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 「シェアリングエコノミー」と呼ばれる新たな経済活動が、世界規模で猛威を振るい、タクシーやホテルなどの既存産業に衝撃を与えている。日経ビジネス12月21日号の特集「世界の常識 日本を急襲 シェアリングエコノミー」では、その新潮流の最前線と、“後進国ニッポン”のギャップを描いた。

 シェアリングエコノミーは、個人の遊休資産や時間を他人のために活用し利益を得るという従来にないビジネスモデル。市場規模は2025年までに3350億ドル(約41兆円)に膨らむという試算もあり、個人と客をつなぐプラットフォームの肥大化が止まらない。

 その最右翼が、自家用車の相乗りサービス「ライドシェア」を手掛ける「Uber(ウーバー)」。世界360都市以上で展開し、乗客を運ぶ回数は月間1億回以上となった。運営する米ウーバーテクノロジーズの時価総額は上場前にもかかわらず約8兆円に迫り、勢いは衰える気配を見せない。

 そのウーバーの爆発的な成長を支えているのが、中国市場。中国はシェアリングエコノミーの先進国で、ウーバーも既に中国21都市で展開。世界のウーバーの乗降数に占める中国の割合は、3割を超えるまでに成長した。連載初回では、ウーバーが今年9月、世界に先駆けて中国・成都で開始した次なる成長の源泉を追う。

 中国の上海から東京とは逆方向に飛行機で飛ぶこと3時間半。東京と同じくらい離れた成都空港に降り立ち、タクシー乗り場にいくと、おびただしい数の車が次々と客を乗せていた。上海の空港に引けをとらない規模だ。

 人口は1400万人まで膨れ、都市部だけで800万人以上が暮らすと言われる成都市。経済と法で「省」と同じ自主権が与えられており、フォーブス誌の「今後10年で世界で最も成長する都市ランキング」で1位に選ばれただけあって、目覚ましい経済発展を見せつけている。

 中心部に入るとその豊かさが鮮明に目に飛び込んでくる。巨大なショッピングモールにオフィスビル。銀座かニューヨークかと見紛うほどの高級ブランドの路面店が並び、次々と人が吸い込まれていく。

 夕方になると決まって中心部は渋滞で動かなくなり、空港にあんなにいたタクシーも捕まらない。成都市内のタクシー台数は約1万2000台とされるが、ラッシュアワーの中心部で拾うのは至難の業だ。

 その穴を、自家用車の乗合いサービス「ライドシェア」を手掛ける世界最大手、「Uber(ウーバー)」が埋めていた。

古びたタクシーを横目に毎月、数十人の客を自家用車で運んでいる中国・成都のウーバードライバー(写真=町川 秀人、以下同)

世界最大のライドシェア市場で激突

 成都で登録しているドライバーの数は、既に77万人もいるというから驚きだ。恐ろしい規模だが、ウーバー成都のゼネラル・マネジャーを務める方寅氏は、「成都は中国の中でもウーバーが最も成長している都市。日々増え続けているので、数字にあまり意味はない」と言い放つ。

 この成都で今、「交通革命」と呼ぶにふさわしい画期的な取り組みが進んでいることは、あまり知られていない。


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  • 2015年12月21日
    Uber、爆発的成長の中国で始まった「交通革命」

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