)。

(高橋ヨシキ)『もうダメロン』って(笑)。

(町山智浩)本当にもう、キャプテン・ファズマにはものすごく期待してたの。俺。

(宇多丸)あのでっかいね。女性ですからね。

(町山智浩)で、あれ、昔、ボバ・フェット女性説っていうのがあったんですよ。どうしてボバ・フェットは女性って言われていたか?っていうと、ハン・ソロ。彼を賞金稼ぎで捕まえたんだけど『生かして渡せ』って言われていたの。で、ファンの間では『あれはハン・ソロに昔、捨てられた女なんだ。で、ハン・ソロを取り返して拷問したりするんじゃないか?』ってみんなワクワクドキドキしてたの。

(宇多丸)あの『帝国』と『ジェダイ』の間はすごくそういう妄想がね。

(町山智浩)『帝国』と『ジェダイ』の間にものすごいみんな・・・ボバ・フェットがヘルメットをバーン!と取るとすっげーいい女で。ハン・ソロを拷問して顔面騎乗とか・・・

(高橋ヨシキ)なにがなんでも顔面騎乗にしたいんじゃないですか!?(笑)。

(宇多丸)町山さんのやってほしいことじゃないですか。ただ単に(笑)。

(町山智浩)いやいや、なんかね、それが久々に蘇るかな?と思ったんだけども。来なかったね。

(宇多丸)あんまり活躍らしい活躍をしてなかったですね。

(町山智浩)ちょっとね、惜しかったな。

(宇多丸)僕もね、ファズマはちょっと期待はずれ感が。

(高橋ヨシキ)結構ポスターにもね、ドーン!と載っているから。

(町山智浩)キャプテン・ファズマ、期待するよ。あれは。

(高橋ヨシキ)ファズマ、まあ期待しすぎるとね、それはあるかもしれないですね。

(町山智浩)『監獄学園』に出してほしいんだよね。

(宇多丸)『監獄学園』、ご覧になってるんですか?

(町山智浩)好きなんですけど。はい。まあいいや(笑)。

(宇多丸)まあまあ、ちょっと真面目な感想を。

(町山智浩)真面目な感想を言うとね、アメリカにね、ピンク・フロイドとかレイナード・スキナードとかジャーニーとかがいまもバンド活動をしてるんですよ。で、そういうコンサートに行った時の気分に近い。

(宇多丸)ああー、やっぱりそっちのリバイバル方向の気分が。やっぱり強かったですか?

(町山智浩)そう。リードボーカルとソングライターはいないんですよ。で、バンドのメンバーも変わっちゃっているわけ。でも、ジャーニーとか、懐メロをやっているわけ。で、プリクエルを見た時の感じっていうのは、ピンク・フロイドのリードボーカルだったロジャー・ウォーターズのコンサートに行った時。ソロの曲ばっかりやられた感じ。

(宇多丸・高橋)ああー!

(町山智浩)『はい、次。これからみなさんに新曲を聞いていただきます』とか言って、新曲ばっかりやるわけ。で、リードボーカルでソングライターなんだけど、みんなピンク・フロイドの曲を聞きたいから、『なにこれ?』って言っている感じがプリクエルの感じなの。

(宇多丸)まあ、ルーカスはね、そういう、本当はいろいろ新しいことをやりたいんだけど、なかなか受け入れてもらえないっていう愚痴は言ってますもんね。

(町山智浩)そうそう。だから新しいことをやりたいんだよね。バンドを作った人とか映画を作った人は。でも、客はそれを求めてないんだ。『いつものやつをやってくれ!いつものやつをやってくれ!』って。で、『いつものやつだけをやりました!』っていうバンドをやった方がウケるわけ。ピンク・フロイドの方が。ぜんぜんオリジナルメンバーがいなかったりしてもね。

(高橋ヨシキ)まあ、ヒット曲のオンパレードですからね。

(町山智浩)そう。ヒット曲オンパレードっていう感じはちょっとした。

(高橋ヨシキ)まあ、ヒット曲のオンパレードっていう感じはたしかにしましたね。

(町山智浩)そうそう。で、『最後は「レイラ」で終わります』みたいな感じで、『デス・スターで終わります』ってかならず決まっているわけじゃない(笑)。

(宇多丸)ちょっとデス・スター攻撃に似ている感じはちょっとね、たしかにさっきの過剰接待なところかなと思いましたね。

(高橋ヨシキ)そうそう。過剰接待。

(町山智浩)で、いちばん問題なのは、デス・スター以上の敵っていうか、目標がもう思いつかないよね。何を思いつく?

(宇多丸)っていうか今回のあれ以上ってなかなか難しいですよね。

(町山智浩)なかなか難しいよ。どんどんデス・スターをでっかくしていくしか・・・

(高橋ヨシキ)だから銀河系サイズのデス・スターを作ってですね、銀河を破壊するようなのを作るしかないですね。

(町山智浩)そう。あれだけは難しいよね。

(宇多丸)ちょっとエスカレーションがね。今回はまあ、そこそこ乗り切ったとしても、さっきヨシキさんが言った次が難しいんじゃないか?みたいなのが。

(高橋ヨシキ)デス・スターっていうのは偉大な発明だったと思いますよ。

(町山智浩)だって今回だってさ、1作目と2作目のいいとこ取りで固めているじゃん。

(高橋ヨシキ)そうそう。だから終わった後も言っていたんですけども。エピソード4とエピソード5を足したみたいなものをもらっちゃって。食らっちゃった感じですよね。

(町山智浩)そうそう。それなんだよ。ローレンス・カスダンがやっているっていうのもあるけどね。うんうん。

(宇多丸)なのでね、次以降、あと2つあるわけですからね。

(町山智浩)あと2つあるから、デス・スター以上のものをなに考えたらいいのか・・・

(高橋ヨシキ)ローレンス・カスダン、本当『帝国の逆襲』にもいっぱいびっくり要素を詰め込んできたじゃないですか。で、今回もびっくり要素が2本分ぐらい詰まっているんで。これ、本当に次、どうすんの?っていうのはたしかにあって。だから『月刊 私のスターウォーズ』は次回に向けて今度、できるかもしれないっていうね(笑)。

(宇多丸)まあね、たしかに。っていうかほとんど今回の中では、まあびっくりもあるし。なにも明かされてないから。

(高橋ヨシキ)そうなんですよ。

(宇多丸)まあ、引っ張り要素があるんで、次はまだいけると思いますけどね。でも、その新キャラ。僕はすごい新キャラたちがすごい魅力的だと思って。それが、意外とこっとでいけるって思ったんですけどね。だから旧要素がメインディッシュじゃなかったっていう感じが意外としてたんですけど。

(町山智浩)あの、すごく謎なのはフィンが少年兵でガキの頃から兵隊として育てられたっていう割に、戦闘で血を見てビビッてんだけどさ。いちばん問題なのはさ、ああいう生活から、要するに兵隊しか知らなかったのに、いきなり彼女と会った時に、『ねえ、彼氏いるの?彼氏?』って聞いてたじゃない。そういう文化をどこでお前は学んだんだ!?っていう(笑)。

(宇多丸)ストーム・トルーパーはでも、なんかあるんじゃないですか?それこそ、慰安婦がいるんじゃないですか?ひょっとしたら。

(町山智浩)いま、過激な発言をしてる人がいますけど。ここに(笑)。

(高橋ヨシキ)いや、でもいろんなところに送られて。結構ほら、警備とか清掃をやっていたとかね、言っていたぐらいだから。いろんなところで、普通の人の生活も垣間見ていて、内心うらやましいと思っていたんじゃないですか?

(宇多丸)戦闘はだって、あれが初めてだったんじゃないですか。だから、たぶんね。

(町山智浩)ストーム・トルーパーズの人間性っていままでやらなかったやつをやったのがすごいと思った。

(高橋ヨシキ)いや、だから本当、最初ストーム・トルーパーのところ、詳しくは言いませんけども。『ああ、ここまでストーム・トルーパーに寄せて見せてくれるんだ!』っていうのは結構良かったね。

(宇多丸)赤い血って、あと初めてじゃないですか?人間の赤い血。

(町山智浩)そう。だから前からね、ストーム・トルーパーを人間扱いしていないってことはすごく不満だったの。みんな。特に『クラークス』の彼。

(高橋ヨシキ)ケヴィン・スミスね。

(町山智浩)言ってたんだけど。

(宇多丸)『ジェダイ』の時の第二デス・スターは工事のおじさんとかもね・・・

(町山智浩)そうそう。

(高橋ヨシキ)合流してるから、けしからん!とかね。

(町山智浩)初めてストーム・トルーパーズも人間なんだ!っていうところを出したよね。

(高橋ヨシキ)そうですね。それと加えて、ストーム・トルーパーが人間だっていうのを出した上に、タイ・ファイターに乗るのはかっこいいっていうのを今回、やっていて。あれがもう、ヤバいっす。

(宇多丸)うんうん。ただいままでやられキャラだったのがね、初めて結構アガる描写になっていたりとか。意外と僕ね、ちゃんと新しいことをやってるじゃん!って思っているんですけどね。どうっすかね?

新キャラクターたち

(高橋ヨシキ)あと、これさっきも町山さんとちょっと話していたんですけども。要はだから、カイロ・レンっていう人、中2病って宇多さん言ってましたけど。要はエモいじゃないですか。あいつ、こじらせてエモいやつでしょ?もう超エモいっていう。

(宇多丸)そうですね。ぬわーっ!!ってね。

(高橋ヨシキ)そうそう。『ああ、エモい!』って思ったんですけど。で、それに引き換え、今回の主人公3人って・・・

(町山智浩)あれってあれじゃん。なんかオナニーしてるところでお母さん入ってきちゃってさ。ウワーッ!って暴れてる感じだよね。『ババア、入ってくんじゃねーよ!』っていう(笑)。

(宇多丸)違うでしょ?(笑)。

(町山智浩)ああいう感じじゃん?あの時にさ、ストーム・トルーパーのやつらがさ、『しょうがねえな』っていう顔で(笑)。

(宇多丸)『ああ、また始まっちゃった』ってね。あれ、よかったですね。

(高橋ヨシキ)いや、それに引き換えね、ポー・ダメロンとかが、もうウルトラナイスガイじゃないですか。で、フィンも超いいやつだし、レイさんもレイさんでいいんですけど。そこがね、なんか俺はスターウォーズの1作目が公開された時の感じとちょっとかぶるのかな?と思って。ちょっと感慨深く見ていたのが、スターウォーズが公開された時はそれこそ、みなさんがご存知のように、要はニューシネマとかで暗い主人公とか暗い話がいる時に、明るく真っ直ぐで行けるんだ!っていうのがスターウォーズが果たした感じじゃないですか。

(宇多丸)うんうん。

(高橋ヨシキ)それが、だからやっぱりここんところ、コミック映画なんかでも結構みんな悩んだり暗かったりっていう、ちょっとエモい要素が入って来ているところに持ってきて、今回は『エモは敵だ!』っていうね、感じでやっているのがちょっと僕はスターウォーズ感なのかな?と思って。感慨深く見てたって言うね。

(宇多丸)無名の若者たちの、なんかこう、そこにいてキャッキャキャッキャやっている感じがちょっと多幸感があるというか。そういうのも近いムードを再現できているなと思ったんですけどね。青春映画っていうか。

(高橋ヨシキ)いいやつはいいやつじゃん!っていうね、ことだったですけど。

(宇多丸)青春映画っぽいところが、すごい。

(町山智浩)だからあれはたぶん『アタック・ザ・ブロック』のキャラクターを持ってきているんだよね。

(宇多丸)ボンクラがそのままヒーローになるっていう。

(高橋ヨシキ)軽口感もありましたね。

(町山智浩)不良だったんだけども、正義に目覚めて・・・みたいなところを出していて。あれは彼のキャスティング、すごく良かったよね。

(宇多丸)デイジー・リドリーってすごくないですか?この人。素晴らしい女優を見つけてきたなと思うんですけど。

(高橋ヨシキ)いや、本当ですよね。

(町山智浩)うーん。俺はちょっとわかんない。

(宇多丸)ああ、本当?

(町山智浩)俺、キャプテン・ファズマだから。

(宇多丸)(笑)。顔面騎乗はね、あの、レイは顔面騎乗するにはちょっと小さいかもしれないですね。顔面騎乗基準だとそれはたぶんダメっていう(笑)。

(高橋ヨシキ)でもレイさん、すごく良かったですよ。僕は。

ラッキーな男 J・J・エイブラムス

(町山智浩)でもね、僕はとにかくJ・Jっていうやつと3回ぐらいインタビューしてるんだけど。本当、こいつはラッキーガイだなっていう。こういう時、英語で『You are lucky bastard』って言うんだけど。『この幸運なクソ野郎』っていう意味なんだけど。本当に彼の人生ってそういう感じなのよ。

(宇多丸)夢ね、着々と叶えちゃって、みたいなね。

(町山智浩)そう。でさ、小学校かなんかの時に、『ニューヨーク1997』。ジョン・カーペンターの傑作のね、試写に潜り込んだんだと。オヤジと一緒に。オヤジがそういうオヤジさんだったらしいんだ。テレビのプロデューサーで。

(宇多丸)へー。

(町山智浩)『今度、なんかあるらしいから、行こうよ!』っつって。それで行って、見た後にジョン・カーペンター本人から、子供が来ているっていうんで、『君、この映画を見てどう思った?』って言ったんだって。そしたら、『中に出てくるおばさんが途中でいなくなっちゃうんで不思議だと思いました』って。それってジョン・カーペンターのカミさんだよ。

(高橋ヨシキ)そうですよね。エイドリアン・バーボーですよね。

(町山智浩)エイドリアン・バーボーで。ねえ。で、そしたらそれを言ったことを忘れていて。で、何年もたってから、ディーン、なんだっけ?ええと、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の撮影監督。

(高橋ヨシキ)ああ、俺、名前出ないすね。すいません。

(町山智浩)が、いるんですけど。もう、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とか『ジュラシックパーク』とか『女拷問人イルザ シベリア収容所』とか撮っている人なんですけど。『悪魔のハーレム』とかね。その人に会った時に、『僕は「ニューヨーク1997」を見た時に、子供の時に見て。「あそこのおばさんが死ぬシーンがおかしい。ないから」って言って。そしたら映画館でもう1回、見直したら、死ぬシーンがあったんですよ』って言ったら、『テメーか!?』って言われたんだって。

(宇多丸)ほうほうほう。

(町山智浩)『俺はあの時な、仕事が終わって完全に家族と一緒に休日を取るはずだったのに、突然ジョン・カーペンターが「撮り直す!」って言われて。それで追加撮影したんだけど、テメーみてえなガキのせいで追加撮影する羽目になったんだ!』って怒られたっていうね(笑)。

(宇多丸)じゃあ、関与しちゃったってことですね。

(町山智浩)そう。関与してる。だからこいつ、小学校の頃からすげーラッキーなやつだな!っていうね。

(高橋ヨシキ)それ、超ラッキーですよね。でもね。

(町山智浩)J・J、この野郎!と思ったよね。うん。

(宇多丸)へー。もうなんかちょっと、持ってるんですね。

(町山智浩)こいつ、ちょっとすごいんですよ。そういう点でね。ズルいんだよね。結構ね。

(高橋ヨシキ)だって『スターウォーズ』と『スター・トレック』だもんね。本当にそれこそ。

(宇多丸)『スターウォーズ』と『スター・トレック』と『ミッション・インポッシブル』ですよ。だって。

(高橋ヨシキ)本当だ。

(町山智浩)で、どれも『ファンだ』って言ってるんだけどね。本当に節操ねえな、こいつ!と思うよね。

(宇多丸)うーん。まあまあでもね・・・

(高橋ヨシキ)でも、みんなどれもファンだからしょうがないんじゃないかな?って。

(宇多丸)今回はでもね、どんなやり方が他にあるか?っていうと、やっぱこの、過剰接待でもしてから、ちゃんと次へのあれをやるしかなかったと思うんですよ。

(高橋ヨシキ)次の布石がちゃんとできているから。キャラクターも強いしね。

(宇多丸)だからこれ以外、じゃあどうするの?って言ったら、ないと思うんですよね。

(町山智浩)だから、デス・スター以外のクライマックスをどうやって作るか?っていう大変なさ、難題を抱えちゃっているんだよね。

(高橋ヨシキ)ルーカスだってデス・スターをデカくするっていう以外の解決策がなかったんだから。

(宇多丸)だからルーカスに逆にね、今回のを見て、『僕の考えていたのと違う!』っつって。で、ファンが『やった!朗報だ!』とかひどいことを言ったりしてるけど。まあ、今回僕らは結構満足しているから。僕とかは。逆にルーカス案が聞いてみたいっす。

(高橋ヨシキ)あ、どういうものだったか。

(宇多丸)どうする気だったかが聞きたかったぐらいですね。本当にね。

(高橋ヨシキ)たしかにね。

(町山智浩)だから彼にとってはものすごく個人的なもので。それで、自分で資金を集めて作ってっていう。完全に彼の自主映画だったわけじゃない。で、今回は完全にディズニーが入ってきて、フランチャイズにしなきゃいけない。『できれば、永遠にこれを続けるようなものにしてほしい』って、言われちゃったんだよね。

(高橋ヨシキ)そうですよね。

(町山智浩)これは大変なことだよ(笑)。

(高橋ヨシキ)だから我々は、もしかしたら高い確率で生きている間にスターウォーズがぜったいに終わらないから。

(宇多丸)だって百年とか言ってましたよ。J・Jが、なんかインタビューで。

(町山智浩)終わらないよ。だから永遠に続くんだよ。この戦いは。困ったものだなと思うよ(笑)。

(宇多丸)そこはね、問題で。昨日もメシ食いながら、『いやー、ぜんぜんフォースにバランスをもたらしてねえじゃん、アナキンよお!』って。だから、フォース、グラグラじゃん。均衡さって。そういう、毎回なにか話が完結する度に、『あれは無駄だったのか?無駄だったのか?』ってことになっちゃうっていうのはね、ちょっと感じますよね。

(町山智浩)ああー。永遠に続くんだろうね。

(高橋ヨシキ)だからやっぱり、小康状態に持っていくと、また病気がぶり返すみたいな話だから。なかなか完全な健康体にならないってことじゃないですか?

(宇多丸)うんうん。

(町山智浩)だからそういうペシミスティックなところ、あるんだろうね。ジョージ・ルーカス自身がそういう人だったから。

(高橋ヨシキ)ジョージ・ルーカスはそうですよね。

(町山智浩)だって、『THX1138』を作った人だよ?あっちの方が彼の本質なんだから。やっぱり人間っていうのは非常に管理をしちゃうものなんだ、独裁をしちゃうものなんだっていうのが根底にあるんだろうね。やっぱり。そこにディズニーが入ってきているわけだからさ(笑)。

(高橋ヨシキ)いや、本当ですよね。

(宇多丸)不思議なもんですよね。

(町山智浩)で、永遠に続けなきゃならないから。これ、永遠の平和は来ないわけだよ。だって、フランチャイズをする限り。ディズニーが儲けたいと思う限り、宇宙に平和は来ないんだよ。

(高橋ヨシキ)うわー、憎たらしいですね、それ!

(町山智浩)とんでもないよ、これ(笑)。『平和になっちゃったから、スターウォーズが終わっちゃうから、ここらへんでなんかゲリラかなんかを使ってテロを起こせ!』みたいな世界だよ?(笑)。

(高橋ヨシキ)まあ、そうですね。ミッキーマウスが死なないのと同じ理屈になっちゃいますよね。

(宇多丸)本当にだから、いかにしてそれこそ揉め事というか、均衡を崩すか?で。やっぱり今回のロールの一行目のさ、『ええーっ!?』っていうところで。やっぱりあんぐらい極端なことをしないと、もう話が進まないっていうか、仕切り直せない感はちょっと感じましたけどね。たしかにね。

(高橋ヨシキ)そう。だからフォースのバランスで思い出したんですけど。これはまあ、ネタバレじゃないから言いますけど。だから、レイさんね、出てきて割とすぐのところでBB-8と出会うじゃないですか。それぐらいは言ってもいいじゃないですか。テレビでも映っていたから。で、BB-8のアンテナが曲がっているわねって、外して直してくれるじゃないですか。『うわー、もうそれか!』っていうね。

(宇多丸)ん?

(高橋ヨシキ)そこで、だから曲がったものを直してくれる人なんですよ。彼女は。だからそういう理屈でしょ?だから、バランス感で言うとね、曲がったところを真っ直ぐにする人なんだなっていう。

(宇多丸)そういうのを1個1個やっているから、そんなにキャラクターの背景とかを説明がないのに、やっぱりどんどん、この人はいい人、この人はいい人ってなっていくっていう。

(高橋ヨシキ)でも、ポー・ダメロンのナイスガイっぷりは本当にいいっすね!

(宇多丸)あの最初のフィンと逃げ出して。あそこの2人の会話だけで、こいつらぜったいいい奴!っていう。

(町山智浩)タイ・ファイターに乗るところね。うん。

(高橋ヨシキ)会って2秒で親友ですからね。

(宇多丸)イエーイ!っつってさ。『いっちょやるか?俺たち!』みたいなさ。なんかいいな!と思って。

(高橋ヨシキ)『当たりました!』『えらい!』みたいな(笑)。

(宇多丸)今回、お互いに褒め合うのがいいなって。『超上手いじゃん!』みたいな。

アナログなテクノロジー

(町山智浩)サイトとかさ、モニターが全部アナログになってたね。

(高橋ヨシキ)なってましたね。

(町山智浩)あれもすごいじゃん。

(宇多丸)あれも過剰接待の部類。

(高橋ヨシキ)過剰接待で言うと、双眼鏡の・・・

(町山智浩)双眼鏡もアナログなの。

(高橋ヨシキ)で、下にニキシー管の数字が出ていて。ニキシー管の数字ってデス・スター攻撃の時のXウィングのモニターの下がそうじゃないですか。それがまだ生きていて。『それは過剰接待だけどうれしいー!』って(笑)。

(一同)(笑)

(町山智浩)今回、J・Jが言っていたのは、『ジェダイ』が終わった2年後に作られた作品っていう設定で作っている感じなんですよ。だからテクノロジー的にその部分だけでやろうとしていて。だから過剰じゃないわけ。

(高橋ヨシキ)なるほどね。

(町山智浩)世界観を完全に持ってきているから、館内モニターも全部モノクロのモニターになっているじゃないですか。あれもデジタルが入ってきてないんですよ。

(高橋ヨシキ)なるほど。そういうノリなんですね。

(町山智浩)だから1988年ぐらいに作られた続編みたいなイメージで作っているから。

(高橋ヨシキ)だからさっき宇多さんも言っていたけど、だから編集とかもね、チャカチャカしないで・・・

(町山智浩)ワイプ使ってるよね。

(宇多丸)ワイプもそうだし、あと、長めに撮って、そのショットの中でアクションの連続を見せていくっていうのが。

(町山智浩)それはたぶんね、カメラのせいだと思う。今回、70ミリのデカいカメラを使っているから。

(高橋ヨシキ)あんまり動かせないんだね。

(町山智浩)最近のように動かすのはできないんだよね。

(宇多丸)まあでも、ガチャガチャ動かしてくれなくてよかった。それでいい。それでいい。

(高橋ヨシキ)おじさんにやさしいっていう。

(宇多丸)クラシカルな感じでお願いしますみたいな。まあ、じゃあちょっとここらであれかな?いったんお知らせ行って、いろんな番組関係者からの『フォースの覚醒』、感想メールなどを紹介していきたいと思います。

(CM明け)

(宇多丸)はい。いま、CMの間もね、いろいろ興味深い話が。今回のドロイド、BB-8。玉が2つだけだけど、少ない要素であんだけ表情というか感情を示すのはひょっとしたら、ディズニーのアニメ表現の・・・

(高橋ヨシキ)技術が。培ったノウハウがあるんじゃないか?っていう。

(宇多丸)意外と関係があるんじゃないか?みたいな。

(高橋ヨシキ)だって、これだけ少ないパーツであれだけ表情があるってちょっと驚くべきことですよ。それこそ、『WALL·E』みたいなことじゃないかな?と思ったんですけど。

(宇多丸)ということですっかりメロメロのね、BB-8に。

(高橋ヨシキ)あ、もうメロメロですよ。本当。『嫌なデザインだ』とか言って、本当すいませんでした。はい。

(町山智浩)(笑)

(宇多丸)あとね、フィンが最初の予告で出てきた時に『誰!?』とかってね、すっごい冷酷に言ってたけど・・・

(町山智浩)見ないで悪口言うの、やめたまえ(笑)。

(高橋ヨシキ)いやいや、はい(笑)。予告だとわかんないなあ。すいませんでした。

(宇多丸)やっぱりね、僕らのあれなんですよ。胸なでおろしぶりっていうのがね。『よかった!ちゃんと、よかった!』っていうのがね。

(町山智浩)だからやっぱりね、マーケティングっぽかったんだよ。そういう点で。すごく。だからみんなが喜んでいるものだけ入れましょうっていう。『それはちょっとみんなが好きかどうかわからない』『じゃあ、やめよう』ってやっていると思うんだ。かなりそれをやっているから。だから・・・

(宇多丸)うーん。でも、守りか?っていうと、新しいことをいっぱいやっていると思うんですよね。

(町山智浩)だからその枠の中ではやっているんだよね。セリフとかさ、やっぱり1作目、2作目と同じセリフが・・・

(高橋ヨシキ)ああ、多すぎですよね。

(町山智浩)ちょっと多すぎ。

(高橋ヨシキ)だからそれはね、うれしいんだけど過剰接待。

(町山智浩)『あ、また!また!』みたいな。あと、2回言わなくていいなと思った。あの、『We’ve Got Company』って2回言っただろう?あれ、1回でいいんだよ。ねえ。『後ろからついて来ます』ってやつなんだけど、『後ろからついて来ます』を2回は言わないよね(笑)。

(宇多丸)たしかに。

(町山智浩)あれがよかったよね。『I’ve Got a Bad Feelings About This』ってやつ。あれはよかったよね。

(高橋ヨシキ)そこで来るか!?っていうね。

(町山智浩)あれを言ったらお化けが出てくるんだよね。なんて言うか、まあネタバレにならないように。

市川紗椰の感想

(宇多丸)それ、劇場でもすごいウケてましたよ。といううことでですね、ここでお電話がつながっています。『月刊 私のスターウォーズ 第二号』に出演していただきました。TBSラジオでは『ザ・トップ5』木曜日に出演中。モデルの市川紗椰さんです。もしもし?

(市川紗椰)こんばんは。市川紗椰です。

(宇多丸)どうもー。ご無沙汰しております。

(市川紗椰)はい。ご無沙汰してます。

(宇多丸)市川さん、『フォースの覚醒』、いま見終わったばっかりという風なお話を?

(市川紗椰)いや、本当いま、映画館の前です。見終わったばかりで。そうなんです。

(宇多丸)あらあらあら。市川さん、ハードコアなプリクエル否定論者として知られておりますが。いかがでしたか?今回は。

(市川紗椰)いやー、まだちょっと興奮状態が続いてまして、なかなか考えがまとまってないですけど。もうね、楽しかったです!

(宇多丸)あ、よかったですか?ああ、よかったよかった。

(市川紗椰)よかったです。

(宇多丸)どんな感じですか?

(市川紗椰)やっぱりなんか今回の1作目に関しては、ストーリーの面白さだったりとか以前に、最初の課題がファンの信頼を得ることだったと思うんですよ。

(宇多丸)ファンの信頼を得る。

(市川紗椰)その点に関しては、もう百点満点なのかなと私は思いました。

(宇多丸)我々で言う、非常に接待がものすごい過剰接待を受けている感じっていうのがスタジオであがっておりますが。そんな感じですかね?

(市川紗椰)はい。

(宇多丸)まず旧ファンにね、やっぱりけじめをつけてもらわないと。たぶんね、なかなか先に進めないっていう感じがあったかもしれないですからね。

(市川紗椰)そうなんですよね。なので本当、はい。小ネタだったりとか、技術とかCG使いとか全て、やっぱりJ・Jはそこの期待を裏切らなかったなと思いました。

(宇多丸)なるほど。でも市川さんがそこまで納得してるんだったら、これは相当、世界中のうるさ型ファンも納得してる度が高いってことなんですかね?きっとね。

(市川紗椰)いやいや、どうなんでしょう。まだね、まあ、突っ込みたいところはありますよ。でも、ぜんぜん、ぜんぜん。こういう続編とかになると、なんだかんだ言って古いキャラを見たくなるじゃないですか。でも今回、ハンとかレイアとかより、新キャラクターの方に魅了されていたのがものすごいことだなと思って。ガンダムとかだったら、『Z』になって、カミーユとかなのに、なんだかんだ言ってアムロが見たい!っていう状態じゃないですか。

(宇多丸)うんうん。

(市川紗椰)ぜんぜんそうじゃなくて、特にレイがめちゃくちゃかっこいいと思って。

(宇多丸)はいはい。ああ、そうですか。

(市川紗椰)はい。スターウォーズ関係なく、私はこういう女性キャラクターを待ってました。

(宇多丸)おおー!なるほど、なるほど。

(市川紗椰)強さもあって。でも、弱さも兼ね備えてて、繊細さもある感じが。なんか若い女の子にすごく見てほしいなと。

(宇多丸)全くもって。その新キャラの魅力に関しては、私も本当に同意でございます。素晴らしいと思います。ああ、よかったです。はい。ちなみにドロイド。BB-8、いかがでした?

(市川紗椰)あ、あの、かわいかったです(笑)。

(宇多丸)あの、ね。BB-8。あいつ、R2とかぶってんじゃねーか!って文句言ってましたけどね。市川さん。

(市川紗椰)あの、そうですね。まだ、やっぱり信用してなかったんですよ。ジャー・ジャー・ビンクスの件があって、トラウマなので。

(宇多丸)はい。まあでも、今回は納得ということで。

(市川紗椰)BB-8はそうですね。グッズを買うのはずっと我慢っていうか、まだあいつのグッズはいらねえ!って思っていたんですけど。知らねえしって思っていたんですけど。ちょっとなにか手に入れたいなと思いました。

(宇多丸)なるほど。市川さんもだんだん納得となっているってことですかね。ありがとうございます。

(市川紗椰)いやー、また見たいです。また見ます。

(宇多丸)ねえ。でも、よかったです。僕もすごい満足派なので。すごくありがたいです。

(市川紗椰)本当ですか?よかったです。みなさん、ねえ。どういう風に見ていたのか・・・

(宇多丸)まだね、ちょっと評価が定まっていないところもありますけどね。公開されたばかりでね。はい。じゃあ、より詳しく、市川さん、『ザ・トップ5』でもお話されると思いますんで。『フォースの覚醒』。

(市川紗椰)はい。

(宇多丸)ぜひ『ザ・トップ5』、お聞きいただきたいと思います。あとは、スターログはいつ返してもいいんで。

(市川紗椰)本当にすいません。本当にごめんなさい(笑)。

(宇多丸)いつでも大丈夫なんで。大丈夫です。

(市川紗椰)本当に申し訳ないです。『すぐ返す』と言いながら(笑)。

(宇多丸)いつでも大丈夫です。もう1冊、探しておきます。あと僕、市川さんの真似して、あれ買っちゃいました。『帝国の逆襲』のポスターのTシャツ。

(市川紗椰)あ、本当ですか?私、いま今日、着てます。

(宇多丸)ああ、そうですか。あれ、真似して買っちゃいました。

(市川紗椰)なんか映画館でスターウォーズのTシャツ着てるの、私だけで非常に恥ずかしかったです。

(宇多丸)いやいや、いいと思いますよ。ということで、ぜひ『ザ・トップ5』。お願いします。お話を聞きたい方はぜひ、そちらで聞いてください。市川さん、ありがとうございました!

(市川紗椰)すいません。ありがとうございます。

(宇多丸)ありがとうございました。(電話を切る)。ねえ。おじさんたちがパンフを読みふけるという。

(町山智浩)(笑)

(高橋ヨシキ)すいません。夢中になっているという。

(宇多丸)あとですね、これは昨日、バルト9。同じ劇場で見ていましたBase Ball Bear小出くん。こいちゃん。俺たちのこいちゃんと劇場で会いましたので。こいちゃんと、あとですね、一緒に見ていたとある著名な若手ミュージシャンの方。こちらのお話をうかがいましたので。ちょっとこの素材をお聞きください。

Base Ball Bear小出祐介の感想

(インタビュー音声開始)

(宇多丸)どうぞ、自己紹介をお願いします。

(小出祐介)あ、どうも。Base Ball Bear小出でーす。

(宇多丸)どうもー。こいちゃんでーす。

(小出祐介)どうもどうも。

(宇多丸)直後の感想を聞くの、初めてなんで。人の感想を聞くの。いかがでしたか?

(小出祐介)僕、スターウォーズに関しては適度な距離を持っているタイプなんですけど。

(宇多丸)あの、世代的にね、ちょっと不幸な出会いをしたタイプですね。エピソード1の時期というかね。

(小出祐介)そうです。そうです。なんで、すごい新鮮に楽しめました。僕。

(宇多丸)あの、もちろん見てはいるんですよね?4、5、6。

(小出祐介)見てるんだけど、なんか、これだけでも楽しめるんじゃねえか?っていう。知らなくても。

(宇多丸)なるほど。今回のから見ても楽しめる作りになっていたと?

(小出祐介)そうそう。と、思いました。僕。

(宇多丸)なるほど。

(小出祐介)ちょっともう1人、僕はざっくり楽しめました!っていう感じなんですけど。すごいスターウォーズオタクの、おじさん少年がいるので。

(宇多丸)わかりました。ちょっとじゃあ、自己紹介をお願いします。

(ハマ・オカモト)オカモトズというバンドのベースのハマ・オカモトともうします。どうも。

(宇多丸)いかがでした?ハマさん。

(ハマ・オカモト)確認したいこととか言いたいことは山のようにある。その結果が最高だなと思いました。

(宇多丸)まだ明かされてないところがね、いっぱいありますしね。

(ハマ・オカモト)気になるところはありましたね。

(宇多丸)ちょっとネタバレできない部分もありますけども。結構衝撃の展開もありましたが。

(ハマ・オカモト)そうですね。全く読めなかったですね。ほとんど。あと、ポスターを見すぎたことにより、食らった展開もたくさんあったので。そのへんも含めて、みなさんはまあ、ものすごく予習するもよし。全く知識がないも、どっちもかなりいいなと思いました。もう、新しいスターウォーズが始まった!という喜びっていう感じですかね。僕は。

(小出祐介)僕は、楽しかったです!

(宇多丸)(笑)。帰れ!帰れ!(笑)。

(ハマ・オカモト)それでいいんだと思います。

(宇多丸)でも、それでいいと思う。新規も入れるってのはいいこと。朗報ですからね。ということで、お二方。ありがとうございました。

(小出・ハマ)ありがとうございました。

(インタビュー音声おわり)

(宇多丸)はい。ということで、こいちゃんと、オカモトズのハマ・オカモトさんという、非常に豪華なメンバーでございました。あの、たぶんいまね、スタジオで言っていたけど。たぶん、ハマさんが言っていた『ポスターを見すぎたことによって食らったこと』っていうのはファズマ問題じゃないのか?っていう。

(高橋・町山)(笑)

(宇多丸)ねえ。こんだけドーン!と出ていれば、どんだけ活躍するんだ!?っていうね。

(高橋ヨシキ)で、その顔面騎乗を期待していた人たちが(笑)。

(宇多丸)ハマさんが顔面騎乗を期待していたかどうかはわかりませんけどね。こいちゃんとハマ・オカモトさんのちゃんとしたお話ね、見たい方はWEBの月一連載『みんなの映画部』でも『フォースの覚醒』、取り上げているそうなので。すでに読めるそうなので。ぜひぜひチェックしてみてください。

[リンク]みんなの映画部『フォースの覚醒』
http://www.m-on.press/music/0000037545

hy4_4yhの感想

(宇多丸)さあ、続いてはメール行きましょうか。メール。hy4_4yhちゃんです。番組ゆかり深いhy4_4yh。(メールを読む)『宇多丸師匠、ヨシキ様、町山先生。宇多丸師匠にいつもお世話になっております。hy4_4yhと申します。初日18日、ユナイテッドシネマとしまえんで19時30分の回で祭りに参加してまいりました。我々、毎月「月刊 私のスターウォーズ」を半年間聞いてスターウォーズに興味を持ち、お教え通り、4、5、6、1、2、3の順で・・・』。違うんですよ。4、5、6、4、5、6、1、2、3なんで。

(高橋ヨシキ)はい(笑)。

(宇多丸)(メールを読む)『今年のスターウォーズに初めて参加させていただいたビギナー中のビギナーでございます。そんなニワカな我々がおこがましいのですが、特に印象に残ったことを言わせてください』。これ、要はね、映画館、ユナイテッドシネマがむちゃくちゃ盛り上がっていたらしくて。

(高橋ヨシキ)うん。

(宇多丸)(メールを読む)『ハン・ソロとチューイさん、人気ありすぎ!ハン&チューイ初登場で会場大喝采。「嫌な予感がするぜ」のセリフで会場大喝采。エンディングロールでハリソン・フォードの名前が出てきて大喝采。としまえんでもハン&チューイの千両役者っぷりが半端なかったです。とにもかくにも、タマフルのおかげで今世紀最大級のカルチャー祭りに参加することができました。ありがとうございました』というhy4_4yhちゃんでございます。

(高橋ヨシキ)はい。

(宇多丸)こちらの方もご紹介しましょう。彼は『月刊 私のスターウォーズ 第五号』に出演していただきました、ダースレイダー。助かりましたね。あの時ね。ネタ枯れの時に(笑)。

(高橋ヨシキ)なにを話すればいいのか?っていうね(笑)。

ダースレイダーの感想

(宇多丸)ネタ枯れの時に助けてもらいました、ダースレイダー。(メールを読む)『昨夜、新所沢レッツシネパークで初回を覚醒してきました。1週間前で予約第一号でした。嫁と見に行ったんですが、子供を実家に預ける段取りで手間取り、18時30分に間に合わない気配が濃厚に。「別に頭は見られなくてもいいんじゃない?」というムードの嫁に対して・・・』(爆笑)。

(高橋ヨシキ)すごいな(笑)。

(宇多丸)(メールを読む)『自分でもびっくりするぐらいの大声で、「よくない!」と怒鳴ってしまいました。結局、嫁は遅れて来るというドライでリアリスティックな選択をし、僕は子供たちを置いて先を急いだのです。予告編なしに本編スタート。「STAR WARS」、その文字が画面に出た瞬間、それまでの殺気が洗い流されていくかのように涙が出てきたんです。本当なんです。ただ画面の端に映倫のロゴを発見して、「り、倫理だと?銀河の倫理の話をしてるのか!?」と一瞬惑い、「なに言ってんの?ダークサイドが!」と。途中、細かい不満がなくはないが、でも、エンディング曲の最初の一音でまた涙が出てきました。無事終わった。いや、無事というかむしろ見る前より人を許す気持ちが豊かになっている。人として成長している。近くで見ていた女性たちがカイロ・レンが出るたび、「あらやだ、ダースベイダー?ダースベイダー、こんな感じだっけ?」』。

(町山智浩)『あらやだ』っていいね(笑)。『あらやだ、ダースベイダー?』(笑)。

(宇多丸)(メールを読む)『「あらやだ、ダースベイダーこんな感じだっけ?」と話していたのも、イウォークのような目で「この人たち、美味しそうだな」と見つけていました。ちなみに僕、本名・礼(れい)。もうそっちから近寄ってくるんだから。しょうがないなあ。ダースレイダー』ということでございます。

(町山智浩)なるほど。あの、スターウォーズでいちばんいいのは、エンディングで『チュルルチュルル♪』って画面が切り替わった時に、『チュルルチュルル♪』って上がる感じがいいんだよね。

(宇多丸)『チュルルチュルル♪』?『ズンチャラッチャラッチャラッチャラッ・・・♪』ですか?

(町山智浩)そう。まあ、そうだけど。その後、上がるじゃないですか。1回。まあ、いいや。

(高橋ヨシキ)ちょっと・・・難しいですね。

(宇多丸)あの、もう一方ご紹介させてください。RAM RIDERさん。

(高橋ヨシキ)あ、『タララタララタラララーターッタッ・・・♪』って。

(町山智浩)そうそうそう!

(宇多丸)ああ!『チュルッチュルッチュ・・・♪』って(笑)。

(町山智浩)おそば食べてるみたいでしたね。はい(笑)。

RAM RIDERの感想

(宇多丸)もう一方。RAM RIDERさん。(メールを読む)『初日18時30分、都内某所初回上映分、なんとかチケットを手に入れて見に行ってまいりました。「A long time ago in a galaxy far far away」の文字が出た瞬間に一気にテンションMAX。鳥肌が立ちました。上映開始とともに場内から拍手がわく。こんな体験はいつぶりでしょうか?そう。6月の「マッドマックス」以来半年ぶりです』(笑)。

(町山智浩)短いじゃねーか(笑)。

(宇多丸)最近ね、日本、その雰囲気が珍しく出てきているんですよね。(メールを読む)『そこからはあっという間の138分でした。以下、少しでも読まれる可能性を上げるために箇条書きの感想です。よかったところ。1、旧三部作の各惑星を思わせる場面転換。砂漠、森、雪原。旧作ファンへのサービスは7で出しきって次へ行こうぜみたいな意図を感じました』。要するに、これで全部出しきっちゃった。

(高橋ヨシキ)うん。

(宇多丸)(メールを読む)『2、新ヒロイン、レイの立ちふるまい。顔立ちがスターウォーズっぽい。エピソード3あたりに出てたんじゃないか?と錯覚するぐらい違和感なく受け入れられた。3、着ぐるみキャラとCGキャラのバランス。表情や主人公たちの会話の多い重要なキャラはCGで精密に仕上げつつ、マズ・カナタの店などでモブキャラに多く着ぐるみの宇宙人を登場させてくれたのは旧作ファンにはうれしかった。プリクエルの時より合成、マスク技術が進化していて、地面からCGキャラが浮いていないのも安心して見れました。しつこすぎないファンサービス。お馴染みのセリフが多く出てくるが、それらがすべてお約束として、いい意味でファンの想像の範囲内に収まっているので、見ていて白けない』。

(高橋ヨシキ)うん。

(メールを読む)『ハン・ソロの出演部分全部。とにかくハン・ソロ。予告編の「We’re home」で全世界のスターウォーズふぁんを涙の渦に陥れたハン・ソロですが、個人的には無言でただただ懐かしそうにコックピットを眺める。そのシーンでかなりグッときました。とにもかくにも、この映画はハリソン・フォード・・・』。ハリソン・フォード、すっごい良くないですか?今回の、ハン・ソロ。

(高橋ヨシキ)あの、表情がものすごい豊かで。

(宇多丸)いままでの手抜きっぷりが・・・

(高橋ヨシキ)ここ20年のハリソン・フォードでいちばん表情豊かな芝居を見せているのではないか?という錯覚に・・・

(町山智浩)(笑)。ハリソン・フォードって『演技をしない人』って印象だから(笑)。

(宇多丸)いままで、本当にやる気なかったんだなっていうのが改めてね。

(町山智浩)だって俺、インタビューしたら『映画とか、興味ない』って言われたからね。

(宇多丸・高橋)(爆笑)

(町山智浩)『君、映画見すぎだよ』とか言われて。『人生、もっとやることいっぱいあるだろう?』とかもう、『そこまで言わないでよ!』とか思ったです(笑)。

(高橋ヨシキ)それ、辛いですね(笑)。

(宇多丸)今回はやる気に満ちてましたよ。すごく。

(高橋ヨシキ)今回、すごく表情豊かでしたね。たしかに。

(町山智浩)でも今回ね、やっぱりチューバッカがよかったわ。チューバッカ、いままで結構ジョージ・ルーカスってどういう風に使ったらいいかわからなくて。『ウォーッ!』とか言わせているだけだったんだけど。すっごい芝居してるの。今回。もう、泣かせたね。J・Jは人間の演出がやっぱりできる人だから。ジョージ・ルーカスっていうのははっきり言って、人間の演出はまったくできない人。

(宇多丸)うんうん。

(町山智浩)で、俳優同士で話し合いをして、演出をしてたんだよ。だって。どうしようもないから。ジョージ・ルーカスがなにも指示しないから。でも今回はちゃんとやっているから。芝居がよくできていたね。

(宇多丸)芝居だけで見せる良さもありましたもんね。あ、すいません。RAM RIDERさん、続き行かせてください。イマイチだったところも挙げています。RAM RIDERさんね。(メールを読む)『イマイチだったところ。1、フィンが汗かきすぎ。レイに比べるとスクリーンになかなか馴染まず、笑いを生み出すタイミングもちょっと現代的すぎて、序盤の不安要素でした』。まあね、現代的ではありました。

(町山智浩)『彼氏、いるの?』っていうやつが(笑)。

(宇多丸)(メールを読む)『2、ファーストオーダー セキュリティー弱すぎ問題。乗り物から建物から、とにかくセキュリティーが緩すぎる。ファズマ!お前はどの面下げて初日限定パンフの表紙になったんだ!?』。

(一同)(爆笑&拍手)

(町山智浩)ファズマ問題!

(高橋ヨシキ)来ました!ファズマ問題!

(町山智浩)いろいろ。ファズマひでおとかね、いろいろあるわけですが。関係ないですね(笑)。

(高橋ヨシキ)ファズマ問題。根が深いな。

(宇多丸)あとね、これはすごい身も蓋もないことを言っています。RAM RIDERさん。(メールを読む)『3、レイアとルークのルックス。やっぱりハリソン・フォードに比べると俳優としての現役感がやや薄い』というね。

(高橋ヨシキ)うーん・・・

(町山智浩)ルークは、でも本当の彼の年齢以上に歳とっちゃっているね。あの俳優さん自体が。交通事故もあったしね。

(宇多丸)はい。ちょっとこれ、危険なあたりなんでね。ここで切り上げて。(メールを読む)『総括。すごく面白かった。旧作ファンの怨念のようなものを全てすくい上げて消化し、「さあ、ファンサービスはここまでだ!こっからは新も旧もないぞ!」と監督のバトンをエピソード8のライアン・ジョンソンに手渡すような、そんなJ・Jの意気込みが感じられました』というね、RAM RIDERさんでございました。はい!あと、コンバットRECさん。来ております。

(高橋ヨシキ)はい。

コンバットRECの感想

(宇多丸)映像コレクター、コンバットRECさん。(メールを読む)『チケット発券の際、暗証番号を忘れ、ロビーで「おーい!誰か!!」と絶叫してしまった』。

(一同)(爆笑)

(宇多丸)いい歳こいた大人が(笑)。やっぱりね、いい歳こいた大人の失態が晒される昨日でしたね。12月18日でしたね。コンバットRECさんはね・・・(メールを読む)『結論から言うと、50点の期待値を大きく上回る映画ではありませんでした。「失望した!二度と見ない!」などということはありませんが、正直、モヤモヤしています。旧三部作のキャラクターやメカが登場する瞬間は否が応でも高揚するんですが、燃えるポイントはほとんどが旧作絡み。ストーリーも予想の範囲内で驚きはありませんでした。正直、この内容だったらあそこまで厳しく情報統制しなくてもよかったような・・・』。

(高橋ヨシキ)うん。

(宇多丸)(メールを読む)『また、旧三部作をなぞったシーンが多いのは諸刃の剣。お約束のカタルシスが得られる反面、先の展開が用意に連想できてしまうため、ストーリーへの興味が失われるという副作用が起きてしまっています。水戸黄門的な「よっ!待ってました!」型エンターテイメントをやるのであれば、もう少し劇的にできたのでは?と思われるシーンも多々。敵は強ければ強いほどよいということは、映画、漫画などエンターテイメント全般における基本だと思いますが、今作では敵役が弱すぎるためにスリルが失われていることも大きな問題です』。

(高橋ヨシキ)冷静ですねー。

(宇多丸)(メールを読む)『ビジュアル面の話。プリクエルでは人物グリーンバック撮影で書割りやCGを合成したシーンが多かったため、実在感の薄い絵作りが多かったのですが、本作は旧三部作のようにロケを多用したのは非常によかったと思います。プリクエルではビデオ丸出しだったルックも改善されていました。ただ、どこかで見たことがあるようなビジュアルが多く、旧三部作のような新しい視覚体験がないのは残念でした。これに関しては、CGでなんでも作れてしまう時代ゆえの難しさでもありますのでスタッフを責めたくありませんが、現代でも「マッドマックス」のように新しい視覚体験をさせてくれる作品もあるわけで、もうちょっとがんばってほしかったかなと。

贅沢を言っているのは承知です。承知ですが、やっぱりスターウォーズですから。そこはどうしても期待してしまうわけです。あと、これは完全に好みの話ですが、スターウォーズの大きな魅力であるクリーチャーたちやドロイドも魅力に乏しいデザインが多く残念でした。と、愚痴が多くなってしまっておりますが、全てが旧作だのみで新たな魅力を何一つ想像していないか?というと、そんなことはありません。この映画のいちばんよい所は、ヒロインが魅力的だと思います。「あのヒロインにぶっ飛ばされたい!」と素直に思いました』(笑)。

(高橋ヨシキ)みんなそれじゃないですか(笑)。

(町山智浩)みんなそこか!(笑)。みんな、そっち系ばっかりだな!

(宇多丸)お前ら、ちょっと本当・・・

(町山智浩)はっきり言ってマゾばっかりだな!(笑)。

(宇多丸)どうにもならないな。本当。

(高橋ヨシキ)どうしようもない。

(町山智浩)人のことは言えないっていう(笑)。

(宇多丸)(笑)。あの、みなさん、これが標準の感想じゃないですからねっていうね。まあでも、レイが魅力的っていうところは結構ね、一致しているところかもしれないですね。

(町山智浩)あの、レイがね、手を伸ばすじゃないですか。フィンに、こうやって。あれ、アラジンの男と女が逆になっているんだよね。

(高橋ヨシキ)ああ、そうですね。たしかに。本当だ。

(町山智浩)ディズニーの今までのお姫様と逆になっているから。すごいなと思った。

(宇多丸)フィンが助けようとして引っ張ると、『いちいち手、引っ張らないで!』ってさ。で、『大丈夫?』ってお前・・・

(町山智浩)お前が大丈夫かよ!?っていう(笑)。

(宇多丸)お前がな!って。あそこ、よかったですけどね。ということで、今日、スタジオ見学にいらっしゃっているジャンクハンター吉田さん。『私のスターウォーズ ゲーム編』でお世話になりました。

(ジャンクハンター吉田)いえいえ、とんでもない。

(宇多丸)お話、うがかいたいと思います。

ジャンクハンター吉田の感想

(ジャンクハンター吉田)僕、初日はチケット買えなかった負け組だったんで。で、東京ディズニーランドに行って。その時間帯に、アフター6パスポートで。そこで、限定販売っていうかちょうど発売されたばっかりのR2-D2のポップコーンバケットを買いに行ったんですよ。そしたら5時間待ちで。200人、そこに並んでいて。で、買えず、結局無駄に時間とお金を費やして戻ってきて。で、今日。IMAX木場で見てきました。

(宇多丸)なるほど。ねえ。だって通常上映、山ほどやっていたんですよ。6時35分の回とかあったんですよ。ナメきってません?マジかよ、それ?っていうね。まあ、無事見れたということで。

(ジャンクハンター吉田)無事見れたんでよかったんですけど。本当はね、今日、ここにポップコーンバケット持ってきて、みんなで食べたかったんですけどね。でもまあ、本当負け組だったんですけど。でも今日、とりあえず見て思ったのが、さっき町山さんがおっしゃっていたように、J・Jは結構八方美人じゃないですか。で、これ、撮る前から言っていたのが、『小説・ノベライズとかそういうところからエッセンスはいただかないでオリジナルで作る』って言っていたのに、実際に見たら、ノベライズからガンガン、エッセンス入れてるじゃないですかね。

(宇多丸)結構入ってましたね。はい。

(ジャンクハンター吉田)で、ちょっとびっくりしちゃって。でも、我々みたいな40代超えてるおっさんっていうのはやっぱり泣かせるシーンが多かったんで。面白かったです。本当、泣かされました。4回ぐらい。でも、穴はいっぱいあるけども、もう本当、そのへんは町山さんとヨシキがいっぱいしゃべってくれているんで。ちょっとね、胸がスカッとしましたね。

(宇多丸)なるほど、なるほど。そうかそうか。まあ、じゃあそんなぐらいの。まあ、そんなひどいぐらいのテンションじゃないと。

(ジャンクハンター吉田)そうですね。もう自分の中ではこの作品は本当ね、エピソード9までっていう話、あったんですけど。エピソード9まで、我々は生き
きてなければいけないなって。

(宇多丸)新キャラ、どうですか?ちなみに。

(ジャンクハンター吉田)新キャラはやっぱりよかったですね。やっぱり。新キャラはね、やっぱね、レイでしょう。

(高橋ヨシキ)レイね。やっぱりね。主人公だしね。いいことですよ。

(ジャンクハンター吉田)彼女、ものすごいピカ一で。演技も上手いし、輝いてましたね。もうどうしてもね、スクリーンに釘付けになっちゃうのが、彼女が出るシーンですよ。

(宇多丸)なるほど。ちなみに『バトルフロント』、どうですか?

(ジャンクハンター吉田)『バトルフロント』、ジャクーのところとかも来て。結局ゲームと上手くシンクロしてるんですけども。実際に『バトルフロント』、いまプレイしてもみんな雑魚いんですよね。『コールオブデューティー』みたいなハードコアなFPSゲーマーは流れてきていないんで。『バトルフロント』に。

(宇多丸)ああー。割とライトユーザーが集まっている感じなんですか?

(ジャンクハンター吉田)そうなんですよ。なんでね、意外に皆殺しできるっていう。

(宇多丸)ああ、そうなんですか。吉田さんぐらいになると。

(ジャンクハンター吉田)遊びやすいですよ。

(宇多丸)僕らとか、すごいね、『難しい!』って(笑)。

(高橋ヨシキ)オンライン、怖いからやんない。

(宇多丸)難しい上に、こんなの瞬殺されるから嫌だって。

(高橋ヨシキ)右スティックじゃないですか。あれ、やりにくくないですか?

(ジャンクハンター吉田)でも慣れれば大丈夫。いろんな操作もあるんで。でもまあ今回はね、ゲームも出てないんでね。いままで、スターウォーズってゲームとメディアミックスしたんだけれども、『バトルフロント』っていう強力なゲームを出しちゃったから。まあ、ダウンロードコンテンツとしてしかね、エッセンスとして。ジャクーが入ってないから。これからなんかまた・・・

(宇多丸)情報統制もね、当然あったっていうのがありますけどね。

(ジャンクハンター吉田)そうなんですよね。

(宇多丸)はい。ありがとうございました。わざわざ。

(ジャンクハンター吉田)いえいえ、とんでもない。本当、今日は遊びに来たんで。

(宇多丸)とんでもないです。ありがとうございます。さあ、ということで、そろそろ時間が押し迫ってまいりました。ここで番組前半で募集した・・・私語!私語!なんの話してるんですか!?

(町山智浩)実物大だよ?ミレニアム・ファルコンが。ねえ。すっごい。これ、あるんだよ。実物大で。完璧な。

(宇多丸)はいはいはい。これはでも、いいですよね。

(町山智浩)素晴らしいことだよ。Xウィングファイターも全部あるんだよ。実物のものが。

(宇多丸)そういうところはやっぱりキャッキャキャッキャしちゃいますよね。やっぱりね。という、おじさんの私語に一瞬・・・

(高橋ヨシキ)パンフを見て、なんかしゃべっているっていうね(笑)。

スターウォーズ総選挙 神7エピソード

(宇多丸)ええと、番組前半で募集いたしました『スターウォーズ総選挙 神7エピソード』。要するにリスナーのみなさんからの投票により、エピソード1から7までのね、人気作品、ちょっとランキングにしてみました。メール総数418通でございます。紹介いたしましょう。第七位『エピソード2 クローンの攻撃』。第六位『エピソード3 シスの復讐』。第五位『エピソード1 ファントム・メナス』。第四位『エピソード7 フォースの覚醒』。第三位『エピソード6 ジェダイの帰還』。第二位『エピソード5 帝国の逆襲』。第一位『エピソード4 新たなる希望』ということでございました。

(町山智浩)『ファントム・メナス』、こんな上なの?

(高橋ヨシキ)『ファントム・メナス』、結構上ですね。

(町山智浩)『ファントム・メナス』、ジャー・ジャー・ビンクスたちが万歳!ってやっているところ、完全におもちゃみたいだよ。

(宇多丸)あの、っていうかもっと恐ろしいあれは、この間某番組でね、大きいレンタルビデオとかのチェーン。有名なところのレンタル回転率チャートみたいなのを見たら、上位はぜんぜんプリクエルなんですよ。やっぱり。で、最下位が『帝国の逆襲』だったりするんですよ。だからあれは結構衝撃的でした。

(町山智浩)1作目から見なきゃ!と思ってるんだよ。

(高橋ヨシキ)そうそう。そうですよ。1、2、3って番号順に見ようと思って、3ぐらいで力尽きちゃうじゃないですか。

(宇多丸)うんうん。本当にマジでその・・・

(町山智浩)『なんだよ、スターウォーズってこんなもんだったのか?』って思っちゃうじゃない。プリクエルから見始めて。

(宇多丸)そうなんですよ。大問題。

(町山智浩)問題だよね。

(宇多丸)だから我々は4、5、6、4、5、6、1、2、3、4、5、6ってね、提案しているのにね。

(町山智浩)問題だよね。そうか。みんなじゃあ、これを見なきゃしょうがないって『ファントム・メナス』から見ちゃうんだ。

(宇多丸)あと、まあ意外とプリクエル世代は『そんなに悪く言わないでよ』みたいなのはちょいちょい言われますけどね。『子供の時、ジャー・ジャー・ビンクス好きだったよ』みたいな。

(町山智浩)でもさ、『A long long time ago』で『大昔の話だ』って言いながら、50’sカフェっていうのが出てくるんだよな。

(高橋ヨシキ)出てきましたね。ダイナー。

(町山智浩)どういうことなんだよ、時間軸。それ!?って思うよね(笑)。

(高橋ヨシキ)急に出てきましたからね。びっくりしましたね。

(宇多丸)ねえ。でも今回、バンド出ましたね。

(高橋ヨシキ)レゲエでしたね。番組でね、『今回、カンティーナ的な酒場をやるんじゃないかな?』って言っていたら、それっぽいことが出てきて。

(町山智浩)だからもう、ベストヒットスターウォーズだからさ。みんなが喜ぶものを全部入れてるから。

(高橋ヨシキ)過剰接待が。

(宇多丸)やっぱさ、みんなが喜ぶものを正確に入れることが、やっぱりできてなかったわけだから。まあ、ねっていう。

(高橋ヨシキ)さっき市川さんも電話でおっしゃっていたみたいに、これ、ここで済ませておいて次から・・・

(町山智浩)次は完全に新しいことだけやらなきゃならないんじゃないの?

(宇多丸)けじめですよ。それやんなかったらたぶん、誰ももう見向きもしなくなっちゃうと思うから。これは必要だったと思いますけどね。

(高橋ヨシキ)あと、みんな吹っ切れますよね。これでね。これだけやってくれたら。

(町山智浩)違うことやっても許してくれる。

(宇多丸)そう。僕やっぱり新キャラとか新しいことも、『あ、有りなんだ』と思えたから。

(高橋ヨシキ)そう。新キャラの魅力もあったから。もうこれからはぜんぜんOK。

(宇多丸)そんなことが可能なんだ!って思ったんですよ。俺、もうやっぱり旧三部作のところに結局戻ってきちゃうんだっていうのがずっと、それこそ予告の段階で、『とはいえ、これって・・・』っていうのはちょっとあったんだけど。『あ、そこがメインディッシュじゃなかった』みたいなのが意外と僕は評価してるんですよね。

(町山智浩)うーん。

(宇多丸)まあちょっと、ねえ。まだ公開2日目ですから。そういう、我々の中も含めて、歴史的評価みたいなのが定着していくのはもうちょい先かもしれないですけどね。

(高橋ヨシキ)そうですね。まだぜんぜん落ち着いてないですからね。気持ち的に。

(宇多丸)うんうん。ひょっとしたら、『でも、よく考えたらこうかもね・・・』みたいなのが出てくるかもしれないですね。

(プレゼント情報省略)

(宇多丸)あと、まあせっかくなんで。お知らせごととか。吉田さん。なんか。

(ジャンクハンター吉田)まあ、僕はスターウォーズ。もういまから『バトルフロント』、遊んでいただければ。もう最高の世界が待っていると思いますよ。まあ映画とゲームのシンクロもちょっとあるんでね。

(宇多丸)おすすめは、じゃあ『バトルフロント』ということで。町山さん、なんかありますか?

(町山智浩)今回の『フォースの覚醒』にマックス・フォン・シドーっていう俳優さんが出てるんですけど。

(宇多丸)贅沢な使い方ですよね。あれ。

(町山智浩)そう。すごい贅沢な。なんで彼が・・・彼がいったいどういう人なのか?っていうことをたぶんいまの映画を見始めている人は本当にわからないと思うんで。イングマール・ベルイマンの映画とかをいま、教えてくれる人が誰もいないんですよ。映画雑誌って『映画秘宝』しかないけど、まあ、ほとんど。『映画秘宝』は毎回毎回、『食人族』を特集しててさ。

(一同)(笑)

(町山智浩)ベルイマンとかフェリーニとかなかったことになっているじゃん。ゴダールとか。

(宇多丸)でも、『第七の封印』のこの間リバイバルをやっていたんですけど。すげー人、入ってましたよ。

(町山智浩)入ってた?ああ、本当?いま、誰がそれを紹介してるの?どこで紹介してるの?

(高橋ヨシキ)フェリーニは本当、どこでも紹介してないですよね。

(町山智浩)みんな消えちゃっているけど。でも、いまのそれこそ宮﨑駿さんとか富野さんとかもそうだし。庵野さんもそうだけど。みんな、彼らの軸はベルイマンだったりフェリーニだったりゴダールだったりするんで。そういうのをやっぱり、見ておくと面白いんですよ。結構。結構面白くて、いまのアニメとかとつながっている部分がすごく多いんで。まあ、僕、ポッドキャストで『映画ムダ話』っていうのをやって。どこもメディアが僕にやらせてくれないので。自分でやっていますんで。よかったらインターネットで聞いてみてください。

(宇多丸)ベルイマン重要っていう話、この間ね、おっしゃってましたもんね。

(町山智浩)ベルイマン重要です。すっごいベルイマン、タルコフスキー、あのへんはもう、すっごい重要。はい。

(宇多丸)それ、でも本当興味深いですね。はい。そしてヨシキさん、なんかお知らせありますか?

(高橋ヨシキ)別に何もないです。本当。いま、町山さんの話を聞いて、本当『食人族』ばっかりじゃダメだなって(笑)。

(町山智浩)何回も何回もやっててさ、毎回同じこと書いてあるんだよ、『映画秘宝』(笑)。書くことないから(笑)。

(高橋ヨシキ)『食人族』、楽しい映画ですけどね。ええ。特になくてですね。また近いうちに、明日とか、またスターウォーズを見に行こうと。ちょっと何回か見ないと、落ち着いて話がわからない。

(宇多丸)ということで、『月刊 私のスターウォーズ』、ひとまずね、最終回ということになりましたので。まあでも、大惨事にはならなかったからいいじゃないですか。エピソード1みたいなことにはなってないんだから。

(高橋ヨシキ)本当、よかったですよ。ありがとうございます。

(宇多丸)うん。ということで最後にね、この決め台詞で締めたいと思います。最後に、行きますよ!

(一同)いやー、スターウォーズって本当にいいものですね!

<書き起こしおわり>

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