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IAEA イランの核開発疑惑の解明作業終える
12月16日 7時59分

IAEA イランの核開発疑惑の解明作業終える
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IAEA=国際原子力機関はイランによる核兵器の開発疑惑に関する最終報告書がまとめられたことを受け特別理事会を開き、疑惑を解明するための作業を終了することを盛り込んだ決議案を全会一致で採択しました。これによって、欧米などとイランは最終合意の履行に向けて前進することになります。
IAEA=国際原子力機関はイランによる核兵器の開発疑惑に関する最終報告書がまとめられたことを受けて、15日、オーストリアのウィーンで特別理事会を開きました。
この中で、アメリカはイランの核開発に対する深刻な懸念が欧米などとイランの最終合意につながったと指摘したうえで、「イランが国際社会の信頼を得るためには、最終合意の内容をしっかりと実行に移していくことが重要だ」と述べました。
一方のイランは、「疑惑の解明作業を終わらせることが最終合意の取り組みをより速く進めることにつながる」と強調しました。
議論のあと理事会では、疑惑を解明するための作業を終了することや、すべての関係者が最終合意の内容をしっかりと守ることの重要性などを盛り込んだ決議案が全会一致で採択されました。
核兵器の開発疑惑の解明はイランとの交渉の中で、欧米側が強く主張していたもので、その作業が終了することが決まったことから、欧米などとイランは最終合意の履行に向けて前進することになり、外交関係者からは早ければ来月にも、イランに対する経済制裁が解除されるという見方も出ています。

IAEA 今後もイランの動向注視

特別理事会のあと、IAEAの天野事務局長は記者会見を行い、「最終報告書はIAEAの最大限の努力によるもので、理事会も疑惑の解明作業の終了を決めたので、それに従う」と述べ、イランによる核兵器の開発疑惑については一定の区切りがついたという考えを示しました。
一方で、「大きな節目になったとは思うが、これからもやらなければならないことがたくさんある。イランが約束したことを守っているかどうか、しっかりと検証していかなければならない」として、最終合意の履行に向けて引き続き、イランの動向を注視していくと強調しました。

イラン外相「疑惑に終止符」

イランによる核兵器の開発疑惑を解明する作業の終了が決まったことについて、イランのザリーフ外相は地元メディアに対し、「でっちあげられた疑惑に終止符が打たれ、イランの核開発の性質が平和的であったことが証明された」と述べ、歓迎する意向を示しました。
そのうえで、ことし7月の核開発問題を巡る最終合意に基づいて、核開発の制限に取り組む準備ができていると強調しました。具体的には、保有する濃縮ウランのロシアへの搬出や、国内の重水炉が兵器級のプルトニウムを産出できないようにするための設計変更などに着手するものとみられています。
イラン外務省の高官は、これらを含むイラン側の取り組みは今後、3週間程度で完了し、そのタイミングでイランに対する経済制裁が解除されるという見通しを示しました。

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