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化血研に立ち入り検査 近く業務改善命令へ12月21日 18時56分
熊本市にある製薬会社「化血研」が、医薬品の原料で生物テロにも使われるおそれのあるボツリヌス毒素を運ぶ際に、必要な届け出を怠っていたとして、厚生労働省は会社に対し立ち入り検査を行いました。「化血研」では国の承認とは異なる方法で血液製剤や動物用のワクチンを製造する問題が相次いで明らかになっていて、厚生労働省は、近く業務改善命令を出す方針です。
立ち入り検査を受けたのは熊本市に本社がある製薬会社「化血研」=「化学及血清療法研究所」です。
厚生労働省によりますと、「化血研」は、食中毒の治療薬など医薬品の原料に使われるボツリヌス毒素について、熊本県内の施設と施設の間を運ぶ際、法律で定められた届け出をしていなかったということです。
ボツリヌス毒素は生物テロに使用されるおそれがあるとして、0.1ミリグラム以上運ぶ際には県の公安委員会に届け出る必要がありますが、会社の内部調査で、平成19年以降の8年間で届け出を怠っていたケースが4件確認されたということです。
会社によりますと、運搬中の紛失や盗難などはなかったということで、21日の立ち入り検査では管理状況について、担当者から聞き取りを行ったほか運搬の記録などを調べたということです。
「化血研」では国の承認とは異なる方法で血液製剤や動物用のワクチンを製造する問題が相次いで明らかになっていて、厚生労働省は近く業務改善命令を出す方針です。
厚生労働省によりますと、「化血研」は、食中毒の治療薬など医薬品の原料に使われるボツリヌス毒素について、熊本県内の施設と施設の間を運ぶ際、法律で定められた届け出をしていなかったということです。
ボツリヌス毒素は生物テロに使用されるおそれがあるとして、0.1ミリグラム以上運ぶ際には県の公安委員会に届け出る必要がありますが、会社の内部調査で、平成19年以降の8年間で届け出を怠っていたケースが4件確認されたということです。
会社によりますと、運搬中の紛失や盗難などはなかったということで、21日の立ち入り検査では管理状況について、担当者から聞き取りを行ったほか運搬の記録などを調べたということです。
「化血研」では国の承認とは異なる方法で血液製剤や動物用のワクチンを製造する問題が相次いで明らかになっていて、厚生労働省は近く業務改善命令を出す方針です。
「生物テロおそれある病原体など管理徹底を」
熊本市にある製薬会社「化血研」が、医薬品の原料で生物テロにも使われるおそれのあるボツリヌス毒素を運ぶ際に必要な届け出を怠っていたことについて、警察庁でテロ対策に関わった日本大学の河本志朗教授は、「ボツリヌス毒素は、オウム真理教が生物兵器をつくるために培養しようとしていたとされる非常に危険なものだ。今回の化血研の対応は、危険な毒素を管理するという危機感が欠けていると言わざるをえない」と述べました。そのうえで、「来年は伊勢志摩サミット、5年後には東京オリンピック・パラリンピックを控え、テロ対策が重要となるなか、製薬会社などは生物テロに使われるおそれがある病原体などの管理を徹底すべきだ」と指摘しています。