指先のオシャレ。
ネイル。
今日の主役はその美しさを演出するこちら。
ニッパー型の爪切り。
全国のネイリストから絶大な支持を得ています。
それが一番かなと思います。
その人気は海外でも。
うわっ使いやすい!ズバッて切れるわ。
お値段はなんと1万円以上。
ちょっと高額ですが製造が追いつかないほど大ヒットしているんです。
その裏には日本のものづくりを元気にする新発想が。
(知行さん)やってる仕事ってどれも創造的で大事な事ですよね。
それね臆せずやっぱり見せるべきなんだと思います。
『日本のチカラ』。
今週は歴史ある鍛冶の町に革命をもたらした爪切り工場の物語です。
(子供たちのはしゃぐ声)新潟県三条市。
江戸時代から続く鍛冶の町で刃物づくりが盛んです。
(作動音)昔ながらの町工場が集まるこの地で世界的なヒット商品が作られています。
それは…?ネイリストや医療関係者そして海外でも愛用されている高級爪切り。
作っているのは従業員50人の諏訪田製作所です。
社長は3代目の小林知行さん。
(知行さん)ミラー来てる?どれぐらい来てる?ここに今出てきたのは…。
切れ味を確認。
(知行さん)で切れている。
ほぼ音しないでしょ?これくらいじゃないといけないんですね。
ファッショナブルなすご腕営業マンとして地元で異彩を放つ存在です。
おはようございます。
(一同)おはようございます。
えー諏訪田製作所は来年で90周年を迎えます。
釘やネジを切る喰切の製造から始まりました。
物を挟んで切る。
特に切れ味を追求してきました。
守っていきたいのはさっきも言いましたけど切れ味なわけですよ。
そこに到達するまでじゃあ伝統を使ってそして新しいデザインを使って新しい素材を使って…やっぱそれがきちんとねうまく融合…融和してないといけないんじゃないですかね。
デザインは時代に合わせてスタイリッシュに変化。
しかし創業以来変えずに守り続けているのがハンドメイドのものづくり。
全て職人の手仕事で生み出されているのです。
中でも一番のベテランは小林英夫さん83歳です。
(英夫さん)よく切れるようにするにはね刃がピタッと合わないと切れないわけですよ。
隙間をなくすのがこの合刃の仕事なんで。
もうここがやっぱり一番大事ですね。
爪切りの仕上げ。
隙間のある刃と刃を研いで合わせなければなりません。
ミクロン単位の精度が必要な繊細な作業。
これ実は英夫さんからは刃先は見えていません。
ですが…見てください。
ピタリと合って光も漏れない。
このくらいっていう感じ…。
世界一と自負する切れ味を指先の感覚で生み出す職人技。
そんな英夫さんにはもう一つ別の顔が…。
(歌声)実はテノール歌手としてソロリサイタルを開くほどの実力者でもあるのです。
(歌声)
(拍手)70超えてから声が出るようになったんですよ。
(英夫さん)これをやるために発声を勉強とかそれもやり直したしそれでね表現の幅が広がって声の出方が変わったんですね。
何事でもあくなき向上心が達人たるゆえんです。
そんな英夫さんに憧れてSUWADAに入社した若手がいます。
この工場の中ではもうなんていうかトップの存在っていうかトップの職人っていうところもあるんでやっぱり憧れっていうか目標にしてるっていうのはありますね。
達人英夫さんはなんでも答えてくれる心強い存在。
2つある…。
はい。
特にこういう仕事はね。
(スタッフ)じゃああの頑張れば…。
もうもうもう…もうだってひとつひとつ丁寧に。
職人の魂は受け継がれていきます。
たくさん作って売るという事は恐らくね色んなところがやってるんですよね。
でも私らそういう設備もないし人もいないしそんな事は出来ませんから。
じゃあ丁寧に作って売るっていうのはどういう事なのか。
なぜその切れるというので100円ショップのとうちみたいな1万円もするものが一緒に市場にあるのかっていったらやっぱりその差をきちんと伝えなければいけないんだと思いますね。
学生時代から語学に興味を持ち英語イタリア語ドイツ語で会話が出来る小林社長。
持ち前の行動力で1年のうち100日以上を海外でのトップセールスに充てています。
チャオ!小林さん。
はいこんにちは。
はいこんにちは。
ハッピーニューイヤー。
ハッピーニューイヤー。
ハウアーユー?サンキュー。
ハウアーユー?ヤーアイムファイン。
SUWADAの爪切りはお客様にものすごく人気です。
ラインアップをもっと増やそうと思ってるんですよ。
今やすっかり世界ブランドに。
しかし楽な道のりではなかったと振り返ります。
予想と違うのはやっぱ理解して頂くまでに時間がかかるという事。
突然持ってって突然ブレークしたりは難しいですよね。
やっぱりちゃんと理解して頂くまでには色んなプロセス必要ですし。
小林さんが社長に就任したのは1997年34歳の時。
異例の若さで父親から代を継いだのには理由がありました。
当時会社は借金を抱え経営の再建を迫られていたのです。
かねてから小林さんは工場の環境を改善したいと考えていました。
バールでこの土間をこうやって突っついてみたら先こんな尖ってますから…。
こうやって突っついてみたら普通ん?と思って。
高度経済成長期工場はフル稼働。
三条の金物は全国に名を馳せました。
しかし時代が変わるにつれ安価な海外製品に押されそれまでのやり方だけでは立ち行かなくなってきていました。
普通の…その代が替わってよしじゃあ俺が社長になったからこれがやりたいとかいうそんな希望に満ちたものじゃないんですよ。
(スタッフ)んー…。
どうやってこの借金返そうっていうまずマイナスの掃除から始めないといけなかった。
常に掃除なんですよだから。
人生掃除みたいな。
工場の掃除から始まった社長の仕事。
その後会社は立て直しましたがまだ何か足りないと感じていました。
変わらなかったから。
まあ変わるにはもう全部根本から変えないといけないわけで。
小林さんは勝負に出る覚悟を決めました。
それは町工場のイメージを覆す大規模かつ大胆なリニューアルでした。
値段に見合う品質である事をどうしたらより多くの人に伝える事が出来るのか?その答えは工場にあったのです。
こちらが工場棟になってましてで今ここに通路がありますけれども元々こっちも全部使って仕事をしていたんですが職人たちをこうちょっと詰めさせて普段やっている仕事をそのまま見て頂こうと。
まあそういう形で本当に地道にやってる正直な仕事なのでそれでそのまんま全部見せてます。
壁も機械もそして作業着まで鍛冶屋のシンボルカラーである黒に統一。
工場をいつでも誰でも予約なしで見る事が出来る全国初のただこうやりますよと言った時に一人も賛成してくれなかったんですね。
(スタッフ)一人も?一人も。
果たしてこの画期的な試みは世間にどう届くのか?私たちも一緒に見学してみましょう。
工場の案内は職人自ら行う事も。
この日は若手の清田さんが担当します。
一番最初に行われる工程の鍛造工程が行われるところです。
(清田さん)炎が上がっている箱見えますがあれが加熱炉です。
材料の丸棒が真っ赤に熱せられています。
適正な温度になっているものだけを一瞬で判断して適正なものだけが打たれて適正でないものはその場ではねられてしまいます。
いい爪切り作りの基礎を作るところですね。
爪切り1丁を作る工程は50以上。
その丁寧な仕事ぶりを見る事が出来るのがこちら。
タブレット。
職人の手元にはカメラが据え付けてあり克明に見る事が出来るんです。
どこかのちょっと廊下だけ見たら美術館じゃないですけどもなんかちょっとそういうアートなところに来たのかなっていうふうな感じを受けて。
実は使ってるんですけど生まれてくるとこ見れて本当よかったと思います。
っていう感じかな。
工場はショップが併設され実際に爪切りを試す事が出来ます。
私も買おうかな。
その値段の裏づけをちゃんとね教えてくれるから。
買おうよ。
現在工場には年間2万人が訪れ売り上げは15パーセントアップしました。
最初は誰も賛成しなかったというオープンファクトリー。
今職人の皆さんはどう思っているのでしょう?
(清田さん)話し始めると楽しくなっていって終わってみるとなんだかこう…仕事…またモチベーションが上がってまた仕事頑張ろうっていう気になってくるんで。
初めはやっぱり自分たちは製造の人間だからいきなりだんだんやっていくうちに変わっていってるっていうところはありますね。
本当に実際始まって…。
ああ社長のしたかったのはこういう事なのか。
この日はオープンファクトリーに海外からお客様が。
(知行さん)ハロー。
ハローハウアーユー?ハイベリーウェルサンキュー。
ハウアーユー?ベリーファインサンキュー。
イギリスなどでSUWADAの爪切りを取り扱っている販売店のスタッフです。
(スタッフ)オープンファクトリー…。
オープンファクトリーはここでしか見た事がないよ。
普通工場って見せたがらないよね。
工程を最初から最後まで見せる工場は世界でここだけよ。
とってもユニークだわ。
大変大変いい言葉をもらいました。
ものづくりの現場にお客様を誘う。
この新たなビジネスモデルは金物の町全体に衝撃を与えました。
その後4社が工場を集客型にリニューアルしたのです。
こちらは同じく三条の包丁メーカータダフサ。
昭和23年に創業した歴史ある工場です。
看板商品は全国から問い合わせ殺到のパン切り包丁。
ご覧のとおり抜群の切れ味。
2015年自分たちで作った商品のこだわりを直接お客様に伝えたいと工場併設のショップをオープンしました。
社長の曽根さんもSUWADAの取り組みに影響を受けた一人です。
そもそもやはり小林さんとかあの…まあ一番最初は小林さんのところの工場がリニューアルされてオープンファクトリーやられてそこで販売もされてるっていうの見てああ将来的にはこうなりたいなっていうのはずっと漠然と思ってはいたんですけど。
(知行さん)ただ曽根さんはこの地域が70社近く工場を解放しますというイベント工場の祭典の初代委員長ですから。
その時の最初のコンセプトが「開け!工場」ですよ。
SUWADAのオープンファクトリーに触発されて始まった工場の祭典。
(拍手)三条市のお隣燕市も含めた地域の工場を開放しものづくりの魅力を発信するイベントです。
全国の町づくり団体の中から選ばれるふるさとイベント大賞の特別賞にも輝きました。
最終的には燕三条っていうのがものづくりの聖地そういったふうに認知されるように目指して頑張りたいと思います。
年々参加工場は増え今回は68社に。
若手も積極的に関わり始めました。
(清田さん)お客さんにとっても楽しいものだと思うし…。
みんなで話し合いあっと驚く大仕掛けを用意したという第3回。
こちらタダフサのファクトリーショップも大にぎわい。
イベント期間中の4日間で120丁もの包丁が売れました。
工場見学をしたあとに一人の子が働きたいんで履歴書を送りますって言って送ってきて今実際もう働いて約2年経ってますけど。
そういった雇用の面でも生んでますし。
物販の面でいうと物が結構売れるっていう。
これだけのお客様に来て頂けるので物がすごい売れるんですよね。
これまでは閉ざされていた工場に人が集う。
沸き起こる我が町への誇り。
そして我が仕事への自信も深めたようです。
(近藤さん)お客さんが来てくれるからやっぱりやっぱり見てもらいたいんですよね。
(作業音)さあ今回のイベントとっておきの大仕掛けが始まります。
(アナウンス)「仏壇の彫刻からスタートしたマルナオ」「黒地にシルバーの大胆なマルナオのロゴ」なんと作業着でファッションショーを行うその名も作業着ランウェイ。
工場の社員たちがモデルに初挑戦。
そして…。
(アナウンス)「SUWADA!」SUWADAの小林社長の登場。
(アナウンス)「小林社長が着ているのはSUWADA春秋用ファクトリーコート」「春秋に羽織れるタイプのシャツジャケットを季節に応じて使用」キマッています。
(歓声と拍手)アイデアすごいですね。
いやいやいや…。
元々モデルがいる事を僕はわかっていたのでですね最後の最後までリハーサルをしないって決めてたんですよ。
やってくれましたやっぱり。
すごいですね。
最高!イベントにはおよそ2万人が集まり大盛況のうちに幕を閉じました。
工場の祭典4日間本当にお疲れさまでした。
そしてまた来年ももっと盛大な会になりますように乾杯します。
乾杯!
(一同)乾杯!寒いの?僕楽しそうでしょ?みんなこうやってやっぱり…ような気がするんです。
僕らのやっぱり普段のこういった産業のひとつの発露なんだと思います。
小林さんが挑んだ工場の改革はいつしか周囲を動かし町の元気と仲間の輪が生まれました。
祭りが終わり再び日々の仕事が始まります。
ベテラン職人英夫さんがある仕事に取り掛かろうとしていました。
実はここにこそSUWADAの神髄が隠されているのです。
社長がTHE職人と信頼を寄せる小林英夫さん。
彼のもとには全国から爪切りの修理依頼が届きます。
出来れば一生使ってもらいたい。
400年以上続く三条鍛冶の職人技。
未来に伝えるべき日本の技術です。
もっと本当はねやりたい事たくさんあるんですけれどもそれも本当に少しずつ。
すぐになんてなかなか変われないし変える事も難しいです。
でも昨日より今日とか今日より明日そういう気持ちでちゃんと出来てるかどうかというのが燕三条の職人としての魂のありようというか…。
それが我々の持っている…日本の持っている力なのかなそんなふうには思いますね。
『日本のチカラ』次回は屋久島。
大自然とともに輝く高校生。
生きる力を育む授業です。
2015/12/20(日) 06:00〜06:30
ABCテレビ1
日本のチカラ[字]
スタイリッシュで切れ味抜群の高級爪切り!1万円以上もするのに、大人気なんです。新潟県の小さな町工場が生みだす、究極の職人技とは?大人気の工場見学にも密着します。
詳細情報
◇番組内容
「金物のまち」新潟県三条市。その歴史は江戸時代の和釘の生産から始まり、鎌、鍬、包丁など、刃物産業を中心に発展してきました。その伝統の鍛冶の技で「爪切り」を世界発信している町工場があります。職人一人ひとりの手わざによるハンドメイドのものづくり。世界一の切れ味を自負する高品質な爪切りを作り続けています。お値段は1万円以上。この商品の価値をより多くの人に伝えたいと、社長が工場の大改革に乗り出しました。
◇番組内容2
職人の働いている様子をガラス越しに見ることができる「オープンファクトリー」として、工場をリニューアルしました。外観も機械も作業着まで黒に統一したスタイリッシュな町工場は注目を集め、今や年間2万人が訪れる人気スポットに。この集客型の新しいビジネスモデルは、まち全体にも影響を及ぼします。地域の工場を一斉開放、ものづくりの現場を見学・体験してもらうイベント「工場の祭典」が開催されることになったのです。
◇番組内容3
全国各地の「魅力あふれる産業」を通して、地域の歴史や文化・人々の英知や営みを学び、日本の技術力・地方創生への道・温かいコミュニティー、生きるヒントを描き出す、教育ドキュメンタリー番組。
◇ナレーション
石塚かおり(新潟放送アナウンサー)
◇音楽
高嶋ちさ子「ブライト・フューチャー」
◇制作
企画:民間放送教育協会
制作著作:新潟放送
協力:文部科学省/中小企業基盤整備機構
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.minkyo.or.jp/
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32723(0x7FD3)
TransportStreamID:32723(0x7FD3)
ServiceID:2072(0x0818)
EventID:45953(0xB381)