【噴水台】世宗大王

【噴水台】世宗大王

2009年10月07日13時11分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  「殿下、集賢殿大提学鄭麟趾(チョン・インジ)申し上げます。チアチア族という南蛮種族のいるのですが、言葉はあるが、文字がない少数民族だとのことです。このようなことで、殿下が創製なさった訓民正音を借りて彼らの言葉を表記することになりましてございます」

  「ハハ。まったく素晴らしいことだ。国の言葉がインドネシアと違い、互いに合わず、自分の意思を伝えられなかった幼い民たちが、初めて文字を持つようになったという話ではないか。集賢殿の学士たちを急いで派遣し、彼らが訓民正音を習うのに支障がないようにしなさい」

  世宗(セジョン)大王が生まれ変わったとしてもびっくりするに違いない。訓民正音を創製した愛民精神が名前さえほとんど耳にしたことのないチアチア族から具現されているからだ。後発走者、韓国が情報技術強国になることができた原動力も、元はと言えば親デジタル文字としての科学性にあったからかもしれない。

  訓民正音こそ不滅の業績だが、それだけで世宗を称えるのは足だけなでてみて象を杵のように見えたと信じる盲人摸象のようだ。大王の業績は国防、外交で当時の国家基盤産業である農業と科学技術、文化芸術にまで至ったから実に全人というに値する。紙面が承諾しないから科学分野だけ見てみよう。即位して初めの10年間、極甚な日照りで凶年が続くと、大王は科学で対策を探した。そして官奴の身分だった張英実(チャン・ヨンシル)を抜擢し、測雨器と天体観測器の渾天儀を作らせた。測雨器は西洋の物より200年先を行った。張英実以外にも日時計である仰釜日晷を作った李蕆(イ・チョン)ら、世宗朝にはすぐれた科学者が整然と並んだ。韓国科学技術翰林院が最近、名誉の殿堂に憲政する今年の科学者として、世宗を選定したことはこんな縁由からだ。

  563周年、ハングルの日を前に世宗大王が光化門にお目見えした。その善良で慈しみ深いほほ笑みをたたえた天顔をなさっても、仰ぎ見ることができると思うと自然に心が豊かになる。財布の中に天顔をお納めしておくときの安心感とはまた違った感情だ。どうにか金使いを減らしても、世宗大王はたちまち退渓先生に変わり、いつのまにか多宝塔の小銭何枚かに化けてしまうなどという心配もなく、常に同じ場所で一様なほほ笑みでおいでだからだ。ちょうどノーベル賞の季節だ。常に今ごろになると海の向こうからの受賞所感を聞きながら気後れしたりする。朝鮮科学のルネサンスを掘り起こした世宗の銅像を光化門にお迎えしたので、来年の今ごろ、大王の恩徳で朗報が飛んできていたらいいだろう。

                                           イェ・ヨンジュン政治部次長
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