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【社会】

安保法「違憲」集団提訴へ 人格権侵害などを主張 弁護士ら来春に

 集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法は憲法九条に違反するとして、弁護士有志でつくる「安保法制違憲訴訟の会」が二十一日、同法が施行される来年三月ごろをめどに、集団的自衛権の行使の差し止めと、同法成立で受けた精神的苦痛に対する慰謝料などを求める国家賠償請求訴訟を全国の地裁に起こすことを明らかにした。

 違憲訴訟の会は九月に結成され、提訴の準備を進めてきた。現在のメンバーは約三百人で、裁判官出身の弁護士もいる。この日、共同代表の伊藤真弁護士らが東京都内で会見し、今後、原告の募集や、安保関連法に反対する憲法学者との連携も進める方針を示した。

 訴訟では、安保関連法の制定により憲法で保障された平和的生存権を侵害されたと訴えるほか、他国からの攻撃やテロの危険性が高まるため人格権を侵害されると主張する。各地で弁護団を結成し、東京、大阪、名古屋など高裁のある全国八地裁には、差し止め訴訟と賠償請求訴訟を起こすという。

 会見で伊藤弁護士は「立憲主義と国民主権の回復のため違憲の安保関連法を発動させず廃止させる」と意気込んだ。共同代表の寺井一弘弁護士は「一見して明白かつ重大な憲法違反の安保関連法を、極めて強引な採決で成立させた政府の責任を司法の場で明らかにしたい」と話した。

 安保関連法が今年九月に成立して以降、東京地裁では少なくとも五件の無効確認などを求める訴訟が起こされたが、「具体的な権利侵害がない」などと、原告の訴えを却下する門前払いの判決が相次いでいる。

 共同代表で元名古屋高裁裁判長の田村洋三弁護士は「私たちが起こす裁判は、権利が侵害されたことを前提に差し止めなどを求めるもので、これまでの裁判とは訴える内容が違う。司法が判断できるし、すべき事項だ」と強調した。

 

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