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記述式問題例を初公開、センター試験の後継テスト
文科省の有識者会議

2015/12/22 15:28
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 大学入試改革の具体策を議論する文部科学省の高大接続システム改革会議(座長・安西祐一郎日本学術振興会理事長)が22日あり、現行の大学入試センター試験に代わって導入される新テストの記述式問題例が初めて公表された。必修科目がある「国語」と「数学」を当面の対象とし、文章作成を通じた思考力や表現力の評価につなげるとした。

 新テストは大学入学希望者学力評価テスト(仮称)。現在の中学1年生が高校3年生になる2020年度から実施される。

 問題例について、文科省は「記述式の考え方の方針を示す趣旨で作成したものであり、学力評価テストの直接のモデル問題ではない」としているが、高校までの教育や大学の個別入試の改革が加速するとみられる。

 22日の同会議で公表された問題例は国語3問、数学1問。英語は過去に文科省が高校生の英語力測定の調査で出題した2問が参考として示された。

 国語はグラフや新聞記事などを読んで内容を理解した上で解答を書いたり、理由を説明したりする問題で、選択肢の正解の組み合わせが複数ある問題も示された。数学は日常生活の現象を数学的に捉え、答えに至る過程を重視した問題を例示した。英語は英作文とスピーキングの問題。

 会議資料では、記述式導入について「知識量を問うものにせず、思考・判断・表現のプロセスで必要な能力を評価する」と指摘。制限が無い「自由記述式」ではなく、解答の一部を問題文から引用するなどの条件に従って答える「条件付記述式」を採用する。1問あたりの解答文字数は最大で300文字程度までを想定する。

 英語は「話す、書く、聞く、読む」の4技能を評価するため、民間の資格試験との連携を引き続き検討する。

 記述式は採点に時間や人手がかかり、公正さの確保も課題となる。文科省は新テストでは現行と同じマークシート形式も実施する方針だが、今後の会議では、採点時間の問題などから記述式をマークシート形式より前倒しで行うことも検討する。

 同会議は年度内には大学入試改革の「最終まとめ」を出す。

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