はじめに
Slack, Hubot, ChatOpsなどの登場により、チャットとボットを導入している開発現場が増えてきました。
また、BotについてはHubotやRubotyなどのプラグインが多数あり、活用事例のブログエントリが多くあります。これらを活用することで導入する場合のコストも低くなっています。
ChatOpsの文脈ではデプロイやサーバーの再起動など業務に関わる操作をチャット上で行うためにボットを活用していますが、ここではチーム力を向上させるためのボット活用を考えてみます。
背景の共有
私が経験済みの開発現場、担当は以下のようなものです。
- 数十名規模から数百名規模の受託開発の下請けとして参加。チームリーダー、開発などを担当
- 数名規模のWebサービス開発。全体のことから実装レベルのことまで雑多に担当
- 数名規模のBtoBの受託システム開発。ただし、納期は設定せずベストエフォートで短期のリリースを繰り返す「納品のない受託開発」に近い形式。技術選定やライブラリ開発、ツール開発、ワークフロー、開発者の採用など雑多に担当
マネジメントと開発の真ん中くらいに位置することが多いです。
仕事とチームワーク
システム開発に関わる多くの仕事は複数名のチームで行います。
チームの開発はチームワークが良いほうが円滑です。
チームワークがよいチームは良質のコミュニケーションを生み出しやすいです。
チームワークが悪いチーム
現場の制約によりこの「当たり前」が無視されているケースもよくあります。
例えば受託開発における元請けと多数の下請け・フリーランスの混成チームなどの場合、ほとんどコミュニケーションを取らずに開発したり、場合によってはお互い仕事をなすりつけあう敵として振る舞うことすらあります。
居心地の悪いチームは人の入れ替わりも激しくなります。
結果としてノウハウの蓄積がされにくくなり同じ失敗を繰り返しやすくなります。
チームワークが良いチーム
チームワークがよいチームは情報が行き渡りやすく、継続的な改善が行われ、楽しく仕事ができます。
人が定着しやすく、ノウハウが蓄積されやすくなります。
その他にも様々な利点があるでしょう。
チームワークに必要なもの
ビジョンの共有
所属する組織、チーム、プロジェクトのミッションとその根底にあるビジョンを共有していると、お互いの意志をすり合わせやすくなり、チームとして動きやすくなります。
共感
人は自分との共通点を持つ人に、共感します。
共感によりコミュニケーションのハードルが下がり、関係性の距離が近づきます。
本来「システム開発」という同じ仕事をするもの同士、すでに共感できる点が多くあるはずです。
信頼
- チームのためなら頑張れる
- あいつを喜ばせたい
- みんなで成し遂げたい
そんな気持ちになるチームはお互いが信頼関係で結ばれています。
- 相手の立場、気持ちを考え行動する
- お互いの役に立つ
- 感謝を伝える
目先の「必須タスク」のみに囚われずに、このような行動を積み重ることが信頼を高めます。
ChatBotの活用
ChatBotを活用し、コミュニケーションを活性化させるきっかけ作りをしてみます。
コミュニケーションの量を増やす
何はともあれコミュニケーションの機会を増やすことが、共感を生み出すきっかけになります。
雑談BOT
雑談BOTはそれ自体面白いですし、妙なレスポンスを返却したり、想定外の話題に発展することがあります。
そのため、
- 突っ込みたくなる
- 多くの話題を生み出し共感ポイントを偶発的に発生される
のような流れになりやすいです。
例えば
こんな感じになると、話題を無視していることに突っ込んだりニュースの話題を話すことになります。
定期POSTを利用したテーマトークを定期的に発生させる
情報会議の例ですが、ここではシェア太郎というボットが1日に1回一句を要求してきます。
指名された人は一句詠むことになります。
この句の話題を元にコミュニケーションが増えたり、話題が広がったりします。
こういったやりとりによって 共感 が育つチャンスが増えることになります。
ボットのスケジューラーで理念を流す
ボットのスケジューラーで経営理念やチームのポリシーなど軸として共感すべき内容を流すことで、ビジョンの共有を促します。
先ほどの1日一句のテクニックと組み合わせて日替わりや週替りで、チームポリシーについてランダム指名を行い1エピソード話してもらうようにするのもいいですね。
褒めチャンネル
私が関わる複数の現場では「褒めチャンネル」を作成して、タスクの完了を報告すると、ボットが画像付きで褒めてくれるようにしています。
遊び心のある褒めメッセージや、ボット以外に人も混ざって褒めてくれるようにすることで、各担当が細かすぎて報告していなかった貢献なども報告してくれるようになりました。
実はそんな貢献をしていたのか!という部分が可視化されてお互いの信頼が強まったように感じます。
「褒め」は人によっては照れくさくて中々できないものですが、「褒めチャンネルは褒める場所」というルールを作ることで褒めやすさを生み出します。
すごく実力が有る人でも、話をきいてみると
「自分は本当に役に立てているのだろうか?」
「誰も何も言ってくれないので本当に役に立てているのかわからない。」
と思い悩んでいることがあったりします。
褒めによって各担当者の安心や自信を生み出すことにも繋がるわけです。
徳ポイント
褒めチャンネルは自分から褒めてもらう内容をポストする場所ですが、徳ポイントは感謝する側がポストする仕組みになっています。
ボットに
thx tanaka ありがとう!
のようにメッセージを送ると感謝の心を徳として付与することができるようにします。
そして、徳の内容は一覧で確認できるようにします。
以下は、情報会議の徳システムです。
(内部的には ruboty-karma ・ ruboty-replace を組み合わせて実現しています )
徳ポイントによって感謝が可視化されることで、人の役に立つことに対する動機づけがひとつ増えることになります。
また感謝を伝えることによって信頼関係が強化されます。
まとめ
チーム力向上の施策はBot以外でももちろんできます。
Botならではの部分として
- 楽しい
- 人間よりも確実に定期ポストを行ってくれる
- 人にやらされている感が薄まる
などの要素が大きいのでは?と考えています。
Botによるチームワーク向上は他にも色んな仕組みが考えられそうですし、既に実施しているところもあるでしょう。
「私のところではこうやってます!」というような情報の広がりを期待しています。
資料
- Hubot
- r7kamura/ruboty – GitHub
- Ruboty って何?どうやって動かすの? Hubot と何が違うの?どっちを使えばいいの? – Qiita
- 情報会議
- hkdnet/ruboty-karma – GitHub
- r7kamura/ruboty-replace – GitHub
- あなたの頑張りをほめてくれる場所の作り方 |Slack実例
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