読者の意見:目隠ししても取得できる韓国の運転免許

読者の意見:目隠ししても取得できる韓国の運転免許

 観光ビザで韓国に入国し、運転免許を取得する中国人が増加している。学科から技能、路上での走行など全て含めてもたった2日で免許が取得できるからだ。すると最近になって中国政府は韓国の運転免許を「目隠ししても取得できる危険な免許」と見なし、韓国政府に中国人への免許の交付を認めないよう文書で求めているという。

 以前は韓国でも運転免許証の取得は決して簡単ではなかった。マニュアル車がほとんどだった時代、技能試験ではS字カーブ、T字路、バックなど全てが決して簡単なものではなく、講習の時間も最低60時間以上と定められていた。ところが2011年、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が運転免許制度の簡素化についてコメントしたことがきっかけとなり、免許の取得が一気に簡単になった。ただ問題は簡素化後に交通事故が大幅に増加したことだ。免許取得の際に十分な講習を受けていないので、ウインカーなしの割り込みや車線変更、右折時の歩行者の巻き込み(韓国では車は右側通行)など危険な行為が相次ぎ、その結果、多くの事故が発生するようになった。

 最新の研究結果によると、ここ数年内に新規に免許を取得したドライバーは、以前に比べて初めて違反で捕まる時期が早くなっているという。その結果、韓国における交通事故発生率は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も高い。免許の取得に必要な費用と時間を節約するための政策が、結果的に国民の生命を危険にさらしているのだ。

 先進国では運転免許の取得は非常に厳格だ。正式に免許を取得するまでオーストラリアでは4年、フランスでは3年、ドイツでは2年かかる。先進国では仮免許までは比較的簡単に取得できるが、その後はドライバーの運転の癖などをしっかりと観察し、安全と判断された場合に限って正式な運転免許が交付される。このように免許の取得自体が非常に難しいため、交通事故が発生する確率もそれだけ低くなり、また交通法規を守るドライバーの意識も高い。

 政府は先日、運転免許制度の強化と見直しを発表した。しかし学科試験でプールされた問題数が300から700に増える以外は、実質的に変わることは何もない。政府は交通法規を十分に理解し、安全運転ができると判断されたドライバーに限って免許証を交付するよう制度を見直すべきだ。時には簡易な制度よりも難しい制度の方が本当に国民のためになるからだ。

キム・ナウンさん(壇国大2年生)
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