営業停止前夜に預金引き出した行員に返還命令=韓国最高裁

 2011年に韓国で貯蓄銀行の連鎖破綻が起きた際、貯蓄銀行の行員が営業停止処分を予想して営業時間後に預金を引き出したことについて、韓国大法院(最高裁判所に相当)が預金の一部を返還すべきとの判断を示した。大法院2部(キム・チャンソク裁判長)は20日までに、預金保険公社が釜山第2貯蓄銀行の当時の行員や家族ら11人を相手取り起こした訴訟で、うち引き出し額が多かった2人にのみ返還を命じた二審判決を破棄し、残りの9人についても再度審理すべきだとして、審理を釜山高裁に差し戻した。

 金融委員会は11年2月17日、釜山貯蓄銀行に営業停止処分を出した。預金者らは釜山貯蓄銀行系列の釜山第2貯蓄銀行の預金を急いで引き出し、釜山第2貯蓄銀行は2日後の19日に営業停止となった。

 行員らは2月16日の夜から、営業時間終了後にもかかわらず本人や家族名義の預金を引き出し始めた。預金者の実名確認手続きも行っていなかった。これに対し、預金保険公社は「預金保護の上限である5000万ウォン(約510万円)を超える分は返還すべき」として訴訟を起こした。

 一審と二審は、被告らが一般行員にすぎず営業停止の可能性について具体的に把握できていなかったとして、原告の請求を退けた。だが、大法院は「家族や親戚らにのみ営業停止の可能性を伝えて預金の引き出しを促し、営業時間後も預金を引き出した行為を正当とは見なせない」と指摘した。

崔燕真(チェ・ヨンジン)記者
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