2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は18日、佐野研二郎氏がデザインし、撤回した旧エンブレムの選考過程に関する調査報告書を公表し、1次審査で不正投票があったと明らかにした。一方で佐野氏の作品はいずれの審査段階でも最多得票で通過しており、佐野氏の作品を選考した過程に問題はなかったとした。
調査は外部有識者のチームが担当。報告書は組織委について「手続きの公正さを軽視して、コンプライアンスに目をつぶるなりふり構わぬ働きぶりは、現代の五輪の組織委にはそぐわない」と厳しく批判した。
報告書によると、エンブレムのデザイン案の公募を発表する前、日本を代表するデザイナーの応募を望んだ元審査委員代表の永井一正氏は「公募ではデザイナーが参加を控える可能性がある」と危惧したという。
永井氏は元組織委マーケティング局長の槙英俊氏らと協議し、昨年9月、公募前に佐野氏を含むデザイナー8人に応募を要請する文書を送った。
8人は作品を応募したが、1次審査の投票で2人の作品が通過条件の2票を獲得できなかった。永井氏は事前要請した8人の作品は無条件で2次審査に進めて審査する意向だった。このため、槙氏らが永井氏に2人の作品への追加投票を促し、1次審査を通過させたという。報告書は「いわば『隠れシード』で明らかな不正」と指摘した。
その後の審査では不正投票は行われず、2人の作品は2次審査で落選した。佐野氏の作品はいずれの審査過程でも最多得票で通過しており、報告書は「佐野氏の当選があらかじめ決まっていた『出来レース』ではない」としている。
永井一正、佐野研二郎、槙英俊、パラリンピック大会組織委員会、審査過程、エンブレム、審査