中国への遺骨送還事業、北朝鮮軍の遺骨を誤送した可能性も

遺骨回収作業担当は専門家ではなく一般の兵士
墓碑の位置を把握できない状態で大急ぎで作業か

 韓国国防部(省に相当)は、6・25戦争(朝鮮戦争)で犠牲になった中国人民解放軍兵士らの遺骨を中国に送り返す作業を昨年から進めているが、これまで送られた約500柱のうち、最大で数十柱が北朝鮮・朝鮮人民軍兵士の遺骨、もしくは一部が流失した状態で送り返されていた可能性のあることが、20日までに分かった。国防部は今のところ「中国に送り返された遺骨には問題がない」と説明している。

 韓国政府関係者は「韓国軍による独自の調査によると、北朝鮮軍兵士と中国軍兵士の遺骨が埋葬された墓地を整備する過程や、あるいは墓地で中国軍の遺骨を収集する過程などで幾つか問題のあったことが分かった」と述べた。一連の問題を受けて国防部は16日に韓民求(ハン・ミング)長官主催の対策会議を開き、その場で韓国軍次元での監査も同時に検討したという。中国軍の遺骨の送還は、2013年6月に中国を訪問した朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が停戦60年を記念して提案したもので、昨年3月から作業が進められてきたが、今回の監査によって逆に外交面での火種になる恐れもでてきた。中国軍の遺骨は京畿道坡州市の「北朝鮮軍・中国軍墓地」(通称、敵軍墓地)に北朝鮮軍の遺骨と共に埋葬されている。韓国軍は中国軍と北朝鮮軍兵士を区別せず、発見された順番に遺骨を1カ所に集めて埋葬していた。

 2013年12月に韓中両国が韓国に残る中国軍兵士の遺骨送還に合意して以降、韓国軍は敵軍墓地で中国軍兵士の遺骨だけを選別して回収してきたが、作業を開始したところ、まず墓石はあっても遺骨がないケースが非常に多かったという。またこれとは別に韓国軍は12年12月にそれまで木製だった墓碑を大理石とし、トイレや通路を新たに整備する工事を行ったが、その際に墓石が移動してしまったケースもあったようだ。韓国軍は墓碑周辺で遺骨を発掘し、これを記録と対照する作業も同時に行ったが、その際にミスが発生した可能性も同時に指摘されている。

 さらに敵軍墓地で中国軍兵士の遺骨を回収する作業は、坡州市の陸軍第25師団が担当し、国防部の専門部隊である遺骨発掘鑑識チームは作業に加わらなかった。そのため冬に行われた作業は非常にずさんな状態で行われ、例えば凍り付いた土地を掘り返すため重機やつるはしなどが使用されるケースや、しかも墓碑の位置を正確に把握できていない状況で作業を進めるケース、さらには遺骨が入った骨つぼを破損するケースまであったという。その上遺骨を分類する作業も専門家ではなく一般の兵士が数多く参加していたようだ。韓国政府関係者は「送還は2013年12月に決まったが、送還の日時は翌年3月となっていたため、作業は大急ぎで行われていた」と明らかにした。

チョン・ヒョンソク記者
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