毎日新聞は、同社とスポーツニッポン新聞社が主催する映画賞である第70回毎日映画コンクールのノミネート作品を発表した。このうちアニメーション部門は、15作品の名前が挙げられている。うち長編が6作品、短編が9作品となっている。アニメーション部門はアニメーション映画賞、大藤信郎賞のふたつの賞の候補作品ということもあり、長編、短編が混ざり合った幅広いラインナップになった。今回で70回目を迎える毎日映画コンクールは、国内でも有数の歴史を誇る映画賞である。確かな選考もあり、国内を代表する映画賞となっている。作品部門、監督賞、脚本賞、俳優部門、スタッフ部門、ドキュメンタリー部門、TSUTAYA映画ファン賞、特別賞などのカテゴリーで20以上の賞が設けられている。アニメーション部門は、1962年の第17回に大藤信郎賞が設けられたのがスタートだ。大藤信郎賞は現在まで続くアニメーションを対象とした映画賞では最も古い歴史を持つ。その後、1989年の第44回にアニメーション映画賞が設けられたことから、大藤信郎賞は実験的・芸術的に優れた作品を対象にする賞に性格を変えている。より総合的見地から最優秀作品を選出するアニメーション映画賞が並列する、ユニークなかたちを取っている。今回のノミネート作品は話題の劇場映画と短編作品がバランスよくノミネートされた。長編からはすでに国内外で数多くの賞に輝く原恵一監督の『百日紅~Miss HOKUSAI~』、2015年夏の大ヒット映画で細田守監督の『バケモノの子』、アニメーター育成プロジェクトや海外でのクラウドファンディングを経て実現した『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』(吉成曜監督)、伊藤計劃のSF小説を原作とする『ハーモニー』、長井龍雪監督のオリジナル意欲作『心が叫びたがってるんだ。』、そして中村誠監督の長編ストップモーションアニメーション『ちえりとチェリー』が並ぶ。これまでアニメーション映画賞はほとんどが長編映画から選出されており、この6作から選ばれる可能性が高そうだ。一方、大藤信郎賞は、その時々によって評価軸がかなり変わっている。受賞作を予想するのが難しい部門だ。長編、短編を問わず、ノミネートに挙げられた作品全てに文字どおり可能性がある。前回はアニメーション映画賞が『ジョバンニの島』、大藤信郎賞が『澱みの騒ぎ』だった。第70回はどんな作品が選ばれるのか、今回も注目を集めそうだ。今後、ノミネート作品は選考委員による選考を経て、受賞作を決定する。2016年2月16日に、ミューザ川崎シンフォニーホールにて表彰式を開催する。また、これに合わせたイベントも予定されている。いずれも毎日映画コンクールの公式サイトで確認出来る。第70回毎日映画コンクールhttp://mainichi.jp/mfa/アニメーション部門(アニメーション映画賞、大藤信郎賞)ノミネート作品[長編]『心が叫びたがってるんだ。』『百日紅~Miss HOKUSAI~』『バケモノの子』『ちえりとチェリー』『ハーモニー』『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』[短編]『息ができない』『恋はエレベーター』『すこやかな歪(ひず)み』『きつね憑(つ)き』『夢かもしれない話』『まんじう』『Crossing Sight』『ろうろう』『水準原点』