野中良祐
2015年12月22日23時51分
田畑を荒らすシカやカラスなどの「有害鳥獣」は、年間200億円近い被害をもたらす。捕獲後、埋却や焼却処分されることが多いが、意外な方法で加工したり、料理にしたりする試みが各地で進められている。国も普及に向けて支援している。
京都府京丹後市で100年以上の歴史をもつ小野甚味噌醬油(おのじんみそしょうゆ)醸造は今年、シカ肉をこうじの力で発酵させ、しょうゆのような「醬(ひしお)」の製造を始めた。ナンプラーなど魚醬(ぎょしょう)は各地にあるが、肉が原料のものはほとんど例がないという。
市によると、2014年度には3800頭が捕獲された。豊富なシカ肉を「有効利用」しようと、市が開催したビジネスアイデアのコンテストに、京都工芸繊維大学(京都市)で発酵を研究するグループが醬づくりを提案。老舗の小野甚が実現に乗り出した。
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朝日新聞社会部
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