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携帯電話値下げ「新たな料金体系を」報告
12月16日 11時47分

携帯電話値下げ「新たな料金体系を」報告
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携帯電話の利用料金を引き下げる方策を検討してきた総務省の有識者会議は、新たに契約する利用者を優遇する今の販売方法を見直すことなどで、幅広い利用者にとって値下げにつながる新たな料金体系を求める報告を取りまとめました。これを受けて大手各社は、スマートフォンの端末を実質0円としたり、多額のキャッシュバックを行ったりする販売方法を見直す方針です。
この有識者会議は、安倍総理大臣が携帯電話の利用料金の引き下げの方策を検討するよう指示したことを受けて発足したもので、16日に報告を取りまとめました。
この中では、大手通信各社に対してデータ通信の利用量が少ない利用者を対象にした割安な料金プランを設けるべきだとし、現在、一部の会社が提供している、月々5000円以下の料金プランも参考にするよう求めています。
さらに、新たに購入するスマートフォンの端末の価格を実質0円としたり、商品券などを提供して、多い場合は十数万円ものキャッシュバックで、他社から乗り換える利用者を優遇したりしている今の販売方法は著しく不公平だと指摘して、幅広い利用者の通信料金の値下げにつながるよう、新たな料金体系を作ることを求めています。
これを受けて大手各社は、スマートフォンの端末の価格を実質0円としたり、多額のキャッシュバックを売り物にする販売方法を見直す方針です。
総務省は報告を受けて、法律に基づく販売方法のガイドラインを作り、実質0円やキャッシュバックの販売方法が見直されない場合は、業務改善命令を出すことにしています。
高市総務大臣は、18日に大手通信各社に対して料金の引き下げに向けた具体的な対応を要請することにしています。

有識者会議「検証し業務改善命令も」

有識者会議のトップを務める明治大学法学部の新美育文教授は「今回の報告を受けて、大手通信各社がそれぞれ利用量の少ないライトユーザーに、どういう割安なプランを提供するのか考えていただきたい」と述べました。
またNTTドコモが他社からの乗り換えを促すため、利用者に商品券などで多額のキャッシュバックを行う販売方法を廃止する方針を固めたことについて「ほかの2社がきちんとフォローすることを期待している」と述べ、ほかの2社もこうした販売方法をやめるよう求めました。
また販売方法の見直しによって、スマートフォンが売れなくなったり通信会社を乗り換える人が少なくなったりするのではないかという指摘については「一時的にそういう現象があるかもしれないが、端末の価格が適正な価格に落ち着き、通信料金は全体として低廉化していくことが期待できる」という認識を示しました。そのうえで新美教授は「総務省が指針を作って販売方法が見直されているかを検証することになる。それでも改善できない時には業務改善命令を出すという道筋を示すことができた」と述べました。

官房長官「納得のいく料金・サービスを」

菅官房長官は午前の記者会見で、「利用者にとって分かりやすく、納得のいく料金とサービスが実現されることが望ましい。国民の資産の電波を利用しているなかで、それぞれの事業者が競争することは極めて重要だ。国民の皆さんから『料金がどういう形で決められたのか分からない』とか、『3社の同じような料金体系はおかしい』など、いろいろなご不満もあったので、総務省の有識者会議の中で、そういう問題点を提言されたのは問題の本質を突いていると思う」と述べました。

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