黄澈
2015年12月23日20時29分
法務省入国管理局がメールで受け付けている不法滞在の通報が5月以降、前年の3倍以上寄せられていることが分かった。同局は「在日コリアンは強制送還される」とのデマがインターネットで出回った影響とみて受け付けを一時停止し、警察に相談した。
同局はホームページで情報を受け付けている。昨年度の通報メールは月平均で約460件だったが、今年は5月に1821件、6月に1562件と急増。集計中の7~9月はさらに増加傾向で、同局総務課は「3カ月間で1万件を超す可能性がある」。在日コリアンらに関する事実に基づかない情報が大幅に増えたという。
今年、ネット上では「7月9日以降、在日は不法滞在者になり、強制送還される」とのデマが広がった。「朝鮮人を通報して報賞金をもらおう」といった書き込みまであった。
同局によると、サーバーへの影響を懸念して10月末、情報の受け付けを停止。同一人物が大量にメールを送りつけた形跡もあり、こうしたメールを排除する対策を取った上で再開する方針という。11月には業務妨害など刑事事件にあたる可能性がないか警察に相談した。同局総務課は「外国人を中傷するメールは通報システムの目的にそぐわず、まったく遺憾だ」としている。(黄澈)
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朝日新聞社会部
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