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 竜巻など突風の強さを示す米国生まれの国際的尺度「藤田スケール」について、気象庁は21日、新年度から新たな基準「日本版改良藤田スケール」(改良スケール)を導入すると発表した。突風被害が増えるなか、被害の指標を拡充し、より実態に合った風速を割り出す狙い。気象庁は「竜巻や突風の科学的知見を集め、防災気象情報として生かしたい」としている。

 改良スケールは、これまでの藤田スケール同様、突風の強さを示す階級を0~5の6段階に分けた。一方、突風の強さを判断するための指標は住宅や自動車など9指標から、日本国内の建築物などの状況を反映して30に細分化した。新たに自動販売機や軽自動車、墓石などが盛り込まれた。

 藤田スケールでは、突風で住宅の屋根瓦が飛ばされた場合、風速の推定が「毎秒33~49メートル」といったように値に幅があったが、指標を細かくすることで「毎秒約45メートル」といった絞り込んだ値を示せるという。

 藤田スケールは1971年、米・シカゴ大の藤田哲也名誉教授がアメリカで考案した。当初、アメリカ国内での被害を想定したため、外国では風速と被害の関係が十分に検証できないなどの問題があった。(鈴木逸弘)