【コラム】韓国企業を二重苦に陥れる中国自動車メーカー

【コラム】韓国企業を二重苦に陥れる中国自動車メーカー

 スウェーデンに本社を置くボルボ・カーは中国企業だ。2010年に米フォード・モーターから中国・浙江吉利控股集団の傘下に入った。だが、今年初めに訪れたヨーテボリのボルボ本社で、中国人は一人も見当たらなかった。吉利による買収から5年が過ぎたにもかかわらず、「中国ボルボ」になったという証拠はほぼ見つけられなかった。ボルボのホーカン・サムエルソン最高経営責任者(CEO)は「中国の大株主たちはボルボの価値を認め、多大な投資をしている」と語った。

 驚いたのは、そのとき会ったスウェーデンの経営陣の仕事へのマインドだった。彼らは「年間46万台の生産台数を6年以内に2倍に増やす」「米国市場を大々的に攻略する」「5年以内に全ての車種を新車に替える」「(既存モデルと)99.99パーセント違った車をつくる」などと口々に語った。2けたの成長率、全面刷新といった言葉は、急速成長を遂げた韓国や中国など新興国の専売特許ではなかったのか。

 「スウェーデンボルボ」が「中国ボルボ」になりつつある証拠を見つけたような気分だった。同時に、これがまさに中国のもう一つの脅威だとも感じた。中国が買収したボルボが2けたの成長を遂げ、米国市場でも成功すれば、韓国自動車メーカーは大きな打撃を受けるに違いない。

 先日、自動車に関するあるニュースが業界の耳目を集めた。米国最大手の自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)が中国山東省で生産したスポーツタイプ多目的車(SUV)「ビュイック・エンビジョン」を逆輸入し、米国などの北米市場で来年夏に発売すると発表したのだ。価格競争力に品質まで備えた「メード・イン・チャイナ」の車が米国を攻略することになる。また、ボルボは5月から、中国四川省の成都で生産したセダン「S60」を米国に輸出して販売している。

李仁烈(イ・インヨル)産業1部次長
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】韓国企業を二重苦に陥れる中国自動車メーカー

right

関連ニュース