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 北海道七飯(ななえ)町のJR函館線大沼駅構内で2013年9月、貨物列車が脱線した事故で、道警は22日、レールの検査データを改ざんして国に報告したとして、JR北海道の社員ら19人と法人としての同社を鉄道事業法違反(虚偽報告、検査忌避)などの疑いで札幌地検に書類送検した。

 また、レールの異常を放置して脱線事故を招いたとして、現場の保線業務を担当する同社大沼保線管理室の当時の助役を業務上過失往来危険容疑で函館地検に書類送検した。

 事故は13年9月、大沼駅構内で18両編成の貨物列車の6~9両目が脱線した。

 道警によると、同管理室の社員らは事故直後、最大39ミリだったレール幅の広がりを示す検査数値を25ミリに改ざんした疑いがある。

 また、本社の工務部幹部らは事故後、現場から送られてきたレールの右方向へのずれを示すデータが約70ミリで整備基準の19ミリを上回っており、再調査を2度指示。ずれ幅が小さく改ざんされたのを黙認し、国に報告した疑いがある。

 道警は、事故の約3カ月前に実施した検査でレールの異常を把握しながら放置したことが事故につながったと判断。現場の実質的責任者だった当時の同管理室助役を書類送検した。

 この事故では、社内調査でレール検査データの改ざんが相次いで発覚し、国土交通省と運輸安全委員会が14年2月に刑事告発。道警が同月、同社本社などを家宅捜索していた。

 同社の島田修社長は「捜査に最大限協力する。事故後に講じた対策を確実に実施し、安全確保、鉄道再生に全力で取り組む」とのコメントを出した。