岩佐友、吉田貴司
2015年12月21日01時13分
介護が必要な妻(69)を殺害したとして殺人容疑で逮捕された栃木県那須町高久甲の無職常松正根容疑者(71)が、県警の調べに「介護の時にきつい言葉を言われた」などと供述していることがわかった。妻は認知症を患っており、県警は長年の介護によるストレスで、妻の言葉をきっかけに殺害に及んだ可能性があるとみて調べている。
那須塩原署によると、常松容疑者は17日午前0時ごろ、自宅寝室の介護用ベッドで寝ていた妻葉子さんの首をベルトで締め、殺害した疑いがある。約2時間後、ワゴン車の後部座席に遺体をのせ、「介護疲れで殺した」と署に自首した。
県警などによると、2人が神奈川県内で暮らしていた2004年ごろ、葉子さんは脳の病気で倒れ、寝たきりの状態になった。常松容疑者は退職後、葉子さんの通院先を東京都内から栃木県内に移すため、那須町の別荘地近くに引っ越したという。
その後の11年間、常松容疑者は食事や排泄(はいせつ)、入浴など葉子さんの介護をしてきた。ただ葉子さんは数年前から認知症を患い、常松容疑者にきつい言葉を浴びせることが増えていたという。常松容疑者は周囲から「献身的」と評されていた。近所の女性は「きちょうめんで温厚な人。奥さんを一生懸命に介護していた。庭の手入れも丁寧にしていた。一人では大変そうだった」と話す。
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朝日新聞社会部
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