自転車の安全妨げるドカヘル 多感な中学生への逆教育

「ドカヘル」による中学生への“逆教育”

 しかしながら、以前から見過ごせない「ヘルメット事情」もあります。

 ずいぶん前から中学生たちはヘルメットを強制されてきました。私(疋田 智)の郷里・宮崎県でもそうで、中学時代、白地に青線のヘルメットを義務づけられていたものです。工事現場用ヘルメットをベースとしたもので、通称「ドカヘル」と見た目的には、ほぼ同じです。

 これが、典型的な「逆教育」となっていると思います。逆教育、すなわち「しないほうがいい教育」です。

自転車用ヘルメットとは本来このようなもの(2015年6月、「ヘルメット委員会」発足記者発表)。

 本来の自転車ヘルメットというものは、硬質発泡スチロールと樹脂でできたもので、軽く、スリット入りで(風が通り)、もしも何かにぶつかったとき、ヘルメット自体が割れることで衝撃を吸収する構造になっています。

 ところが中学で強制される「ドカヘル」は、おおむね“その逆の性質を持っている”といえます。硬質プラスティック製で、まず重いです。次に空気が通らないので、蒸れます。男子中学生がかぶっていると、1か月ほどで臭くなります。汗をかく年頃ですから、すぐに剣道着や柔道着のような“かぐわしき香り”を漂わせてしまいます。

 さらには、もしも何かが起きたとき、ヘルメット自体が割れてくれないため、衝撃をそのままアタマに伝えてしまう。これは構造上当たり前で、もともとの工事現場用のヘルメットは金槌なり、鉄筋なり、鋭角のものが頭上から降ってきた際に、そのダメージを防止するものだからです。

 一方、自転車事故による頭部損傷は多くの場合、衝突後、平たいアスファルトにアタマを打ちつけてしまうことで起きます。つまり「ドカヘル」の性質は、そもそも自転車に向いてないわけです。

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コメント

8件のコメント

  1. 中学生のヘルメットがドカヘルと同じ構造の訳が無いでしょ。
    周りをFRP等で覆い、内側には発泡スチロールが入っている
    ドカヘルは内側に発泡スチロールは無い。
    発泡スチロールの無い構造ならば頭は蒸れませんが・・・・
    自転車用の発泡スチロールのみのヘルメットだと隙間があり危険
    尖った物に当たったらどうするの?
    ファッション性を重視するなら自転車用だが安全性を考えれば現状のヘルメットの方が上。

    見た目でしか物事を判断できない社会を嘆け

  2. ワークマン行って実物見てきなよ

  3. 事実誤認がひどいデタラメな記事だ
    素人がまともな取材とかしていないで書いているんだろうな

  4. ヘルメットのことをよく調べてから主張されては如何ですか?
    筆者がアップされた自転車用ヘルメットにはSGマークが付いています。少なくとも不適当な物ではないと思います。
    転倒時の対策としての筆者の主張されているメット(保護帽子)でも良いのかもしれませんが、実際の事故は転倒だけとは無いと考えれば、現状のヘルメットではないでしょうか。

    むしろ安全のためにはここまで必要であることを教育すべきと考えます。

  5. http://www.cycling-ex.com/2015/12/jitensha_doka_hel.html
    こちらの記事に、SGマークが付いている以上工事用のヘルメットとは違い、ちゃんと自転車で被るための安全性を有しているとあります。どうなのでしょうか。

  6. リンク先にあるのは、PTA協会選定の通学用ヘルメットですが、確かに「ドカヘル」とどこが違うんだとしか言いようがありませんね。
    http://taiyo-pc.co.jp/catalog/644/

  7. 疋田さんやってしまいましたね。
    いままでのあなたの新聞他メディアへの態度を考えると、今回はあなたが訂正謝罪するところです。
    「カッコ悪いのを強制している」ことが逆効果なのは、皆同意だと思うんですがね。
    あと、「自転車用」を標榜するならもっと機能的であるべきというのも同意なんですがね。

  8. 記事を修正されたようですがまだ事実誤認していますね
    もう一度再提出してください。不合格