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こんなこと、間違っている

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食品衛生課

2007-02-07 10:26:30 | Weblog
洋菓子の老舗「不二家」のずさん極まる衛生管理がテレビや新聞で大きく報道された。
 埼玉工場での賞味期限や使用期間を経過した牛乳や卵などを、十年以上も前から使用していた事が発覚し、社長も引責辞任に追い込まれ話題になっている。
 消費者に実害が及ばなかった事は不幸中の幸いと言えるだろうが、食品に毒物や有害物質が含まれている事など断じて許されるべき問題ではない。
 従って厚生労働省では賞味期限・消費期限の外、着色料や防腐剤などの添加物についても明示する義務を設けている。
 当然、製造段階での衛生管理についても厳しい規制があるにも係わらず、メーカーが衛生管理を怠っていた事は許されるべき問題ではない。
 
 マスコミは専ら経営者のモラルハザードの問題として取り上げているが、問題はこの様な事態の発生を防止するシステムが十分に機能していない事にある。
 例えば鳥インフルンザや狂牛病などについては、監督官庁が徹底した検査や伝染防止に携わっているが、一般的に食品加工業者に対する許認可制はあっても、実質的な検査は皆無の状態で、耐震強度偽装の問題で大騒ぎになった姉歯事件と酷似した問題を抱えている。
 
 埼玉県に限らず、どの県にも「食品衛生課」と言う課があり、行政指導や監査を行う事になっているのだが、実際には殆ど機能していない。
 不二家の場合も同じである。
 一口に食品加工業者と言っても様々で、パンや菓子などのメーカーから、飲食店や旅館・更に流通過程での衛生管理など、すべて業者の良心に委ねられているのが実情である。
 
 私の従姉妹がある県の食品衛生課に勤めている男性と結婚した。
 彼は極めて真面目で几帳面、「公務員の鏡」と言っても良い程の男である。五十才を過ぎて間もなく上司である課長が定年を迎え、彼が課長に昇進する事に決まった時の事である。
 課長室に呼ばれ、課長から「君もいよいよ課長だな。課長になったら定年前に、定年後の就職先を探しなさい。」と言われた。 要するに「天下り先を作っておけ。」と言う事なのだが、真面目な彼には天下りなど作れるわけがない、無事六十才の定年を迎えて了った。
 定年後彼は、県の外郭団体である「××県食品衛生協会」に勤務する事になった。
「食品衛生協会とはどんな仕事をしているのですか。」と尋ねた処、県の食品衛生課の職員だけでは県内の旅館・料亭・食堂などの衛生状態を検査しきれないので、そのお手伝いをしているのです。」と言う。 確かに零細業者まで調べる事は到底不可能である。
 その後、彼が七十才を過ぎて目出度くお役ご免となった後、法事で親戚が集まった折りに、従姉妹に、「もうそろそろ白状しても良いだろ。」と彼の課長時代の話を尋ねたら、彼女アッケラカンとして答えた。
 「肉・魚・野菜などは毎週のように業界から付け届けがあり、米以外の食料は買った事がないわ。」
 更に、料亭や温泉旅館でも「お勘定は後程ご請求申し上げます。と言って一切受け取らない。全く天国のような暮らしでした。」と言う。
 彼氏が堅物課長だった事とは別である。
 食品衛生課長の人事は素早く食品業界に知れ渡る。
 万一、新課長が悪代官だったら、不衛生な点を指摘され、業務改善命令や営業停止命令でも受けたら、不二家同様、命取りになり兼ねないからであろう。
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