蹴球探訪
手倉森監督 リオへの道はベンゲル流
来年1月五輪アジア最終予選
(10月7日)
トップ > 中日スポーツ > サッカー > 紙面から一覧 > 記事
【サッカー】バルサ最多3度目の世界一 メッシ魔術先制弾、スアレス2発2015年12月21日 紙面から
◇クラブW杯<決勝> バルセロナ3−0リバープレートサッカーのクラブ世界一を決めるクラブワールドカップ(W杯)は20日、横浜市の日産スタジアムで決勝、3位決定戦を行い、決勝は欧州王者のバルセロナ(スペイン)が3−0で南米王者のリバープレート(アルゼンチン)を破り、史上最多3度目の世界一に輝いた。3位決定戦は、開催国代表でJ1年間王者の広島がアジア王者の広州恒大(中国)に2−1で逆転勝ちし、日本勢では浦和(2007年)、G大阪(08年)に続き3クラブ目となる世界3位となった。 異次元、だった。ボールの側にただ立っているだけのメッシに、誰も飛び込まない。いや、飛び込めない。味方の守備は頭をかきながら遠巻きに見ているだけだが、ひとたびボールを持てばまるで早送り映像のように守備網を擦り抜けていく。すべてのポジションで攻守にハードワークを求められる現代サッカーとは対極にある存在。それでいてサッカー史上最高のプレーヤーと言われる男が存分にその真価を見せつけ、バルセロナは3度目の世界一を手にした。 尿管結石でまさかの欠場となった準決勝のことなど、誰もが忘れてしまった。そんな魔法をかけたのは前半36分だ。中央での高速ドリブルで相手を引きつけ右サイドのアウベスへ。アーリークロスをネイマールが頭で落とすと、再び走り込んだメッシが左足のアウトサイドでゴールに流し込んだ。組織的かつ激しい守備で対抗していた赤と白の要塞(ようさい)を、いとも簡単に打ち崩すと、穏やかな笑みをたたえて歓喜の輪の中心となった。 これでバルセロナは15年に国内リーグ、国内カップ、欧州チャンピオンズリーグと合わせて5冠を達成。それでもメッシは「こういう形で1年を締めくくれたことはとてもうれしい。今後もバルセロナとして多くのタイトルを獲得していきたい」と淡々と語った。 ただ、ルイスエンリケ監督は会見でこう言い切った。「バルサはサッカーの素晴らしさを世界にアピールするという使命を持ったチーム。ただ勝つのではなく、どのようにタイトルを獲得するかを大事にしている。ここは通過点で、これからも続いていく」。その言葉通り、この夜横浜で6万6853人が目撃したチームは、サッカーの神髄を体現し続ける特別な存在だった。 (宮崎厚志) ◆主役はいただき!!スアレス2試合で5発役者がそろった決勝も主役はやはりFWスアレスだった。1−0で迎えた後半4分、カウンターのチャンスに右サイドを駆け上がってブスケツの縦パスを受けると、GKとの1対1を冷静に決めた。さらに同23分、ネイマールの左からの柔らかいクロスを頭で合わせて再びゴールネットを揺らした。 3トップを組むネイマールとメッシがともに欠場した準決勝では、1人で3得点と大爆発。そして役者がそろった決勝でも2得点を加え、わずか2試合で大会通算最多タイの5得点を記録した。 試合後には同僚のメッシとMFイニエスタを抑えて大会MVPも受賞し、「スアレスの大会」だったことを強く印象づけた。 昨年10月のバルサデビュー以降、わずか1年2カ月の間に5タイトルを手にしてきた。だが、指揮官が「エリア内の殺し屋」と形容するストライカーに満足した様子はない。「この大会を制したチームの多くはその後に調子を落としている。次なる挑戦は今後も調子を落とさず、タイトルを勝ち続けることだ」と、スアレスは早くも次なる“獲物”に目を向けていた。 (工藤拓) ◆リバープレート 2万サポーター思いは届かず…リバープレートのガジャルド監督は無念さをにじませた。この日も熱狂的な約2万人のファンが集結して、野太い声援を送った。しかし、敗戦に涙を流すファンもいた。指揮官は「本当に素晴らしいファンでした。がっかりさせたことを申し訳なく思う。後半はラインを上げようと思ったが後半4分に2点目を取られたのが痛かった」と悔やんだ。 PR情報
|
|