Updated: Tokyo  2015/12/21 11:06  |  New York  2015/12/20 21:06  |  London  2015/12/21 02:06
 

スペイン総選挙:国民党が第1党維持、新興政党台頭で得票減らす (1)

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    (ブルームバーグ):20日投開票のスペイン総選挙では、ラホイ首相の与党・国民党(PP)が第1党の座を維持する見通しとなった。ただ新興政党が2大政党の国民党と野党・社会労働党(PSOE)の票を奪ったため、いずれの党も下院の過半数に届かず、国民党の得票率は前回選挙を大きく下回った。

スペイン内務省によれば、開票率72%の段階で国民党は下院(定数350)の124議席を獲得する見込み。得票率は28%。次いで社会労働党が22.6%で、94議席獲得の見通し。第3位は反緊縮を掲げる新興政党ポデモスで、得票率が20.5%、議席予想は68。中道右派の新興政党シウダダノスは36議席(13.4%)の見通し。

スペインでは過去33年間、国民党と社会労働党が交代して政権を担ってきたが、こうした開票状況は国民が2大政党政治にノーを突きつけたことを示す。世界的な金融危機の余波が続く中で既存政党の汚職疑惑への批判が強まり、ポデモスとシウダダノスが急速に勢力を拡大。欧米諸国の多くと同様、既存の政治構造の変革を促している。

ロンドンに本拠を置くシンクタンク、オープン・ヨーロッパの政策アナリスト、ビンセンツォ・スカーペッタ氏は電子メールで、「今回の選挙はスペイン政治の転換点となる」と指摘。「状況は極めて不透明だ。ラホイ首相は新政権を樹立させる権利を主張するだろうが、現段階では過半数議席の連立をどのようにまとめるか全く見通しが立たない」と説明した。

2011年の前回選挙では国民党は得票率45%で186議席を獲得。社会労働党は110議席だった。

原題:Spain Lacks Clear Winner as Newcomers Erode Rajoy Vote Tally (2)(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先: Madrid Charles Penty cpenty@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Vidya Root vroot@bloomberg.net Esteban Duarte, Ainhoa Goyeneche

更新日時: 2015/12/21 07:29 JST

 
 
 
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