西日本新聞社

産経前ソウル支局長の無罪確定へ 韓国検察が控訴断念

2015年12月23日 00時27分

 【ソウル植田祐一】韓国検察は22日、朴槿恵(パク・クネ)大統領に関する記事で名誉を毀損(きそん)したとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)に対する17日の無罪判決について控訴を断念し、上訴放棄書を裁判所に提出した。加藤氏の無罪が確定する。

 韓国検察が一審の無罪判決を控訴しないのは極めて異例。聯合ニュースによると、検察関係者は控訴断念について、韓国外務省が判決前に提出した要請文に言及し「外務省が韓日関係発展という大局的な観点から善処を求めたことなどを考慮した」と述べた。

 控訴断念は事件の「被害者」とされた朴氏の了解を得ているとみられる。韓国大統領府は当初、加藤氏の記事に激怒し、検察も公判で朴氏の処罰感情の強さを指摘していた。「はしご」を外された格好の検察関係者は「記事内容が虚偽であるのに誹謗(ひぼう)の目的がなかったとして無罪にするのは最高裁判例に反している」と無念さもにじませた。

 朴氏の処罰感情が一転した背景には、11月の日韓首脳会談の際に「早期妥結」で合意した慰安婦問題があるとみられる。加藤氏の起訴には日本政府も懸念を示していたことから、無罪確定は日韓両政府のシナリオ通りともいえる。日韓関係の専門家らの間では「慰安婦問題の妥結も近いのではないか」との観測もある。

 一審判決は、記事が紹介した朴氏の動静に絡むうわさは虚偽で、私人としての朴氏の名誉が傷つけられたと認定。その上で、記事は朴氏を誹謗する目的で書かれたとはいえないと判断、無罪を言い渡した。

 産経新聞社の小林毅取締役は「当然とはいえ、喜ばしい。無罪判決確定が、韓国における言論、報道、表現の自由の保障に資するものになると信じ、期待したい」とのコメントを出した。

=2015/12/22 西日本新聞=

22日、中国中央テレビが放映した北京市第2中級人民法院に出廷した人権派弁護士、浦志強氏の映像(共同)
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