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自公 税制改正大綱を決定 約400億円減税に12月16日 18時40分
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自民・公明両党は、消費税の軽減税率を再来年4月に導入し、「外食」を除いた、「生鮮食品」と「加工食品」のほか、定期購読の契約をした「新聞」に適用することなどを盛り込んだ、来年度の税制改正大綱を決定しました。
自民・公明両党は、16日午後、政務調査会長や税制調査会長らが会談し、来年度の税制改正大綱を正式に決定しました。大綱では、消費税の軽減税率は、税率を10%に引き上げる再来年4月に導入し、対象品目は「酒類」と「外食」を除いた、「生鮮食品」と「加工食品」のほか、定期購読の契約をした、週2回以上発行される「新聞」とし、税率は8%に据え置くとしています。
また、事業者の納税額を正確に把握するため、税率や税額を記載する請求書「インボイス」を、軽減税率の適用から4年後となる平成33年度から導入するとしています。
一方で、軽減税率の実施に必要と見込まれる、およそ1兆円の財源については、「来年度末まで時間をかけて検討する」として結論を先送りしました。
さらに、焦点の1つとなっていた法人税の実効税率は、現在の32.11%から、来年度29.97%に引き下げるのに続き、平成30年度には29.74%まで段階的に引き下げるとしています。
このほか、再来年4月から自動車の購入時に燃費に応じて課税する新たな制度を導入し、廃止する「自動車取得税」と比べ、およそ210億円の実質的な減税とするとしています。
自民・公明両党によりますと、大綱に盛り込まれた税制改正が行われると、今と比べ、年間でおよそ400億円の減税になるということです。政府・与党は、16日に決定した税制改正大綱の内容を盛り込んだ税制関連法案を、年明けの通常国会に提出し、速やかな成立を目指すことにしています。
また、事業者の納税額を正確に把握するため、税率や税額を記載する請求書「インボイス」を、軽減税率の適用から4年後となる平成33年度から導入するとしています。
一方で、軽減税率の実施に必要と見込まれる、およそ1兆円の財源については、「来年度末まで時間をかけて検討する」として結論を先送りしました。
さらに、焦点の1つとなっていた法人税の実効税率は、現在の32.11%から、来年度29.97%に引き下げるのに続き、平成30年度には29.74%まで段階的に引き下げるとしています。
このほか、再来年4月から自動車の購入時に燃費に応じて課税する新たな制度を導入し、廃止する「自動車取得税」と比べ、およそ210億円の実質的な減税とするとしています。
自民・公明両党によりますと、大綱に盛り込まれた税制改正が行われると、今と比べ、年間でおよそ400億円の減税になるということです。政府・与党は、16日に決定した税制改正大綱の内容を盛り込んだ税制関連法案を、年明けの通常国会に提出し、速やかな成立を目指すことにしています。
自民 宮沢氏「混乱しないようにしたい」
自民党の宮沢税制調査会長は、記者会見し、軽減税率制度の導入に向けて、「特に、加工食品と外食の間に、しっかりと混乱がないように線を引くという作業が目の前にあり、何よりも大事だ。また、事業者が行うシステム対応の準備に予算措置なども行って、混乱しないようにしていきたい」と述べました。
公明党の斉藤税制調査会長は、記者会見で、軽減税率の実施に必要と見込まれる、およそ1兆円の財源確保について、「増税も避けることなく議論したい。合わせて、歳出のむだを削り、社会保障に関しても、重点化、効率化の観点から見直しを進めることは当然必要だ」と述べました。
公明党の斉藤税制調査会長は、記者会見で、軽減税率の実施に必要と見込まれる、およそ1兆円の財源確保について、「増税も避けることなく議論したい。合わせて、歳出のむだを削り、社会保障に関しても、重点化、効率化の観点から見直しを進めることは当然必要だ」と述べました。
軽減税率の財源問題など批判も
自民党の村上・元行政改革担当大臣は、記者団に対し、「選挙もあるかもしれないが、1兆円の減税ありきで、『財源は、あとから泥縄式でやれ』というのは、今の財政状況からいって妥当だったのか。このようなことを続けていれば財政はひっ迫し、党内民主主義も崩壊する。2度とこのようなことがないように、猛省を促したい」と述べました。
民主党の岡田代表は、水戸市で記者団に対し、「冗談ではないという思いだ。財源をどうするのか、社会保障費を1兆円削るのか、財政再建の旗を降ろすのか、そういう大きな選択が必要な問題だ。政府・与党は、その判断を先送りして、来年の参議院選挙をやり過ごそうとしており、そのような無責任な政治は絶対にだめだ。ここまで政治が劣化したのかと思う」と述べました。
共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で、「ちょこちょこ税金を下げるようなふりをして、上げ幅を少しだけ減らす部分があるというだけの話であり、国民をごまかそうとするのも、いい加減にしろと言いたい。消費税率の10%への増税と軽減税率の導入は、日本の経済をだめにして大きく奈落の底に落とすという意味で全くの愚策であり、来年の通常国会で追及していきたい」と述べました。
民主党の岡田代表は、水戸市で記者団に対し、「冗談ではないという思いだ。財源をどうするのか、社会保障費を1兆円削るのか、財政再建の旗を降ろすのか、そういう大きな選択が必要な問題だ。政府・与党は、その判断を先送りして、来年の参議院選挙をやり過ごそうとしており、そのような無責任な政治は絶対にだめだ。ここまで政治が劣化したのかと思う」と述べました。
共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で、「ちょこちょこ税金を下げるようなふりをして、上げ幅を少しだけ減らす部分があるというだけの話であり、国民をごまかそうとするのも、いい加減にしろと言いたい。消費税率の10%への増税と軽減税率の導入は、日本の経済をだめにして大きく奈落の底に落とすという意味で全くの愚策であり、来年の通常国会で追及していきたい」と述べました。
日本医師会「財源はたばこ税で」
日本医師会の横倉会長は、記者会見で「社会保障を充実させるために消費税率の引き上げが行われたのに、軽減税率の財源を確保するために、社会保障費の給付の抑制があれば本末転倒だ。財源として社会保障費に切り込むことは望ましくない」と述べました。
そのうえで、横倉会長は、「たばこ税の引き上げは有効な手段だと思っているので、そういう方法で財源を確保してもらいたい」と述べました。
そのうえで、横倉会長は、「たばこ税の引き上げは有効な手段だと思っているので、そういう方法で財源を確保してもらいたい」と述べました。
経済界 軽減税率の財源や事務負担を懸念
自民・公明両党が正式に決定した来年度の税制改正大綱について、経団連の榊原会長や経済同友会の小林代表幹事、それに日本商工会議所の三村会頭はそれぞれコメントを発表しました。
このうち、大綱に盛り込まれた消費税の軽減税率の導入について、経団連の榊原会長は、「低所得者への負担軽減と個人消費の減退防止を優先させた施策と受け止めている。政府には引き続き事業者の事務負担を軽減することへの配慮などを求めたい」としています。
一方、再来年4月の導入に反対してきた経済同友会の小林代表幹事は、「残念だ。社会保障財源の不足やインボイスなどへの対応にかかわる事業者の負担増など、懸念していた問題は解決されていない。1兆円規模の財源のすべてを速やかに明確化するべきだ」とコメントしています。
また、日本商工会議所の三村会頭も「大変残念だ。導入時までに多くの事業者の準備が間に合わない可能性があることから、政府、自治体、事業者など官民一体となって混乱を最小限に抑えるための取り組みが必要不可欠だ」としています。
一方、法人税の実効税率を29.97%に引き下げることが盛り込まれたことについては、榊原会長、小林代表幹事、三村会頭とも「大きな前進だ」などと評価しています。
このうち、大綱に盛り込まれた消費税の軽減税率の導入について、経団連の榊原会長は、「低所得者への負担軽減と個人消費の減退防止を優先させた施策と受け止めている。政府には引き続き事業者の事務負担を軽減することへの配慮などを求めたい」としています。
一方、再来年4月の導入に反対してきた経済同友会の小林代表幹事は、「残念だ。社会保障財源の不足やインボイスなどへの対応にかかわる事業者の負担増など、懸念していた問題は解決されていない。1兆円規模の財源のすべてを速やかに明確化するべきだ」とコメントしています。
また、日本商工会議所の三村会頭も「大変残念だ。導入時までに多くの事業者の準備が間に合わない可能性があることから、政府、自治体、事業者など官民一体となって混乱を最小限に抑えるための取り組みが必要不可欠だ」としています。
一方、法人税の実効税率を29.97%に引き下げることが盛り込まれたことについては、榊原会長、小林代表幹事、三村会頭とも「大きな前進だ」などと評価しています。
新聞協会「宅配に限られ残念」
自民・公明両党が消費税の軽減税率を再来年4月に導入し、定期購読の契約をした「新聞」に適用することを盛り込んだ、来年度の税制改正大綱を決定したことについて、日本新聞協会の白石興二郎会長は、「新聞は報道・言論によって民主主義を支えるとともに、国民に知識、教養を広く伝える役割を果たしている。与党合意は公共財としての新聞の役割を認めたものであり、評価したい。ただ、宅配の新聞に限られ、駅の売店などで買う場合が除かれた点は残念だ。一方、書籍や雑誌については引き続き検討されることになった。改めて書籍・雑誌も軽減税率の対象に含めるよう要望したい」などとする談話を発表しました。