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たとえ仕事ができたとしても「毒性社員」を雇ってはいけない! 同僚の士気を下げ、顧客も離れていく

英ハーバードビジネススクールが実施した「毒性のある労働者(The’toxic’worker)」に関する研究結果が、12月13日付のファイナンシャル・タイムズに寄稿されています。彼らが周囲に与える影響は、優良な従業員が与える影響よりもはるかにインパクトが大きいことが分かったのだそうです。

さらに悪いことには、彼らの好ましくない行動は周囲にも感染するとのこと。「あいつは仕事はできるんだけど、周囲を疲弊させるんだよな」と取り扱いに悩む管理者の参考になるでしょう。研究者は「管理者は従業員を採用する際に十分注意し、そういう傾向のある人を採用しないのが最善の策」と結論づけています。(文:夢野響子)

その特徴は「生産性が高く、自信過剰で自意識が強い」

研究者のマイケル・ハウスマン氏とディラン・マイナー氏は、毒性のある労働者の特徴を「生産性が高く、自信過剰で自意識が強い」としています。しかし彼らの自信と高い生産性は、採用担当者を魅了し、組織の中で彼らを出世させてきた理由でもあるのです。

「毒性社員」とは、利己的でアグレッシブ。自分が1位になるためには、平気で同僚を踏みつけたり、上司に取り入って他人の出世のチャンスも奪い取ったりするような人のことのようです。それで周りが辞めてしまったり、クライアントに敬遠されたりするわけです。研究者は「あなたが毒(のある社員)を取り除かない限り、他の従業員は輝けないのだ」と警告します。

彼らが11の企業を離職した5万人以上の労働者を調査したところ、「毒性社員」を辞めさせて人を入れ替えするコストは、1人あたり年平均で1万2489ドル(約153万円)にものぼると算出しています。

もしも生産性が高くて周りとの協調性もある上位1%のいい社員を雇うことができれば、1人あたり年平均で5303ドル(約65万円)の利益を会社にもたすことができます。この違いは非常に大きいといえるでしょう。

ただしどんなに気をつけて採用しても、仕事をしているうちに人が変わって鼻高々になることもあるかもしれません。周りが対処できないぐらい毒性を現す社員が出てきたら、それに対処するのは管理者の責任だというわけです。

多少生産性が低くても「同僚を思いやる人を雇う方が無難」

マイナー氏は「毒性社員」の見抜き方として、彼らがどのように他人に接するかを観察することで兆候を判断できると説明します。彼は「多少は生産性が低くて自信もあまりなくても、同僚を思いやる人を雇う方が無難だ」と勧めます。

採用時に心理テストで候補者の自尊心の強さを調べたり、これまでどんな博愛行動をとってきたか、それまで所属していたグループでどれくらい他人を思いやったかなどの参考意見を電話で問い合わせてみたりすることも勧めています。

職場に「毒性社員」がいる場合には、オフィスのどこの席に座らせるかによっても、好ましくない行動の影響を減らせると助言します。もしあなたのチームに毒性のある人が見つかったら、その近くから監督し、あなたが信頼できる年上従業員のそばに座らせること。

そして個人ではなくグループ行動に報酬を与えるようなシステムを作り、チームに「非毒性の文化」を生み出すことが大切だそうです。人材会社ペンナのマネージングディレクターのペニー・デ・ファルク氏も、管理者の役割を強調しています。

「好むと好まざるとにかかわらず、職場は有毒な人でいっぱいです。管理者は告げ口や手抜きなど、すべてのレベルの好ましくない行動をリストアップすること。単に生産性が高いからと言って、毒性のある労働者を見過ごしてはいけません。なぜなら、その波及効果は巨大だからです」

「面接」「コミュ力」重視の日本企業は大丈夫なのか

ファルク氏はまた、管理者はルールを設けて「毒性社員」ととことん話し合うべきだと忠告します。ただ彼らには物事を巧みに扱う傾向があるので、容認できないことのリストを挙げて会話をそらされないように、とも言っています。

もしも「同僚を思いやる人を雇う方が無難」ということが本当だとすると、面接偏重でコミュニケーション能力を重視する日本企業の採用方法は、「毒性社員」を誤って取り込んでしまうリスクが高いのではないでしょうか。それとも採用担当者は「保守的すぎる」と批判されながらも、危ない人材を排除するスキルにすでに身につけているのでしょうか。

(参照)How to deal with the ‘toxic’ workers who harm a business (Financial Times)

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