マンチェスター〈米ニューハンプシャー州〉=佐藤武嗣
2015年12月21日05時00分
来年の米大統領選に向けた民主党候補による公開討論会が19日あった。ヒラリー・クリントン前国務長官ら各候補は、「イスラム教徒入国禁止」発言で物議を醸しながらも支持を広げる共和党の不動産王ドナルド・トランプ氏を一斉に批判。過激派組織「イスラム国」(IS)などとの戦いについて、むしろイスラム社会と協力して乗り切るべきだと訴えた。
討論会は米ABCなどの主催で、ニューハンプシャー州であった。クリントン氏のほか、バーニー・サンダース上院議員、マーティン・オマリー元メリーランド州知事が参加した。
各候補の批判の的は、壇上の別候補ではなく、トランプ氏だった。
クリントン氏は、イスラム教をののしるトランプ氏のビデオをISが戦闘員の勧誘に使っているとし、「トランプ氏はISの最高のリクルーターになっている」と非難。パリ同時テロやカリフォルニアでの銃乱射事件で国民に恐怖や不安が広がる中、トランプ氏が「虚勢や偏見で人々をあおっている」とも批判した。
2001年の米同時多発テロの際、共和党のブッシュ大統領が米国籍のイスラム教徒に対して「あなた方は敵ではなく、パートナーだ」と述べたことも紹介。「彼らに孤立感や疎外感を与えるべきではない」と述べ、ISとの戦いにはイスラム社会の協力が不可欠だと主張した。
サンダース氏も、現在の反イスラム的な風潮を「米国史上、最も危険な時だ」と指摘。「宗教や出身国で我々を分断するようなことを許してはならない」と語った。
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朝日新聞国際報道部
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