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中国土砂崩落 建設残土の管理に問題か
12月21日 19時03分

中国土砂崩落 建設残土の管理に問題か
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中国南部広東省で20日起きた大量の土砂の崩落では、今も90人以上と連絡が取れなくなっていて、現地では近くに積み上げられた建設残土の管理に問題があり、崩れたという見方が強まっています。
中国南部、広東省深※センの工業団地で20日昼ごろ、大量の土砂が押し寄せ工場や民家合わせて33棟が土砂に埋まるなどしました。付近の住民900人余りは安全な場所に避難したものの、これまでに14人がけがをし、91人とは連絡が取れなくなっているということです。
日本総領事館によりますと、これまでのところ、日本人や日系企業が巻き込まれたという情報はありません。
事態を受けて習近平国家主席は、生存者の救出と負傷者の治療に全力を挙げるよう関係機関に指示しました。
土砂が押し寄せた範囲は、東京ドーム8個分余りに当たるおよそ38万平方メートルに上り、近くの採石場の跡地に積み上がった大量の建設残土などが崩れたとみられていて、国営の新華社通信は近くの人の話として、「土砂を積んだ車両が何度も往復し、僅か2年ほどの間で山のような高さになった」と伝えました。また、近くの住民もNHKの取材に対して、「残土の高さは100メートルほどになり、雨が降ったら危険だと改善を申し入れてきたが、何も対策が行われないまま大きな被害が出てしまった」と話し、残土の管理に問題があり、崩れたという見方が強まっています。
発生から丸1日が経ち、現場には消防隊や警察など2900人が投入され懸命の救助活動が続いています。
※センは土ヘンに川

目撃者や被害者の話

土砂が押し寄せた工業団地にある工場で働いていた20代の男性は「寮の台所で食事の準備をしていたら、外から『逃げろ』と大きな声がしたので慌てて逃げた。1キロ離れた山のほうから大量の土砂がゆっくりと迫ってくるのが見えて怖かった」と当時の様子を証言しました。また、別の20代の男性は「携帯電話や服、それに身分証など生活に必要なものがすべて土砂に埋まってしまったので本当に困っている。これからどうすればいいか分からない」と途方に暮れていました。
孫を抱いて土砂から逃げたという男性は「山の採石場の跡地に業者が工事現場などで出た残土を捨てていて、高さが100メートルにもなっていた。雨が降ったら危険だと改善を申し入れてきたが何も対策が取られないまま、大きな被害が出てしまった。自分の店も土砂に埋まり、家族みんなで避難してきた。とても疲れた」と話していました。

現場の工業団地は

土砂が押し寄せたのは、恒泰裕工業団地と呼ばれる工業団地で、中国南部広東省の都市深※センの中心部から、およそ25キロ離れた光明新区にあります。地元メディアによりますと、工業団地の広さはおよそ20万平方メートルで5万人余りが働き、年間の生産額はおよそ300億人民元(5600億円余り)に上るということです。また、工業団地には、最先端の電子機器を扱う企業が数多く進出しているということですが、深※センに進出している日系企業でつくる商工会によりますと、この工業団地に進出している日系企業はなく、これまでのところ被害も確認されていないということです。
※センは土ヘンに川

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