【記者手帳】韓国社会、「二流の寄付」払拭に知恵を絞れ

 ウクライナからの移民でWhatsApp(ワッツアップ)の創業者として知られるヤン・クーム氏は、つい先日オープンソースのオペレーティングシステムであるFreeBSD(フリービーエスディー)に100万ドル(約1億2000万円)を寄付した。スーパーで床掃除のアルバイトをしながら貧しい生活を送ってきたクーム氏は、この寄付を行った理由について「FreeBSDによってわたしは独学でプログラムを学び、貧しさから逃れることができた。同じように移民家庭の子供たちも自分のようにオープンソースを通じてプログラムを学習し、貧しさから抜け出すことを願う」と語った。このように富裕層から寄付についての話を聞くことで、米国では多くの人が世の中のためになるさまざまな方法を自ら学び取ることができるのだろう。

 ファイル共有サービスのナップスターを立ち上げたショーン・パーカー氏は、6億ドル(約740億円)の寄付を発表した席で「私が解決できると思えることだけに金を使う。世の中には本当に多くの問題があるが、その中で攻略が可能なものを見つけ出し、それに執拗(しつよう)に取り組むハッカー精神が寄付にも必要だ」と述べた。寄付に先立ち、その金でどのような問題を解決するのか、執拗かつ情熱をもって考え抜く必要があるということだ。

 もちろん韓国の企業経営者たちがキムジャンのような活動をすることが無意味なこととは言わない。しかしただ機械的に繰り返される空虚な寄付では、いつまでたっても二流だ。「分かち合い」という貴重な精神と活動を通じ、効率的かつ感動をもって世の中を変える方法は何か、韓国社会も国民ももっと深く、真剣に考え抜いてほしい。

経済部=キム・シンヨン記者
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