メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

「3475人減」…文科・財務、痛み分け合意

 教職員定数を巡る来年度予算案について21日、馳浩文部科学相と麻生太郎財務相が合意した。2011年度予算案以来となる大臣折衝にもつれ込んだ両省の攻防は、学級数で自動的に決まる「基礎定数」は4000人減らす一方、力を入れる教育政策に応じて毎年配置数が決められる「加配定数」は525人増やす形で決着した。【三木陽介】

     財政難で減らしたい財務省は差し引き「3475人減」を勝ち取ったが、現場を充実させたい文科省側は「基礎定数は少子化で自然に減る分なので実質525人増だ」とこちらも「勝ち」を強調しており、玉虫色の結論になった。

     教職員定数は基礎定数と加配定数の合計。財務省は24年度までの9年間で教員を約3万7000人減らす方針で、来年度は今年度比3479人減を要求していた。「これを交渉のベースラインに据えなければ、教員支援の専門職を配置する予算交渉に応じない」と強硬姿勢を見せていた。

     これに対し、文科省は「現場の大変さを分かっていない」と反発。9年間の削減を5000人にとどめ、来年度は60人減に抑えるよう主張していた。

     21日の大臣折衝では「学校の統合」がカギになった。統合すれば自動的に学級数が減り、基礎定数減となる。来年度中にこれまでの想定より150校減少することを見越して、基礎定数は財務省の求めよりも削減幅が大きい4000人減で合意。加配定数では文科省の顔が立つ525人増で折り合った。

     馳文科相によると、麻生財務相からは「エビデンス(科学的根拠)を踏まえて今後定数の研究、検討をしてほしい」と求められたという。文科省は来年度から定数に関する研究事業を始める方針。

    あわせて読みたい

    制限なく記事をお読みいただく方法はこちら

    毎日新聞のアカウント

    のマークについて

    話題の記事