京都・東大路通の歩道拡幅凍結へ 住民ら渋滞不安
京都市は21日、東山区の東大路通(三条通-七条通、2・3キロ)の歩道拡幅計画の着工を凍結する方針を明らかにした。歩道拡幅した四条通の交通渋滞を受け、地元住民に不安が広がっているためで、現状では工事に着手できる状況にないと判断した。
東大路通の近くには清水寺や八坂神社など観光地が多く、バス停付近の歩道は観光客であふれ、危険な状態が続いている。市は2012年8月、4車線の車道を減らし、0・75-1・75メートルの歩道を拡大する方針を打ち出した。
しかし、東大路通は沿道に民家も多い生活道路で、地元合意は難航。市は当初予定だった本年度の着工を延期した。さらに歩道拡幅工事中だった四条通で花見シーズンに発生した大渋滞が住民の不安に拍車をかけ、自民党などから「交通量減少の見通しが立つまで、歩道拡幅はすべきでない」と着工凍結を求める声が上がっていた。
市によると、来年度以降に策定予定の整備計画に歩道拡幅を盛り込まず、バス待ちスペースを広げたり、特定のバス停に集中する観光客を分散させたりすることなどで、歩行者の安全確保を図るという。
市歩くまち京都推進室の別府正広室長は「車線減少は東大路通の課題克服に効果はあるが、現段階では交通への影響が大きい。歩道拡幅はマイカー抑制の効果が表れ、地元住民に理解が深まった段階で、もう一度検討したい」としている。
【 2015年12月21日 23時00分 】