安保法廃止を訴え、デモ行進する参加者=19日午後、狭山市内 |
戦後日本の安全保障政策を転換する安保法成立から19日で3カ月。高校生らのグループが東京と大阪の中心部でデモを行い、県内でも女性らがパレードをして反対の声を上げた。
さいたま市浦和区で、女性たちが抗議の「赤」を身にまとってパレードする「レッドアクション」が行われた。主催者発表で約500人が参加。県庁からJR浦和駅まで約900メートルを行進し、「戦争させない」「武力で平和は守れない」とシュプレヒコールを上げた。
パレードには「安保関連法に反対するママの会@埼玉」のメンバーも参加。さいたま市の佐藤真由果さん(40)は「街に出ることで、同じように不安を抱いているママたちに勇気を与えたい」と活動の意義を語った。
参加者は来年夏に行われる参院選を見据える。深谷市の主婦今井智子さん(58)は「反対の声を上げることで、安保法を廃止させたい。参院選に向けて落ち込んでばかりはいられない」。川越市の介護職恩田美穂さん(21)は「同性として心強い。気持ちを一つにしていくことで声を届けていきたい」と話した。
狭山市の西武新宿線狭山市駅前では、安保法廃止を訴える市民集会が開かれた。冷たい風が吹き付ける中、「戦争法は絶対廃止」「平和を守ろう未来のために」と声を上げた。主催団体の発表で約100人が参加した。
同法に反対する「平和憲法を守る狭山共同センター」が主催。大沢進事務局長(71)は「安保法廃止を目指し、全国各地で闘いの運動が広がっている。政治は世論で変わる。廃止の世論を」と訴えた。
マイクを握った新日本婦人の会狭山支部の浜田妙子支部長(59)は「日本国憲法は押し付けられた憲法ではない。平和憲法は日本の宝だ」と力を込め、9条の意義を強調していた。
集会後のデモ行進では「平和をつくろう」「9条を生かそう」などとアピールしながら約1・5キロを歩いた。参加した狭山市の無職宮弘さん(68)は「狭山には入間基地があり、戦争が起きればこの地域にも何らかの影響が及ぶはず。安保法は平和を脅かす。市民として不安だ」と話していた。