ヒートテックを山岳ガイドが使わない理由
ヒートテック極暖の速乾性は「綿以下」
【お題】 まだヒートテックなんかで冬を過ごしているの? - 泡沫な事柄の記憶
こんな感じで、ヒートテックは吸汗速乾性が悪いから、汗をかくスポーツの時に使うインナーには向かないという話が、ネットではよく言われている。
新CMスタート!ヒートテックを長年愛用する中谷美紀さんが語る魅力:ニュース・トピックス - UNIQLO ユニクロ
ユニクロの広告に出ているテニスの錦織選手も「それからは練習後もカラダを冷やさないように着てますね」と語っており、練習中には着てないことがわかる。練習中は、スポーツ用インナーを着ているのだろう。
だが、そもそもヒートテックはスポーツ用としては売り出されていないのだから、スポーツ用インナーと比較するのはおかしい。
ユニクロも、ヒートテックの吸汗速乾性の悪さがよく言われていることを気にしているようで、ヒートテックに吸汗速乾性があるとアピールするようになっているが、乾きが遅いレーヨンが入っている時点で、謳い文句に無理がある。
自転車に乗るようになってから、ユニクロでスポーツに向いた製品をチェックしていて、知ったのだが、ユニクロの冬向けインナーにはウォームドライシリーズというのがある。吸汗速乾性はなかなかよく、ずいぶん汗をかいた時でも、部屋の中で暖かいというのもあったが、30分ぐらいで乾いてしまった。また、汗の臭いもしなかった。他社のスポーツ用インナーとユニクロの製品を比べるのなら、このウォームドライシリーズが適切である。
シーズン終わりのため、オンラインショップでの在庫はかなり少ないのだが、ラインナップはウォームドライクルーネックTとウォームドライハーフジップTがある。
ユニクロ MEN ウォームドライクルーネックT(長袖) - UNIQLO ユニクロ
他社のスポーツ用インナーと比較するのなら、ウォームドライクルーネックTだろう。これは、かなり薄くて透けてしまうため、インナーでしか使えない。もともとは1,490円(税別)だが、値下げして、現在990円になっており、在庫処分状態のため、店頭では、ワゴンセールしかしていない。
生地はヒートテックより厚く、前のヒートテックエクストラウォーム(2015年モデルではないもの)より薄いのだが、裏地は起毛されており、肌触りが良い。素材は90% ポリエステル、10% ポリウレタン(BLACK/NAVYの場合)で、ヒートテックのようにレーヨンは入っていない。
普段使いしやすく、似た素材構成で吸汗速乾性がいいインナーといえば、MIZUNOのブレスサーモ エブリがあるが、着るとかなりチクチクして着心地が悪い。なので、ウォームドライクルーネックTの方を勧める。
ただ、少し大きめなので買う時はサイズに注意したい。Lサイズだと、袖がずいぶん長めだったので、Mサイズにサイズ変更をした。もしかすると、Sサイズにすれば、きつくしめつけるコンプレッション系インナーのように使えるかなと思って試着してみたのだが、この製品はなぜか袖周りがどれも同じぐらいの大きさのため、Sサイズを着ても身体がぴったりなものの、腕はなぜかゆるゆるという状態になってしまった。
問題点としては、袖が妙に緩い上、長めだというところ。それ以外は、汗をかくような状況での、普段使いのインナーとしてはかなり良かったので、各店舗のワゴンセールやオンライン通販でずいぶん買い集めてしまった。
ユニクロ MEN ウォームドライハーフジップT(長袖) - UNIQLO ユニクロ
ウォームドライハーフジップTも、裏地は起毛されており、直接肌の上に着るインナーとして使うことが想定されているようだが、ジッパーがあるので、調整に使う方がいいだろうと思って、インナーの上に着ることが多い。これも吸汗速乾性がよい。現在1,290円になっているが、もともと2,980円だったようだ。
ウォームドライクルーネックTとウォームドライハーフジップTを重ねて着ると、あまり厚着にならずにランニングなどのスポーツ時の寒さ対策ができる。
これらの製品は、2011年9月に始まったユニクロのイノベーションプロジェクトというシリーズで、「画期的な機能性と普遍的なデザイン性を併せ持った究極の普段着」を目指している。服にユニクロのロゴがモデルの二つの四角アイコンがあるのが特長だ。
イノベーションプロジェクトのシリーズは、他に防風ストレッチスウェットパーカ(長袖)などがあるのだが、これも防風という機能性が欲しかった自転車乗りの時に便利に使っている。
UNIQLO INNOVATION PROJECTの舞台裏 [前篇]~「考える人」2011年秋号~ - UNIQLO ユニクロ
UNIQLO INNOVATION PROJECTの舞台裏 [後篇]~「考える人」2011年秋号~ - UNIQLO ユニクロ
UIP商品の舞台裏 [前篇]~「考える人」2012年冬号~ - UNIQLO ユニクロ
UIP商品の舞台裏 [後篇]~「考える人」2012年冬号~ - UNIQLO ユニクロ
ウォームドライシリーズが、他社のものより、どの程度よいかということについては明言できないが、ウォームドライクルーネックTはコンプレッションではないので、日常使いできるのが便利だ。長く運動をする時は、もっと性能が高いインナーを使って、普段はこのウォームドライクルーネックTを使えば、たとえ汗をかいても乾きが早く、気持ち悪くならない。
ユニクロは、ヒートテックばかり押し出すのではなく、この商品をもっと上手く宣伝すればいいのにと思ってしまう。
2011年にウォームドライハーフジップTが登場した時は、自転車乗りの人も結構チェックしていて、2011年は使用報告が結構ある。
きゃうちゃんのこばなし ユニクロ ウォームドライのインプレ
むぅむぅ。 冬用インナーとしてのユニクロウォームドライハーフジップT
爺の戯れ事:UNIQLOウォームドライハーフジップT(長袖)
ウォームドライTは一番下のインナーで - ジンセイハフリースタイル
ユニクロ ウォームドライハーフジップT 使ってみました: ロードバイクとクロスバイク【改】 ときどき カーシェアリング
ウォームドライクルーネックTは、ブログに書く人はあまりいなかった。いい製品なのに……。
ウォームドライクルーネックT(長袖)+ ( その他スポーツ ) - 色んな遊びの日記 - Yahoo!ブログ
「山で下着が綿かウールかで生死が別れたケースが多数ある」と昔聞いたなあ.ユニクロ製品では,実はエクストラファインメリノセーターが下着に使える.セール時に990円で買って冬ロードバイクに使ってる. / “山岳ガイドが冬にヒートテック…” http://t.co/gMxDCard80
— 前田敦司 (@maeda) November 20, 2013
また、ユニクロでは、エクストラファインメリノセーターをインナーに使うという裏技もある。メリノウールはインナーに向いた素材であり、セールになると、最終的に1000円近くになるので、インナーに使いやすいのだ。
自分も試しに1,980円になっていたのを買ってみて、肌の上から着てみたが、相当チクチクして我慢ができなかったので、インナーでの使用はさすがに諦めた。ただ薄くて、重ね着するには向いているので、ウォームドライクルーネックTなどインナーの上に着ている。
あと、今回、今更知ったのだが、ユニクロは3ヶ月以内の返品、交換を受け付けている。サイズが合わなかったため、買った店で交換を申し込んだのだが、スムーズに交換してくれた。ただし、レシートは必須、できたらタグもあったほうがいいので、レシートとタグは捨てないのを勧める。
このあと、ユニクロに飽きたらず、おたふく手袋という安い機能性インナーも買った。コンプレッション系のインナーで、吸汗速乾性に優れており、これが1000円前後で買えるのには非常に驚く。モンベルなどなら4,5倍はするだろう。
こういして、安い機能性インナーをいろいろチェックするようになったのだが、それはまた別の記事で。