産経新聞の加藤達也前ソウル支局長=21日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影)【拡大】
しかし17日に無罪判決が出ると、大統領府報道官は「大統領府は外務省が発表した立場と同じだ」と明言した。外務省は判決直前、裁判所に対し、日韓関係を考慮して善処するよう要請。無罪判決後には、「両国関係改善の契機になることを期待する」などとする立場を示している。今回の問題で強硬姿勢を取ってきた大統領府が無罪判決を容認したのは明らかだった。
大統領府側が姿勢を軟化させた理由の1つには、判決で、朴大統領と元側近の男性が会っていたとの噂が虚偽であると断定されたことがある。大統領府側が最もこだわっていたとみられる部分であり、「噂は虚偽」との判決を導き出したことで「実利は得た」との判断が働いたもようだ。
検察関係者は22日、聯合ニュースに対し、控訴しない理由として、外務省からの善処要請に加え、「(加藤前支局長の)コラム内容が虚偽であり、(私人としての)朴大統領への名誉毀損(きそん)が判決で認められた」ことを挙げている。