近藤幸夫
2015年12月21日08時49分
世界を舞台に活躍する冒険家たちをたたえる「第7回ファウストA.G.アワード」の冒険家賞に、栃木県野木町の熱気球のパイロット藤田昌彦さん(59)、雄大(ゆうだい)さん(28)父子が選ばれた。昌彦さんは2001年のワールドエアゲームで日本人初の金メダルを獲得。雄大さんは14年の世界選手権で日本人初のチャンピオンに輝き、親子で日本の熱気球競技をリードした功績が評価された。
熱気球競技は、気球を風に乗せて飛行させ、どれだけゴール(目的地)に近づけるかを競う。ゴール地点では、空中からマーカー(小さな砂袋)を落とし、マーカーとゴールの距離を測る。熱気球は横に動く推進力を持たず、風の動きを読んで上下に操作する判断力と技術が必要とされる。
昌彦さんは冒険飛行にも挑み、1992年にベーリング海峡横断、11年にはアフリカ最高峰キリマンジャロ越えに成功した。
昌彦さんの果たせなかった世界王者の夢を達成したのが雄大さんだ。父の影響で、16歳から熱気球のトレーニングを始め、21歳で史上最年少の日本王者に。14年7月、22カ国から58チームが参加した第21回世界選手権(ブラジル)で、日本人として初優勝した。
今月、アラブ首長国連邦・ドバイで開かれたワールドエアゲームに参加した昌彦さんは「受賞によって熱気球が注目されてうれしい」、雄大さんは「今後も熱気球の楽しさを伝える活動をしたい」と喜びを語った。
1959年。岐阜市生まれ。信州大学農学部卒。86年、朝日新聞入社。初任地の富山支局で、北アルプスを中心に山岳取材をスタート。88年から運動部(現スポーツ部)に配属され、南極や北極、ヒマラヤで海外取材を多数経験。2012年から日本登山医学会の認定山岳医講習会の講師を務める。現長野総局記者。
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