18日付の同紙は「産経記者」と題したコラムを掲載した。コラムは次のように始めている。「記者が特ダネ報道で名をはせたケースは多いが、虚偽の報道で有名になるのはあまり見たことがない。そうした事例として例に挙げるべきが産経新聞の加藤氏だ」
また、同コラムは「検察の捜査で彼は日本で一躍スターダムにのし上がった。(中略) 安倍(晋三)首相は(4月に出国禁止が解けて日本に帰国した)彼を官邸に呼び、いたわりさえした」とし、ひざまずく加藤前支局長の頭を安倍首相が優しくなでている様子を描いたイラストも掲載した。
■産経は韓国が「言論弾圧国だ」と繰り返した
コラムは「記事の事実無根が明らかになったのにもかかわらず、産経新聞は訂正報道どころか、謝罪もしていない」とし、「それどころか紙面を通じ、『韓国は言論弾圧国だ』という主張ばかり繰り返した」「記者にとって誤報は致命的なのにもかかわらず、恥とも思っていない」などと感情的に産経新聞を非難している。
コラムは一方で、「検察がこの問題を起訴まで引っ張っていったことで口実を与えた面もある。単なる名誉毀損ではなく、言論の自由や外交の問題に飛び火する素地が多分にあった」と検察の対応を問題視した。その上で「予想通り、虚偽報道自体より、加藤処罰(原文のまま)や韓日対立だけが話題となった。得たものはなく、失ったものばかりが多い“バカな起訴”だった」と問題を振り返った。
無罪判決が日韓関係に及ぼす影響については、「韓日関係の大きな悪材料が除去されたことは幸い」(ハンギョレ)、「韓日関係に肯定的な影響を及ぼすなら幸い」(東亜日報)などと、各紙はおおむね肯定的に受け止めてはいる。