牧内昇平
2015年12月21日08時52分
「過労死」が社会問題になって四半世紀。「これ以上、自分と同じ悲しみを増やしたくない」。遺族たちの思いは国会を動かし、一つの法律を作り上げた。
「大きくなったら僕は博士になりたい。そしてドラえもんに出てくるようなタイムマシンをつくる」
小学1年生だった息子「マー君」が、ぽつりとつぶやいた。15年前、茶の間で2人きりでテレビを見ていた時だと、母(55)は記憶している。母はほほえんだが、続く言葉に心をえぐられた。
「ぼくはタイムマシンにのって、お父さんの死んでしまう前の日に行く。そして『仕事に行ったらあかん』ていうんや」
マー君が幼稚園に通っていた2000年3月、和歌山県内の自治体職員だった父(当時46)は、自ら命を絶った。
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朝日新聞社会部
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