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    Brandon K. Hill

    CEO of btrax, Inc

    CEO of btrax, Inc - Design Mentor to Startup Weekend - Contributor to TechCrunch Japan - Guest Speaker at UC Berkeley Asia Business Conference - Guest Speaker at Social Media Week Tokyo - Guest Speaker at 500Startups Japan Day

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【金融革命】最新フィンテック (Fintech) 系サービスまとめ

自分のお金なのに送金やATMで引き出すたびに取られる手数料、店舗は15時に閉まる上に使いにくいオンラインバンキング、モバイルアプリは無し。店頭では散々待たされ、たらい回し。既存の金融機関の不便を全て解消する為にテクノロジーが革命を起こそうとしている。

最近よく耳にする”フィンテック” 「聞いた事があるが、それが何かイマイチわからない」という感じであるが、簡単に言うと、スマホやWebのテクノロジーを金融関連の仕組みに活用して新たなサービスを作り出す動き。海外では主に非金融機関のスタートアップがサービスを展開し、それに対して銀行やクレジットカード会社といった金融機関が投資を行っているケースが多い。

アメリカ西海岸を中心に、既存の不便なサービスや仕組みにメスを入れ、ユーザー本意のサービスを通じて生み出される”破壊的”イノベーションは、タクシー業界のUber, 宿泊業界のAirbnbなどが代表的であるが、その波は最も保守的な金融業界にも訪れている。フィンテックはまさに金融界に対する”破壊的”イノベーションである。

サンフランシスコでの日々の生活でもモバイルアプリを通しての送金、PayPalでの支払い、Squareでの課金などが日常茶飯事なのに対し、最後に銀行の店舗に行った記憶が定かではない。それぐらいフィンテック系サービスが日常生活に密着したものになりつつある。

米国とカナダの2,450人のミレニアル世代の若者にアンケートを取ったところ、全体の46%が既存の金融サービスの変更を検討しており、67%が非金融機関が提供するサービス利用を検討したいと答えている。

一方で、日本では実用へのスピードが遅く実感が湧きにくいが、新しいテクノロジーが既存のシステムに革命にもたらすのは時間の問題である。特に、ユーザー視点で不便なサービスは予想以上に早いペースで革新が進み、金融業界に新たなテクノロジーを用いて革命を起こす。

フィンテック系サービスは我々の生活をどう変えていくのか

実際にフィンテック系サービスの普及が進むと何が便利になって行くのか。実際にアメリカを中心として既に普及しているサービス事例を元に、ユーザーがどのようなメリットを享受出来るかを見てみよう。

個人間送金

有料の銀行振込 → モバイルアプリで無料送金

海外送金

有料の銀行送金 → BitCoinなどの仮想通貨でほぼ無料

クレジットカード

複数のカードを保持 → 専用カード型デバイス一枚に統合

店舗・サイト上でのカード支払い決済

2-10%の決済手数料 → 無料の決済システム

資金運用

証券会社や専門家が投資アドバイス(2%程度の手数料) → クラウド型自動資金運用システム(1%以下の利用料)

資金調達

決済書類や個人保証+厳しい審査 → ユーザー同士の個人間出資

このように、フィンテック系サービスが普及する事でユーザーメリットが拡大し、近いうちに金融機関のビジネスモデルを根本からもぎ取る破壊力を持っている。一部の富裕層を除き、既存の金融機関に散々冷や飯を食わされて来たユーザーからの逆襲がこれから始まる。

急激に拡大するフィンテックスタートアップへの投資

アクセンチュアによると米国のフィンテックへの投資総額は、2014年に1兆2000億円と前年の約3倍に増えている。企業の投資部門(CVC)では、Google Ventures, Intel Capital, Citi Venturesが積極的にフィンテック系に投資。世界規模で見てみると、2020年にはフィンテックに対する投資額が約4倍、5兆円を超えるとの試算もある。実際に、2014年から2015年に掛けて、フィンテック関連のスタートアップは四半期平均で50社がエクジットしている。
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その他の業界と比べてみても、フィンテックへの投資額は非常に高く、その注目度が伺える。

分野別投資額:

  • フィンテック: 約300億ドル
  • 小売り: 約200億ドル
  • ヘルスケア: 約170億ドル
  • IoT: 約100億ドル

新規上場 (IPO)でも、最近だと下記のフィンンテック系のスタートアップが上場を果たしている。

最近のフィンテック系IPO例:

  • Square Q4 2015
  • OnDeck: Q4 2014
  • Lending Club: Q4 2014
  • Yodlee: Q4 2014

ジャンル別海外フィンテック系サービス

合計で既に17ジャンル、1,000社以上のスタートアップがひしめくフィンテック系サービスであるが、その中でも特筆すべきサービスの幾つかをそのジャンル別に紹介する。

フィンテックサービスプレイヤーマップ
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下記のサービスはユーザーメリットだけではなく、利用したときの使いやすさや、UXのレベルが非常に高い事も人気の大きな理由となっている。

■ 送金系

チャットやソーシャルメディア感覚でユーザー間の送金を実現。それも多くが無料。経費の支払いやちょっとした割り勘にも便利。

代表的なサービス: Venmo, Snapcash, PayPal

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■ 支払い決済系

ECや店舗での支払い決済を行う際にも今までの手数料を払う必要が無くなる。無料のサービスも。

代表的なサービス: Square, FlintStripe

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■ 資金運用系

これまで専門家が行ってきた株取引などの資金運用を自動化することで、手数料無料もしくは格安で行える。

代表的なサービス: Acorns, Betterment, Wealthfront

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■ 資金調達系

金融機関の厳しい審査を通らずともユーザー主体での資金調達が可能に。

代表的なサービス: OnDeck, Funding CircleKickstarter, Indiegogo

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■ クレジットカードまとめ系

煩わしい複数のクレジットカードを一つのカードにまとめて利用。

代表的なサービス: Coin, Plastc, Swyp

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■ 銀行代替系

既存の銀行のATMネットワークを活用する事で、オンラインのみのサービスを実現。Webとモバイルアプリを通じ、銀行の変わりになるサービスを提供。

代表的なサービス: Simple, Moven

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今後のフィンテックに対する展望

銀行を始めとした、既存の金融機関サービスをフル活用しているユーザーは、全体の10%にも満たないとの見解もある。それに対して、フィンテック系スタートアップは、ユーザー本意で利用出来るサービスが出来る事で、今まではある意味一部の人にしか活用されてなかった金融業界の大衆化が進む。それによって、これまでの”ぼったくり”が無くなっていくであろう。

今後フィンテック系サービスが金融業界にもたらす変化は、農業革命、産業革命、IT革命、に次ぐ第4の革命であると見る専門家もいる。始まったばかりのこの革命は、その大きさを計る事は容易ではないが、利用ユーザーに対して、シェアリングエコノミー以来の大きな変革をもたらす事もありえる。

日本でも、メガバンクや大手証券会社など、既存のビグップレイヤー達も”うかうか”してられない日が確実に近づいている。これはでは、テクノロジーやイノベーション、スタートアップとの距離が遠かった業界も、フィンテックの発展がもたらす業界の革命により、金融業界自身の”変革”が急務となる事は間違いない。

筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.

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