20世紀初頭イギリスの貴族クローリー家が住む館ダウントン・アビー
(コーラ)私の財産も失ったの?
(ロバート)ほとんど全てだ。
(マシュー)スワイヤー氏の遺産を受け取ります。
使ってください。
株の投資の失敗をマシューに救われた伯爵
何だこれは!「伯爵令嬢が女性の権利を主張」。
(イーディス)ええ?やったねすごいよ!
次女のイーディスは執筆者として新たな道を見いだそうとします
シビル?・
(イーディス)もしもし?
三女シビルの夫ブランソンはアイルランドで放火犯の疑いをかけられます。
ダウントンに逃げ帰った身重のシビルとブランソン
もうどこへも行かないで。
出産までここに居なさい!
(カーソン)使用人の補充は可能でしょうか?可能だろう。
不自由をかけるのもこれが最後だ。
(ジミー)どうも。
僕は下僕の面接を受けに…。
使用人には新しい仲間が加わります
(メアリー)面倒な仕事に手をつけたのね?順調?まあまあさ。
何となく実情がつかめてきた。
屋敷の運営に疑問を持ったマシューは…
ダウントンの今の運営は明らかに間違っています。
ダウントンの再建を決意します
(テーマ音楽)
(クラークソン)ウン。
痛みは治まった。
まだ生まれません。
(メアリー・クローリー)ハァ…。
(コーラ・クローリー)フン…。
また何かあったらすぐに連絡してください。
(コーラ)ええそうするわ。
もう大丈夫。
(ロバート・クローリー)勘違いだったのか?そういうわけでは…。
子宮がお産の準備に入り前駆陣痛が起きたのです。
クラークソン。
夫にそこまでの説明は必要ないわ。
知りたいのは安心して眠っていいか?いいですよ。
私も寝ます。
お送りするわ。
あした産科医のサー・フィリップを呼ぶ。
そうですか。
必要ならどうぞ。
(トム・ブランソン)本当に問題はない?何もないよ。
若いし健康体だし至って正常な状態だ。
(アイビー)私だったら子供は都会で産みたいな。
技術だって進んでるし。
(アンナ)知ってる人が居ない所で産むのは心細いわ。
(パットモア)もう子供を産む心配かい?アイビー。
そんな話は先の先だろうが。
まったく。
(ジミー)心の準備は必要だよね。
(トーマス)君は準備できてるようだな。
(ジミー)そう努力はしています。
(カーソン)どうもこの会話の流れが気に入らないのだが…。
そろそろみんな仕事に取りかかってくれ。
ああくれぐれもシビル様のお体に配慮して大きな音を立てないように。
(アイビー)もうすぐ赤ちゃんが生まれるなんてワクワクするわ。
(デイジー)あんたには関係ないでしょ。
さっさと厨房に戻って仕事しなさいよ。
(オブライエン)まあ明確な指示よね。
クラークソンのメンツより安全な出産が第一だ。
そうだけど…。
クラークソンのことは好きだが彼はマシューを誤診しラビニアの病状も見誤った。
ありがとうオブライエン。
それは言い過ぎよ。
マシューには無駄な期待を持たせたくなかっただけだしラビニアは急変したんだもの。
ああ分かっているがだとしてもだ。
サー・フィリップはたくさんの貴族のお産に立ち会ったでしょうけど私たち家族を知らない。
サー・フィリップにはクラークソンの意見も参考にしてもらう。
それならいいだろう?ええいいわ。
どうかしたの?ええ実は時計を巻くように言われて。
あらすごいじゃない。
それは第一下僕の仕事よ。
認められた証しね。
ですよね。
だから「すぐやります」って答えたけどやり方が分からなくて。
だったらバローさんに聞きなさい。
彼なら詳しいわ。
従者になる前はずっと彼の仕事だったからね。
でも迷惑なんじゃ?まさか。
あなたを気に入っているようだし。
いいことよ。
彼旦那様の側近なんだから。
なるほど。
確かにそうかも。
せいぜい仲よくするといいわ。
そうですね。
どうも。
別にいいのよ。
(シビル・ブランソン)ウン…すごいおなかよね。
フー腰が痛いわ。
足首はむくんで頭はガンガンする。
正直妊娠はお勧めできないわ。
そうは言われてもやっぱり自分の番が待ち遠しい。
その気はあるのね。
どういう意味?何となく時期を見てるのかと。
実はこの子はカトリックにしようと思ってるの。
生まれたらこっちで洗礼を受けなくちゃ。
ダウントンで。
そうなの?本当はダブリンでやりたかった。
誰にも知られずこっそりと。
でもしかたないわ。
洗礼を受けないわけにはいかないもの。
無理にカトリックにしなくても…。
あなたの子でもあるのよ。
別にいいの。
だって…神様は信じてる。
でもそのほかのことは…祝日とか大罪とか細かいことはどうでもいい。
司祭が神様の代弁者とも思えないし。
それに何より…トムを愛してるから。
(ドアを閉める音)もう休んで。
心配しないで。
トラビスともめた時は味方するわ。
(時計のぜんまいを巻く音)ほら。
今指に抵抗を感じたろ?何となく…。
ああ今のを忘れるな。
時計にとっての心地いい加減だ。
生き物みたいに言うんですね。
ああ時計は生き物だよ。
父が時計職人だったから時計には詳しいんだ。
空気が冷たい早朝や夜遅くにはぜんまいを巻くんじゃないぞ。
ご家族が居ない日中にやれ。
(ドアを開ける音)
(時計の蓋をする音)
(アンナ)それにしてもどうして今日まで面会できなかったの?
(ベイツ)その件はもう気にしなくていい。
それよりもバートレット夫人の話を聞かせてくれ。
ヴェラが死んだ日の晩に会っていたというのは本当か?本当よ。
散歩に出たときドアが開いてたから入ったって。
爪の間のパイ生地を取ってたんだな?ええそうよ。
随分妙なこと覚えてるわよね。
ヴェラは私がダウントンに帰ったあとにパイを焼いて食べたんだ。
じゃ計画的な自殺?あなたの犯行に見せかけるため?復讐のためにあなたを罠にハメたってことなの?最高の復讐さ。
私たちに対して。
でも警察はあなたが前もって牛乳や小麦粉に毒を仕込んでたと疑うかも。
調べた結果毒はパイにしか入ってなかった。
私には仕込めない。
ハァ…。
ヴェラは地獄で焼かれるべきね。
そんなことは言うな。
君の心が汚れてしまう。
(イザベル・クローリー)あなたのことが気になっていたのよ。
あれから生活はどう?
(エセル)前にやっていたことはあれからもうやっていません。
チャーリーが居なければ飢えるのは私1人だし飢えたほうがマシだから。
よかったら…しばらくの間うちで働かない?バードさんを手伝って。
これからの将来のためにもまともな職歴があったほうがいいと思うんだけど。
よくお考えになりましたか?あっ…ヒューズさんやコーラ様やバイオレット様が何とおっしゃるか?今にも聞こえてきそうです。
うちが嫌なの?まさかそんな…。
やり直す機会をいただけるなんて感激で胸がいっぱいです。
ならいいわね?でもあとあと問題になるのは目に見えています。
その時は2人で一緒に乗り越えればいいじゃない?
(足音)
(デュラント)俺が代わろう。
(看守1)はい。
(デュラント)ベイツが上機嫌だ。
(クレイグ)そうかよ。
女房が面会に来てたからいい知らせでも聞いたんだろ。
不公平だと思わないか?お前は刑期が延びて俺も処分を受けたのにそもそもの原因を作ったベイツ1人がいい思いをするのは許せない。
「いい知らせ」って?妊娠じゃねえな。
計算が合わねえ。
他の男の子供なら面白いのに。
フン。
でどうする?そうだな。
作戦を練らないと。
そのためには「いい知らせ」の内容を知りたいな。
やつは手紙をどこにしまってる?フン。
(マシュー・クローリー)多くの家は修復したよ。
あなたのおかげね。
まあある程度はね。
でもほとんどの農場がほったらかしだ。
コールターは20年もの間土地を持て余してる。
安い家賃を払うのにも四苦八苦だ。
こんなんじゃ生産性がない。
お父様だったら「小作人を見捨てられない」って言うはずよ。
それはそうだけどだったら家は無料で与えて土地をきちんと活用するべきだよ。
つまり父のやり方は間違っていると言うの?多分金銭感覚が昔のままなんだ。
金が十分にあった頃のね。
彼はビジネスを冷酷なことだと思ってる。
または僕みたいな「中流的」だと。
ウフン。
だけど倹約っていうのは中流階級の美徳さ。
そろそろ戻りましょ。
7時の列車でサー・フィリップが来るわ。
トムを支えてあげなくちゃ。
かわいそうにトムはおびえているよ。
でも同時にワクワクしてる。
僕もいつかああなるんだろうな。
ウン。
(バイオレット・クローリー)トルーロー公爵夫人があなたの腕を絶賛していたわ。
サー・フィリップ。
(フィリップ)あの時は大変な難産でしたよ。
でも私は宣言したんです。
「あなたの体から赤ん坊を出します」と。
有言実行ね。
男の子を3人取り上げました。
公爵家は安泰ですな。
今回のお産に問題は?ありません。
シビル嬢は健康と美のお手本みたいな方だ。
お産には地元のかかりつけ医も立ち会うことになっておりますの。
クラークソン先生は私たちをよく知っているから。
お言葉ですが今ここで求められているのは分娩の知識だけですよ。
とはいえ皆さんが安心できるのなら呼ぶといい。
シビルを見てきます。
アンナ…。
すみません旦那様。
少しよろしいですか?書斎へ来なさい。
マシュー。
サー・フィリップを応接間へ。
行きましょう。
ああ実は折り入って先生にご相談したいことがあるんですがいいですか?僕は戦争で負傷しました。
確か伯爵夫人からそのような話を聞いた気がします。
あの時は脊椎にひどい損傷を受けてしばらく脚を動かせなかったんです。
それと他の部分も。
だが間もなく君は回復した。
そう聞いているよ。
まあさぞかしホッとしただろう。
ええ。
ですが気になるんです。
もしかしてケガが何らかの影響を及ぼしたんじゃないかと…。
つまりそのケガのせいで子供を作る能力が失われたんじゃないかと。
なるほど。
だが機能のほうには問題はない?ええ。
だったら別にそう悩む事はない。
ええ。
でも早く子供が欲しいんです。
なのに何か月も結果が出なくて…焦りが。
ああクローリーさん。
君の問題はそこだよ。
その焦り。
焦りは妊娠にとっては大敵だ。
とにかく何はともあれ焦らないこと。
まあ何なら検査する事もできるが悩まない事が一番だよ。
気長にね。
(ドアを開ける音)ああ居た。
早くいらして。
そんな事実が?警察は見逃していたのか?バートレット夫人が今まで証言しなかったんです。
なぜ君に?これが有罪を覆す証拠になるとは考えてもみなかったんだと思います。
だが問題は彼女の協力が得られるかどうかだ。
とおっしゃいますと?その女がベイツのことを「妻を自殺に追い込んだ男」として憎んでいたらベイツを救い出すことを拒否するかも。
だとしたらこちらの狙いを悟られずに証言させないと。
マレーに電話してこちらへ来るように言うから相談するといい。
よくやったな。
ついに無実の証拠をつかんだ。
ウン。
(イーディス・クローリー)「スケッチ」の編集者から手紙が来たわ。
この前の投書を呼んで私にコラムを書かないかって。
ウフッ。
連載?テーマは?週に1本よ。
テーマは私の自由でいいって。
現代女性が直面している問題を書くわ。
オスマン帝国の没落よりはいいでしょ?本名で執筆するの?どうかしら。
そうするしかあるまい。
向こうの望みはお前の名前と肩書きなのだからな。
どうかな?イーディスの投書はよく書けていたと思いますけど。
いいのよマシュー。
どうせ私は出来損ないよ。
(足音)アァ…。
それは残念だわバードさん。
(バード)ええ私も残念です。
でもゆうべ寝ずに考えましたがやっぱり私は一緒には働けません。
あのような…あのような道を選んだ女の人とは。
でもエセルは変わったのよ。
さあそれはどうでしょうか?でもとにかく一緒に居れば同類に見られます。
私まで彼女の仕事仲間だったと誤解される可能性だって。
誰もあなたを見てそんなふうには思わないわ。
そう願いますよ。
私は恥知らずじゃありません。
貴族ではなくても名誉はあります。
それを守りたいんです。
今月分のお給料は払いますよ。
行く当てはある?マンチェスターに戻ります。
姉妹がいますので。
近頃は料理人の募集も多いと聞いてますし。
あなたなら引く手あまたよ。
さようならバードさん。
お元気で。
(ジミー)子作りについて何か質問はある?変なこと言うとパットモアさんに言いつけるわよ。
そしたらカーソンさんに叱られるんだからね。
(アルフレッド)午後の休みは何してるの?関係ないでしょ。
そこを何とか教えてよ。
ウフフフフッ。
焼き型に油は?塗りました。
ペーストリーは?貯蔵庫に。
じゃあ野菜の下ごしらえをして。
(カップを置く音)
(口笛)随分厳しいな。
私にはね。
なんで?さあね。
なぜか嫌われてる。
君を嫌うやつはどうかしてるよ。
ねえあなたもそう思う?そうかもね。
みんなはまだ?シビルはどう?ようやく眠ったよ。
午後はずっと起きてたから少しでも休ませたい。
ダブリンじゃなくて残念ね。
祖国が大事でしょうに。
シビルのほうが大事だ。
では準備は万全なのですね?ええ。
ああおばあ様いらしてたのね。
よかった。
赤ちゃんが生まれるまでうちに泊まるそうよ。
(バイオレット)あとから知らされるなんて嫌だもの。
長くは待たされませんよ。
食事のあとクラークソンを呼ぶわ。
(フィリップ)そのことですが伯爵とも相談したのですが…。
あまり人が多いのもよくないそうだからこの際クラークソンには遠慮してもらった方がいいだろう。
(コーラ)でも呼ぶと言ってあるの。
その必要はありませんよ。
約束したのよ。
食事のあと私が車で迎えに行くわ。
フンフン。
このオランデーズソース器に移しといて。
私はスフレを見てくる。
でも今…。
いいからやって!僕に貸して。
ちょっと何するの?移した?…大変…。
(アルフレッド)何?
(デイジー)分離しちゃってる。
すぐに使うのにもうどうしよう。
アイビーが何とかするから心配しないで。
ホント?できる?はい。
どうするの?卵を取って。
混ぜて。
でも平気?いいから。
(混ぜる音)すごい!ウソみたい。
まるで魔法ね。
ほんの裏技さ。
(デイジー)どうやったの?その…ほんの裏技です。
そう…じゃあ運んで。
よくやったねアイビー。
大したもんだ。
お礼したら?デイジー。
ええありがとう。
何事もなくて良かったじゃないか。
アァ…いいかい?デイジー。
あの子をいじめたってアルフレッドの気は引けないよ。
魚は僕が…。
俺が。
ウン。
ハァ…ただ待つしかないっていうのもつらいわね。
(マシュー)イーディスそういえば編集者には返事した?何の話?コラムを執筆する依頼があったんですよ。
そう。
ロンドンの舞台への出演依頼はいつかしらね?フーッ。
ほらね。
(ドアを開ける音)
(ブランソン)ああいよいよ?
(コーラ)アァ…。
食事は中断するみたいですけど。
それって食事は中止ってこと?それとも保温しておくの?私たちの食事はどうするわけ?俺には何とも…。
ちょっ…アアッ…。
「懸念がある」とはどういうことだ?足首がかなりむくんでいますし意識も混乱しています。
混乱ってどれくらい?今のところそれほどひどくはありませんが。
何の症状なの?子供が生まれるだけですよ。
フッ。
(フィリップ)クラークソン先生お話が。
失礼します。
あんなふうに発言を封じるなんて。
クラークソンは自分の意見を主張したいだけだ。
他の医者がいる前でただ存在感を示したくてああ言っているにすぎない。
でも意見は聞くべきでしょう。
同感だわ。
サー・フィリップに失礼に当たる。
今大事なのはシビルの体でサー・フィリップ・タプセルがどう思おうと関係ないわ。
どういうつもりだ?無駄に不安をあおるんじゃない!あおってなどいません。
私が見たところ妊娠中毒症のおそれがある。
子癇になったら大変なことだ。
おそれなんてものは見当たらない。
これまでの経験から言ってシビル嬢の状態は正常だ。
胎児が小さいでしょう。
あれくらい範囲内だ。
むくみは?もともと足首が太めなんだ。
そういう女性は多い。
彼女は違う。
いいかね先生。
ここに残りたければ口を出すな。
これ以上の邪魔は許さん。
(ため息)
(焦げる音)大変!焦げないで焦げないで…。
(悲鳴)アッチー!
(イザベル)大丈夫?エセル。
悲鳴が聞こえたけど。
あっいえ。
何も問題ありません。
キドニースフレです。
まあそれは随分冒険したわね。
パットモアさんが作るのを何度も見てます。
だけど新米が挑戦する料理じゃないわ。
キドニースフレは。
じゃ他の料理にします?いいえ。
それでは夜中になってしまう。
ああ…。
引き返せないわね。
(ドアを閉める音)順調かね?だと思います。
温かいミルクを取りに来ました。
うん。
(モールズリー)カーソンさん。
ちょっといいですか。
ハァ…。
この手紙はバードさんから届きました。
クローリーハウスを辞めた…。
なに辞めたのか?その件でお話が。
ウン…。
ウウ。
ウン。
考えてみたんだけどリバプールにいる兄の所で働こうかと思って。
また車関係だし…。
駄目よ。
もう後戻りはしないと約束して。
ウッ。
ウウ〜!ああ僕に何かできることは?そばに居て。
フッ。
一緒に星を眺めましょう。
ハァ…。
今のは…?大丈夫問題ありませんよ。
今度は何だ?尿検査をさせていただけますか?何をバカげたことを…。
(コーラ)看護師に命じてください。
サー・フィリップ。
ウーン。
ウン。
気分はどうだね?私は勤務中ですか?何!?仕事ならこんな所でのんびり寝ていられないわ。
ハァハァ…。
違うよ。
勤務中ではない。
ウウーン。
(荒い息遣い)クローリー夫人が料理人として娼婦を雇ったというのか?それでしかたなくバードさんは仕事を辞める事になったそうです。
なんて気の毒なことだ。
(ヒューズ)でもクローリー夫人が雇ったのはあのエセルですよ。
ここに居た。
困ってるエセルに手を差し伸べる事がそんなに悪い事だって言うの?人助けをしたいという気持ちを批判する気はないが軽率な行動だ。
もはや良識ある男性はもちろん女性だってあの家への出入りはできなくなる。
でもエセルは再出発したんです。
だがクローリー夫人の家が娼婦の館だと思われるんだぞ。
とにかく今は見守りましょう。
私が知るかぎりエセルは料理が上手とは言えませんから。
どうせ長くは続かないでしょう。
よろしい。
では今のところは黙っていよう。
だが今後いかなる理由があろうとうちのメイドがあの家を訪ねる事は許さん。
いいかね?はい承知しました。
ウン。
下僕もだぞ。
見たところシビル嬢には子癇の疑いがあります。
何だ?それは。
まれな症状ですしお嬢さんは絶対に違います。
(コーラ)疑いがある根拠を話して。
胎児の発育不良意識混濁それに高アルブミン値…。
つまり尿にタンパクが…。
クラークソンやめてくれ。
母も居るのだぞ。
いいのよ。
この年代の女は男より肝が据わっているんだから。
子癇ならば一刻も早くそれ相応の処置をしなくては。
処置ってどんな?病院に移して帝王切開に切り替えるんです。
それは安全?まさかとんでもない。
そんな事をすれば母子ともに危険でしょう。
病院に運べば感染のおそれだってあるんです。
速やかに胎児を取り出さなければ自然分娩で発作が誘発されることになる!一種の賭けだ。
しかし…。
(フィリップ)ついに白状したな。
仮に子癇だったとしても。
まあありえませんがね。
帝王切開なんて母子ともに殺しかねない危険なギャンブルですよ。
私はサー・フィリップを信じる。
決めるのは私たちではなくてトムでしょ。
サー・フィリップを呼んだのは私だ。
ここの主人は私なのだ。
シビルは問題なく出産できると君は言い切れるんだな?もちろん。
ハッキリ確信しています。
(コーラ)そんなことよりもトムの意見を聞かなくちゃ。
ここはコーラの言うとおりよ。
決める権利はあの運転手にある。
上はどんな様子?嫌な雰囲気です。
お医者様同士が争っていて。
どうだ?順調か?どうやらそうでもないみたいよ。
ハァ…。
(ブランソン)すぐに病院へ運んで。
今動かすのは大変危険です。
(クラークソン)サー・フィリップ。
いいかげん認めてください。
症状は明らかだ。
彼女は苦しんでる。
そうなの?そりゃ苦しんでいて当然ですよ。
出産するんですからね。
伯爵ブランソンさんもう時間がない。
すぐに手術していたら今頃はもう終わっていたでしょう。
手術すれば妻は助かるんですか?そんな断言することはできない。
だが子癇だったらこのままにしておけば彼女は死ぬでしょう。
「だが」とか「もし」とかつきあいきれん。
伯爵ご決断を。
トム。
サー・フィリップは無事に出産できると我々の前で断言してくれたのだ。
ここまで言ってくれる先生を信じるべきだ。
ロバート。
クラークソンは子供の頃からシビルを見てくれているのよ。
あなたなら病院へ?とっくに運んでいるわ!・
(シビルの悲鳴)ああそんな…。
・
(シビル)ウー!ウワーッ!アーッ!アッアー。
お屋敷から知らせは?ないわ。
マシューは電話すると言ってたけど遅いわよね。
(エセル)シビル様はいい方です。
ええ本当に優しい子よ。
ウッ…何か入れた?ハチミツですけど合いません?今回は問題ないわ。
でもこれっきりにしてね。
何か飲みますか?結構よ。
赤ん坊の顔を見てから帰りたいけどどうやらまだまだかかりそうね。
大丈夫か?自分が情けなくて。
こういう時男はみんな無力さ。
(ドアを開ける音)
(足音)生まれたわ。
女の子よ。
2人は?無事よ。
(ため息)ああよかった。
神に感謝ね。
なんてかわいいんだ!ああシビル。
心から愛してるよ。
(キスの音)何だかすごく眠いわ。
それはそうよ。
よく頑張ったもの。
すばらしい赤ん坊だわ。
フッ。
少し休ませてあげましょう。
おめでとう。
どうも。
お母様。
なあに?シビル。
トムはこれからリバプールで働く気よ。
でも整備士に戻るなんていいとは思えない。
彼には前に進んでほしいの。
その話はあしたにしましょ。
今はゆっくり休んでちょうだい。
もしかしたらお父様と対立するかもしれないわ。
その時はどうか…。
お父様はあなたを愛してるわ。
分かってる。
私もお父様を愛しているけれど…。
トムと娘のために一緒に戦ってくれる?もちろんよ。
(フィリップ)伯爵夫人。
ゆっくり休みなさい。
(キスの音)ハァ…。
(ドアを閉める音)アァ…。
(キスの音)疑ってごめんなさい。
いや。
どうぞお気になさらないで。
人は不安になると思わぬことを口走ったりするものです。
今はとにかく結果を喜びましょう。
ウン。
他にすることはあります?いいえ看護師が付き添いますから今夜は眠って明日の朝爽やかな顔でまたお会いしましょう。
(トーマス)手品を見せて。
(ジミー)じゃあ引いて。
みんな赤ん坊は無事に生まれた。
(一同)ああ!女の子だ。
では我々も休もう。
うれしいな。
シビル様がお好き?ああ。
戦争中は病院で一緒に働いていたし俺にとって特別なんだ。
すてきな人だよ。
君もな。
(アンナ)おやすみなさい。
(オブライエン)おやすみ。
(オブライエン)どうかしたの?いえ。
ただあのバローさんはいつもあんなになれなれしいんですか?好かれたんだったら喜ぶべきよ。
彼の口からいい評価が旦那様の耳に入るわ。
でも距離を置きたいような…。
お屋敷を辞めたいわけ?何を考えてるの?何かよからぬこと?いえ。
違います。
おやすみ。
(足音)
(足音)
(ドアを開ける音)お母様起きて。
シビルが大変。
(苦しい息遣い)私どうしたの?しっかりして。
聞こえるかい?寝てられないわ。
早く働かなくちゃ。
忙しいの。
(ブランソン)いいから今は休んでくれ。
(シビル)頭が…。
シビル。
割れそう。
頭が痛い。
ああ痛い。
シビル。
タオルを当てるわね。
痛い!ウウ…痛い。
ウウ…ウッウッ…。
どうした?大変だ。
発作が!どうしたんだ?しっかりして!どういうことなんだ?サー・フィリップ。
シビル。
聞こえてないわ。
ハッ…。
シビルシビル。
メアリーよ分かる?
(フィリップ)これは恐らく…。
恐らく何?子癇ですよ。
シビルシビル。
子癇ではないと断言しただろ。
あんなにハッキリと。
お願い。
返事をして!
(マシュー)何て事だ。
何とかしてくれ!急変することまでは予想できない。
今更何を言う。
何とかして。
彼女を助けてくれ!シビル。
そんな…嫌だ。
ねえ急いで病院へ運びましょう。
もう何もできません。
何か手はあるだろう。
今の医療なら!一度発作が起きたらもう助けられない。
反論しないのか?
(ブランソン)逝かないでくれ。
誰か誰か頼む。
何とかしてくれ。
息ができないみたい。
(コーラ)シビルシビル。
頼む。
息をしてくれ。
医者が2人もいて何もできないのか!
(コーラ)シビルシビル!頼む。
頼むシビル。
息をしてくれ。
僕だよトムだ。
頼むから息をしてくれ。
もうモルヒネもアトロピンも投与してあるし…。
(ブランソン)どうなってるんだ!お願いだ。
息をしてくれ。
嫌よ…駄目よ!お願い…。
反応がないわ。
(コーラ)いや〜…いやいや…!
(ブランソン)シビル。
おいシビル。
(コーラ)そんな。
嫌よいや〜。
(コーラ)目を開けて!嫌よ〜。
目を開けてくれ。
置いていかないで頼むよ。
目を覚ましてくれ。
僕を置いていくな。
頼む。
逝かないで。
ああシビル。
嫌よそんな…。
(泣き声)
(コーラ)シビル!
(泣き声)
(ブランソンとコーラの泣き声)どうしてこんなことに…。
まだ24歳なんだぞ。
こんなバカな…。
(ブランソンとコーラの泣き声)・
(赤ん坊の声)ハァハァ…。
・
(赤ん坊の声)
(ブランソンとコーラの泣き声)ハァ…。
私たちはどうすればいいんです?務めを果たす。
粛々とな。
(足音)ハァ…。
アァ…。
(泣き声)トーマス?
(泣き声)何を泣いてるんだかな。
向こうは俺のことなんて…。
そんなことないわ。
そうだな。
分かってる。
(泣き声)シビル様は俺に優しく接してくれた数少ない人だった。
ハッ…。
ハァ…。
アァ…気にしないで。
このお屋敷の天使が亡くなったんだから私だって悲しい。
(すすり泣き)大丈夫?カーソンさん。
あの方をずっと見てきたんだ。
生まれた時からずっとな。
ハッ…。
(コーラ)ちゃんと面倒見るわ。
トムも赤ん坊も。
だから心配しないで。
もう眠った方がいいわ。
あしたのためにも休んでちょうだい。
もう少し娘と一緒にここに居たいの。
先に寝なさい。
私は大丈夫。
よければ私も一緒に居ましょうか?ありがとう。
でも1人がいい。
メアリー。
お父様に「別の部屋で寝て」と伝えて。
あなたは掛けがえのない娘よ。
これから先もずっとね。
私の大切な宝物。
(車のエンジン音)
(マシュー)そういうわけでマレーさんアンナはここに呼びましたが伯爵は今日は会うことは難しいでしょう。
どうかご理解ください。
(マレー)もちろん。
フム。
駅に迎えの車がいないので変だと思ったんです。
何という悲劇でしょう。
(ドアを開ける音)
(足音)では僕は外します。
お帰りになる前に少しだけ話せますか?こういう日ではありますがせっかくなのでご相談が…。
ええ分かりました。
(足音)
(ドアを閉める音)こんな日に伺うことになってすみません。
ベイツさん。
突然でしたから。
みんなにとって。
葬儀社の人が来たわ。
彼女を連れに?ええお別れしないと。
さよならシビル。
(キスの音)
(キスの音)
(泣き声)私たちがいい人間だとこの子だけが信じてくれていたわ。
ああメアリー…。
私たちこれから仲よくなれると思う?どうかしら。
でも3人でいられる時間はこれでもう最後なんだから慈しみ合いましょう。
姉妹らしく。
(泣き声)つまり夫が無実であるという証拠を見つける事ができたんです。
希望が見えたわけですね。
ええ。
でも…カギを握る女性は私の夫を憎んでいて救おうとしないかもしれないんです。
あなたが知っていることを全て話して。
ハァ…アッ。
こんな時に何ですがこういう事は電話でする話でもないので。
確かに。
クローリーさん不謹慎かとは思いますが率直に申し上げて私にとっては喜ばしい話だ。
試練の時は必ず…いやもう既に来ているのです。
多くの貴族が数年のうちに没落するでしょう。
そんな中生き残るためには今のうちに資産を最大限に増やして堅実に運用しなくてはならない。
一体何の話?ああ…クローリーさんとダウントンの運営についての相談です。
彼に興味深い計画があるんですよ。
その興味深い計画に父は加われるのかしら?もちろん。
それなら今こんな所でその話をするのは不適切だと思いません?マレーさん。
妹の遺体がこの屋敷から運び出されて父は誰とも話さず部屋に籠もっているのよ。
フーン。
今日お伺いしたのはベイツ夫人が新しい証拠を見つけたのでその話をするためで…。
ええ。
それはかまわないのよ。
できればすぐにでもベイツを解放してもらいたいくらいだから。
呼びます?ああいえ。
話は済みました。
今からこの足でヨークへ行ってベイツさんに面会してくるつもりです。
今日はわざわざご苦労さまでした。
(マレー)レディー・メアリー。
ご両親に心からお悔やみを申し上げます。
伝えます。
マレーさんがお帰りよ。
(ドアを閉める音)すまない。
許してくれ。
僕が無神経だった。
ついいい機会だからと…。
お父様は末娘を失って十分苦しんでいるわ。
その同じ日にダウントンまで奪うつもり?ハァ…。
判決が覆る可能性を悟られずにバートレット夫人から証言を取らないと。
(ベイツ)ええ。
シビル様のことは胸が痛む。
これからお幸せになられるという時に…。
神を疑いたくなりますよ。
・
(デュラント)面会終了!ではまた連絡します。
力を尽くしますよ。
よろしくお願いします。
(囚人1)じゃあな。
(デュラント)ベイツの弁護士だな。
(クレイグ)グランサム伯爵のだ。
誰の弁護士でもいいがあいつがバートレット夫人と会ったらショックを受けるだろう。
ああカーソン。
バイオレット様。
たくさんの悲劇を見てきたけれどこれが最悪だわ。
これ以上の悲劇はございません。
(嗚咽)
(嗚咽)ああ母上。
ああ…みんな…。
子守をしてくれる看護師が見つかりました。
もう来ています。
そうよかった。
ねえトムはどこ?
(イーディス)下りてこないの。
欲しい物はないか聞いたけど何も要らないって。
(コーラ)トムが欲しいのは亡くなった妻だけよ。
クラークソンに手紙を書いて夕食の前に出すわ。
その必要はないだろう。
書くべきだわ。
私たちの態度を謝りたいの。
謝る?どうして?彼に従っていればシビルを救えたのにサー・フィリップとお父様が死なせたからよ。
(足音)どうしてあんなこと言うの?ある意味真実です。
人は悲劇に見舞われると誰かを責めたくなるものよ。
責める相手がいなければその時は自分を責めるの。
だけどこれは誰のせいでもないわ。
私たちのかわいいシビルは…出産で亡くなったの。
珍しいことじゃないわ。
だから今はただ…あの子をしのんで赤ん坊を慈しみましょう。
でもコーラの言葉は真実です。
(マシュー)僕にできることがあれば力になるよ。
妻が死んだんだ。
できることはないよ。
全て終わったのだからよく休んで。
「全て終わった」?子供を失った悲しみに終わりがある?元気出してバローさん。
沈んでてもしょうがないでしょ。
お優しい方だった。
ベイツはまだ釈放されないの?この家には今希望が必要なの。
もう名前は決めたの?「シビル」と名付ける。
それはいい。
2015/12/20(日) 02:20〜03:12
NHK総合1・神戸
ダウントン・アビー3 華麗なる英国貴族の館(5)「絶望の淵(ふち)」[二][字][デ][再]
20世紀初頭、貴族と使用人が繰り広げる愛憎劇を描いた大ヒット英国ドラマ、第3章。シビルが出産を迎え、みんなが新しい命の誕生を待ち望んでいたが…。
詳細情報
番組内容
シビルの出産が間近に迫り、ロバートは高名な産科医サー・フィリップをロンドンから呼ぶ。コーラは小さいころからシビルを診てきた主治医のクラークソンに任せるべきだと主張し、ロバートはクラークソンの意見も参考にしてもらうと約束。2人の医師が出産に立ち会うことに。アルフレッドが新入りの厨房(ちゅうぼう)メイドのアイビーと仲良くするのが、デイジーは気に入らない。アンナの努力でついにベイツを救う糸口が見つかる。
出演者
【出演】ヒュー・ボネヴィル…玉野井直樹,エリザベス・マクガヴァン…片貝薫,ミシェル・ドッカリー…甲斐田裕子,ローラ・カーマイケル…坂井恭子,ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ…うえだ星子ほか
原作・脚本
【脚本】ジュリアン・フェローズ
監督・演出
【演出】ジェレミー・ウェブ
制作
〜イギリス カーニバル・フィルムズ/アメリカ マスターピース制作〜
ジャンル :
ドラマ – 海外ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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英語
サンプリングレート : 48kHz
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