おみやさん6 2015.12.18


(ロクさん)「仕方がないんだ君のため」「別れに星影のワルツをうたおう」
(鳥居勘三郎)
14年前京都市内の公園である男性が暴行の末殺害された
所持品等に身元を示すものはなく警察は彼の名前すら割ることができないまま事件は迷宮入りし時効まであと1年に迫っていた
そして…
(堀真澄)おみやさん。
京都府警察本部広報課堀真澄です!今日はこちら。
拳銃撲滅キャンペーンキャラクターをやっている私のポスターをお届けにまいりました!ふふふ…。
可愛いでしょ?私の制服姿。
いいじゃない。
似合ってる。
以前鑑識の時はね「KYOTOPOLICE」なんて書いてある作業着だったんだけど今回は色気が出てきたと思いませんか?
(七尾洋子)もう元気そうじゃない真澄。
ああ〜洋子。
刑事課志願だったのが広報課に転属になってもうへこんでるんじゃないかって心配してたのよ〜。
最初はね。
でも本部転属だし制服も可愛いし。
ただおみやさんと毎日会えないのがマイナスポイントですけどね。
(村井信治の咳払い)
(村井)ポスターは資料課に張るのかな?それとも刑事課かな?もちろん刑事課です。
あっそう。
ここは資料課だろう君!すいません。
方向音痴なもので。
どこ行っても真澄は真澄ね。
変わらない。
だね。
あっ!大変おみやさんランチ終わっちゃう。
ほら急いで!ねえねえねえ今日はどこ行きます?お給料出たとこだしちょっと豪勢にいきますか?おみやさん?
(後藤ゆき)あっ…。
どうしました?あっあの…捜索願を…。
あの…捜索願ってどこに…。
私の父が家出しちゃって。
というかこの場合失踪かな。
私東京から来たんですけど。
東京から!?えっ?東京からわざわざ京都に捜索願を出しに?はい。
というのも最近うちの父が京都にいるんじゃないかっていう消息が見つかって。
まあ最近といっても14年前なんですけどね。
はあ…。
うーん…えっと14年前の消息が最近見つかったっていうか。
ああもうややこしいな。
これです。
京都鴨川東郵便局の消印ですね。
だから京都に。
で日付は平成6年11月1日。
14年前だ。
「後藤まさえ様ゆき様」。
この「ゆき」が私。
後藤ゆき。
でまさえはお母さん。
差出人通信欄空白。
だからホントはお父さんから来たはがきかどうかもわからないんですよね。
でも母ったら字が似てるって。
似てるだけの他人かもしれないのに。
あっ!えっ?えっ?えっ?だんだんそんな気がしてきた。
やっぱり他人よ。
絶対他人だ。
お騒がせしました。
ああ…どこに?東京に帰ります。
はっ?あっ捜索願生活安全課で受け付けますよ。
その前に一緒にランチいかがですか?はい?いやせっかく京都まで来たんだ。
素敵な店紹介します。
ふふふ…あっ大丈夫。
ナンパじゃありませんから。
うちの資料課の課長であれでも一応警察官。
見えないでしょ〜?ふふっ。
ホント全然見えない!
(ゆき)父が失踪したのは20年前私が4歳の時。
だから全然記憶にないんですよね。
会いたいとか寂しいとかも思ったことないし。
母と2人の生活が私にはずっと自然だったし。
そこにこの絵はがきが舞い込んだ。
実は私彼にプロポーズされまして。
(小池仁美)まあごちそうさま。
でも結婚の踏ん切りがなかなかつかないっていうか。
そうしたら母が先週この絵はがきを押し入れから出してきたんですよ。
踏ん切りがつかないのは父とのことが原因なんじゃないかって変な心配して。
失踪のことちゃんと話さなきゃねって。
お父さんの失踪の原因は?借金だと思うって言ってました。
父は離婚届を残して失踪したらしくて。
で失踪したすぐ後に借金取りが押しかけてきて。
何も知らされてなかった母はもう目の前が真っ暗になったって。
はあ〜。
おいしいみそ汁。
(仁美)おおきに。
それで?ゆきさんのお母さんはどうされたの?うんそれがですね借金取りっていうのが今で言うヤミ金ですか?逮捕されちゃって超ラッキー。
それで?あとは特に何も。
失踪から6年後今から14年前にこの金閣寺の絵はがきが届いたってだけで。
驚きですよ。
こんな絵はがきを14年も母が大事に持ってたなんて。
詫びのひと言もない自分の名前すら書いてない絵はがきを…。
まったくあきれる。
(福島重夫)せやけどそれが夫婦いうもんとちゃいますか?
(ゆき)はっ?
(重夫)はっ?
(福島雅人)あっいやその…夫婦の理想形ちゃいます?勝手に借金残されて失踪されてそれで理想形って変じゃないですか?それでゆきちゃんはこの絵はがきを手掛かりに京都へ捜索願を出しに来たと。
ついでです。
前から一度京都の観光ってしてみたかったんですよね。
ついで?あのねゆきさん…。
だったら女将さんに京都観光のこといろいろ聞くといいよ。
おみやさん!それとこれちょっと借りていい?差し上げますよそんなの。
ゆきさんあなたねお父さんの唯一の手掛かりかも…。
いただきます!いただきます。
おみやさん…!どういうんだろ。
近頃の若い子ってみんなあんな感じなんですかね?ついていけないわ。
おおおお…。
んっ?これだ。
これは?14年前京都堀山公園で日雇い労働の男性が暴行を受け殺害されるというヤマがあった。
その時の捜査資料。
14年前…。
ガイシャは通称ロクさん。
本名は不明。
ロクさんは当時仕事にあぶれててね。
所持金も金目のものも一切持ってなかった。
一組の京都の絵はがきを除いては。
絵はがきは京都の土産物屋ならどこでも扱ってるポピュラーなものだ。
一文無しのロクさんがなぜそんなものを持っていたのか。
拾ったのか盗んだのか…事件に関係があるのかないのか。
当時その線からは何も浮かばなかった。
どれどれ〜?んっ?絵はがきは12枚で一組。
京都の名所旧跡の写真を使用と。
端に小さな通し番号あり。
うちロクさんが持っていたのは11枚。
通し番号1の絵はがきが抜けてた。
で販売元に問い合わせた結果通し番号1の図柄は金閣寺。
金閣寺!?この死亡推定日時犯行日時とこの絵はがきの消印を比べてみると…。
平成6年11月1日…この消印と同じ日!?
(会沢桂子)おみやさん!来ちゃった。
お茶しよう!待ってた桂子さん!私も〜!うれしい〜!ふふふ…。
これ鑑識で調べてくれる?ふふふ…何ですか?これ。
これ絵はがき。
はははは…。
(2人の笑い)うん…。
(時任雄一)ああっ…あっ!ああーっ!!
(兵藤兵吾)病院に搬送されたのは時任雄一さん32歳。
んっ?
(兵藤)時任さんは金沢産業京都支社の営業マンで現在奥さんの頼子さん娘の綾乃ちゃんの3人暮らしです。
茅野時任さんの容体は?
(茅野太一)頭部を強打しておりまして未だに意識が戻りません。
現場の状況から見て単独で転落した事故とは考えづらいですね。
高岡物盗りの線はどうだ?
(高岡俊介)奥さんに確認してもらいました。
金品その他盗られたものはないそうなんですが…。
(星野康夫)バリバリの営業マンがあんな時間にあんな場所にいたのがまず変ですよ。
事件になる可能性は高いな。
(携帯電話)吉川です。
(携帯電話)はい兵藤。
おうわかった。
課長時任さんの意識が戻ったそうです。
よし。
時任さんの聴取が取れ次第傷害事件に切り替えて捜査する。
先行して交友関係を当たってくれ。
(一同)はい!
(ドアの開く音)差し入れ…。
差し入れ?何がいい?ずっと病院に詰めてて朝ご飯がきっとまだだろうからっておみやさんが。
はい。
(吉川新平)さすがおみやさん。
名推理です。
いただきます!えっ?あっ…ってことはこのヤマ何かあるんですか?まだわかんないけどさ…。
またまたはぐらかす!ふふふ。
(時任)足を踏み外して落ちただけです。
私一人でした。
しかし勤務時間内に何であんな場所にいたんですか?すいません。
お引き取りください。
時任さん…。
ただの事故です。
大騒ぎは迷惑なんです。
(ドアの開く音)
(時任綾乃)パパ!
(時任)おお綾乃。
よしおいで。
綾乃。
ふふふ…。
(綾乃)パパ痛い?ううん大丈夫。
ああそんな顔して。
心配してくれたのか?ははっありがとな!ははっ可愛いな。
ははっ。
全然痛くないからなパパ。
ははは…。
ありがとう。
(時任頼子)すいません。
綾乃!すいません。
ダメよ綾乃。
ママと一緒にお外で待ってましょうね。
ねっ?
(綾乃)パパ!ああ…綾乃…。
(時任)事情聴取もういいですよね?
(吉川)あっ…はあ…。
(頼子)よかったねぇ。
(時任)何して遊ぼうか?時任さん嘘ついてましたね。
何でかなぁ?おみやさんもちょっと変。
僕が?珍しく怖い顔してましたよ。
帽子買いに行こう。
帽子?あの頭にかぶるやつ?足に履く帽子があったらそれも買う。
何?14年前この商店街に中村帽子店があった。
その跡がこれ。
ロクさん殺害事件の時目撃証言から2人の少年の名前が挙がった。
学習塾の友達同士。
1人が中村隼人高校2年17歳。
中村帽子店の一人息子。
もう1人は高校3年18歳時任雄一。
時任!?まあ未成年ということもあって捜査は難航し結局容疑は固まらなかった。
14年前のヤマと今度の件つながりがありそうね。
中村隼人の行方調べてみますか?うん…。
何?その気のない返事。
ゆきさん!
(携帯電話)桂子さん。
もしもし?指紋?例の絵はがきからいくつか指紋が出たんですけどね切手の裏にあった指紋が14年前の殺人事件のガイシャのものと一致しちゃったんですよ。
(桂子)「ガイシャの氏名は不明。
通称ロクさん」この絵はがきロクさんが出したものと見てまず間違いありません。
そうですか…。
父は死んでた…。
殺されてたんですか。
最悪の報告になって申し訳ない。
鳥居さん…。
警察官っていう仕事被害者の身元がわかった時にご家族の元にその悲しい知らせを届けに行くっていう任務も担います。
いつまで経っても慣れません。
でもねゆきさんあの絵はがき14年ぶりの手掛かりになったの。
お父さんの執念だと思う。
だから犯人は必ず私達が逮捕してお父さんの無念を晴らすから。
時効まであと1年もあるし…。
もういいですよ。
いい?やっぱり父親っていうのがピンとこないっていうか…。
そりゃあ殺されてたのはショックだけど死んでるっていうのがわかっただけで十分。
これで心の整理が…。
母の心の整理がつくと思います。
ありがとうございました。
でもね…。
犯人が捕まろうが逃げようが私には関係のないことだし。
だって勝手に借金作って勝手に私とお母さん捨てて勝手に殺されたんだし。
それに…。
ホントに…ホントにそう思ってる?今夜東京帰ります。
お世話になりました。
ゆきさん…。
じゃあ今日は捜査はやめてゆきちゃんが東京に帰るまで一緒に京都観光しましょう。
えっ?一見さんじゃ絶対行けないとっておきの京都ご案内します。
ちょっとちょっとちょっと…。
ちょっと何考えてるの?オヤジ!ちょっとおみやさん!ああゆきさんゆきさん…。
えっ?ああ…。
もちろん覚えてますわ。
文無しのロクさんいうて結構有名人やったからねぇ。
文無し?そうや。
いつも金がのうてピーピー言うてたわ。
だけど困ってる奴がおると自分の稼ぎをポーンとやってしまいよるさかいな。
まあ底抜けのお人よしかよっぽどの善人か…。
善人のロクさん善ロクさんとも呼ばれとったで。
ありがとうございました。
次行こう。
洋子。
善ロクさんとは仲がようてねぇ。
よう同じ現場に入りましたわ。
けど今から思うと寂しがり屋やったかもしれませんなぁ。
寂しがり屋?普段はようしゃべるのに家族の話になるといつも聞き役や。
わけありやなぁ思うて私らもそこには触れんようにしてました。
一度だけ「俺にも娘がいるんだよ」言うてポロッと涙落としやったねぇ。
いつもニコニコ笑うてる男が泣いたもんやからみんな胸詰まってしもうてねぇ…。

(鳥居の声)この街で駐在勤務なさってたんだ。
ロクさんのことを何でもいいですから話していただけますか?はあ。
あなたは?関係者です。
責任は僕が持ちます。
はあ。
ロクさんは街の人にいつも気さくに声をかけていたんですよ。
「お勤めご苦労さん!」「学校頑張れよ!」とか。
子供達に結構人気があって。
子供好きやったんですよロクさん。
事件の後は自然発生的に町内会がロクさんの葬式を出しました。
えっ?それだけでもお父さんの人柄がわかる。
お父さん?そうしたらあんたロクさんの…?ロクさんの口癖はね「何とかなるさ」でね。
何かあると「何とかなるさ」言うてくれてましたわ。
「何とかなるさ何とかなるさ」言うてね…。
あと好きな歌は…。
「別れることはつらいけど」『星影のワルツ』。
で好物はたこ焼きやったな。

(店主)子供みたいでっしゃろ?ははは…。
いやぁ実際子供みたいな純な男でしたわ。
親戚が14年ぶりに京都まで来てくれたなんてなぁ。
ロクさん喜んではりますわ。
ホンマ喜んではるで。
やっぱりもう1泊しようかな。
じゃあホテル代節約しちゃおう!ねえおみやさん!ふふっ。
(おたま)まあ人様の家で…しかも殿方の前でパジャマ姿でくつろぐなんてまあ…。
今のを通訳するとあなたもパジャマでくつろぎなさい。
自分の家だと思っていいから。
(おたま)思っちゃいけません!おたまさん洋子のパジャマあと2〜3枚あるでしょ?あれ出して。
坊ちゃま…。
(チャイム)お邪魔しまーす。
(おたま)若い女性を3人も…。
だらしないにもほどがございます!
(ゆき)ありがとうございます…。
こんばんは。
あらっ?何かタイミング悪かったですか?いやいやいや…あれで結構おたまさん喜んでるんだよ。
女の人が来ると家の中が華やかになっていいって。
ふふふふ…。
…で?あっあのね例の絵はがき。
指紋の他に肉眼では見えないぐらい微量のしょう油と植物性油脂が検出されたのでお知らせしようと思いまして。
しょう油と植物性油脂?あのね絵はがきのこっちの面に。
まあ明日でもよかったんですけど署内だとね…村井課長がうるさいでしょ?ああ〜。
助かる桂子さん。
いいえ。
これで明日のコース決まりだね。
どうしてロクさんが絵はがきを持ってたのか油としょう油の成分を手掛かりに調べてみよう。
何とかなるさ…。
うん?お父さんの口癖?どんな声してたんだろう…。
すいません。
洋子さんと鳥居さんお仕事あるのに。
ふふ…。
お仕事なんて…。
うどん食べてくるって一日中さぼってても何も言われない気楽な課なのよ資料課って。
気にしないで。
鳥居さんって不思議な方ですね。
ああ〜確かに。
鴨川東署七不思議の1つね。
(ゆき)やさしくて厳しくて大きくて…。
そばにいるだけで安心できるっていうか…。
父親ってあんな感じなのかな?ふふ…。
それかなりよく言い過ぎ。
(2人の笑い)
(村井)鳥居君!14年前の殺しの容疑者に時任雄一が挙がっていただと?何でそれをすぐ言わないのかね?もう1人の容疑者中村隼人当時17歳。
時任の転落が事故じゃなくて事件だとしたら中村がかんでた可能性はありますよ。
そんなことはね資料課に言われなくたってわかってますよ。
じゃあ後は刑事課で。
我々はうどんを食べに行ってきます。
待ってました!朝っぱらからうどんなぁ…。
(吉川)絶対何かつかんでますよおみやさん。
何をぼんやりしてるんだ!中村隼人の居所を捜せ!時任と中村のこの14年と接点を全て洗い出せ!
(一同)はい。
(携帯電話)はい。
おみやさん?吉川言い忘れたけど病院の時任雄一から目を離さないように。
以上。
了解しました。
吉川鳥居君からかね?いえいえ。
(2人の笑い)捜査行ってきます。
見たことないです。
うちには来ておりません。
どうもありがとう。
(星野)時任雄一は高校卒業後大学に進み現在の会社に勤続10年。
去年マイホームを購入。
夫婦仲もよく近所の評判も上々。
順風満帆な14年です。
あっ兵さん。
おっ課長か?はい。
ちょっと貸して。
ええ中村隼人ですが実家の帽子店がつぶれた後高校を中退しております。
その後も定職に就かずチンピラまがいの14年ですね。
時任と中村は最近連絡を取り始めています。
ひと月前にですね祇園のクラブに一緒に…。
(中村隼人)サンキュー時任さん。
また連絡するわ。
お待たせ!おう。
時任さんあと1年の辛抱よ。
ははは…。
1年よ!
(茅野)あと1年の辛抱だと中村が言っていたのをホステスが聞いています。
もしかしてあれですかね?殺人の時効まであと1年ってことなんじゃないですかね?
(時任)きれいだね。
(頼子)噴水きれいね。
パパにも抱っこさせて。
パパもだって。
よいしょ!
(頼子)甘えた〜。
(時任)きれいだな。
吉川さん応援です。
うん。
何かありました?6歳…。
6歳?
(吉川)もし時任が14年前のホンボシだったらさあの子人殺しの娘になっちゃうんだよな…。
ごちそうさま。
あっ…。
んっ?次行こうか?またたこ焼き屋さん?ねえおみやさんどうして朝からたこ焼き屋さんばっかり回ってるの?この絵はがきの写真のところに油としょう油の成分が付いてたっていうことはこれをこういうふうに置いて飲食店でこの絵はがきを書いた可能性がある。
その飲食店がわかればお父さんの様子もわかるかもしれない。
ちょっと怖いな…。
大丈夫僕らついてるから。
うん。
飲食店…。
ロクさんの好物はたこ焼き。
そういうこと。
でもたこ焼きってソース味じゃないんですか?関西にはしょう油味のたこ焼きがあってこれまたうまいの。
うん。
よし行こう。
おじさんそれしょう油味ですよね?そうや。
あっさりしててうまいで。
オヤジさんロクさんって知りません?文無しロクさんとか善ロクさんとか呼ばれてたんだけど。
あんたらロクさんの何や?ちょっと訊きたいことがあるので中に…。
中に中に。
あの私…私ロクさんの…。
ゆきちゃん。
ユッ…ユキ!?うちの娘と同じ名前や。
お宅の娘さん今どちらに?ちょうど今里帰りしてますねん。
有紀!有紀!
(有紀)何?ユキさんですか?そうですけど…あなたは?ゆきです。
ロクさんね何でかうちをすごい可愛がってくれはったの。
やっと謎が解けたわ。
娘さんと同じ名前やってんねぇ。
この金閣寺の絵はがきもよう覚えてます。
ロクさんあそこであのカウンターでこれを書いてはった。
あそこで…?うちがボールペン貸してあげたの。
はいロクさん。
ああありがとう。
字を書くの久しぶりだからな。
(有紀の声)1文字1文字丁寧にね…。
字を書くの久しぶりやって照れてはったわ。
どうしたん?へへ…何から書いていいかわからなくて…。
(有紀の声)通信欄何から書いてええかわかれへんって大人のくせに泣きそうな声出さはって…。
それでねお父ちゃんに内緒でたこ焼き焼いてあげて一緒に食べたの。
その後またロクさん絵はがき書こうとしてはったんやけど結局何もよう書かはらへんかったんやね…。
その絵はがきあなたがロクさんに?いいえ。
先生にもらったって言うてはりました。
先生?先生って?何の先生ですか?どこの先生ですか?どこに行けばその先生に会えますか?
(笛)待て!
(パトカーのサイレン)
(増田)そうですか。
あなたがロクさんの…。
事件のことを今の今まで知りませんでした。
何と言ったらいいのか…。
この絵はがき先生がロクさんに?はい。
覚えてます。
私がロクさんにあげたものです。
私達ボランティアで日雇いの方の健康診断をしてましてね。
14年前のあの日仲間の手伝いで京都に出張してました。
ロクさんは食あたりで寝込んでいました。
熱と嘔吐がひどくてもう死ぬかもしれないって不安がってご家族のことを私に打ち明けたんです。
死ぬ前に誰かに話しておきたいからって…。
頼まれたら嫌とは言えない性格が災いして奥さんに内緒で友達の連帯保証人になったそうです。
でも友達は事業に失敗して夜逃げ。
ロクさんは莫大な借金をかぶることになってそれで離婚届を残して失踪。
自分がいなくなれば奥さんと娘さんにだけは迷惑かからないと思ったからって。
今思えば安易な選択だったと悔やんでいました。
1人で死ぬのは寂しい。
死ぬ前に妻と娘に会いたい。
娘はもう10歳になったはず。
ひと目顔が見たい。
声が聞きたい詫びたいって…。
それで?次の日回復したロクさんに絵はがきをあげました。
(増田)こんなふうに姪っ子のお土産にと買っていたものなんですけどね。
とにかく今だと思って。
ご家族に生きていることだけでも伝えたらどうですかって。
先生ロクさん何て?失踪して6年も経つ。
今さらと首を振りました。
でも…。
ロクさん12枚あります。
ひと月に1枚ずつ出してみたらどうですか?えっ?あせらなくていい。
ひと月に1枚ずつ1年かけて少しずつご家族に連絡してあげてください!ねっ。
ほら。
切手も買ってきました。
12枚ありますから。
(増田)ロクさんは言いました。
切手は1枚だけもらいます。
1枚だけ使わせてもらいますって。
1枚だけお借りします…!こんな小さいスペースじゃ書ききれなかったよね。
きっと出すのに何日も何日もかかったんだよね。
(ゆき)それでも勇気振り絞って出してくれたんだよね。
お父さん…。
私知りたい。
どうしてお父さんが殺されなきゃならなかったのか私知りたい。
警察には何も話しちゃいない。
ホントだ!俺のためにも高飛びしてほしい。
金渡すから今から会えないか?
(中村)こっちも連絡したいと思っていたところだ。
いいか?妙な真似はするなよ。
時効までまだ1年ある。
失うものは俺よりあんたのほうが大きいんだぜ。
わかってるんだろうな?
(ため息)
(時任)中村。
あんたは悪運が強い。
金次第でどうにでもなる俺が相手でよかったな。
ほら。
妙な真似するなって言っただろうが!!黙れ!俺はお前と違うんだ。
何をしたって俺は俺の家族を守る!
(中村)そうさ。
あんたと俺は違うんだよ。
素人が…。
思い知らせてやるよ。
(吉川)時任雄一中村隼人!
(時任)どうして…!?
(高岡)時任雄一ずっとお前をつけてたんだよ。
うわぁ!!うわぁ!
(中村)ああっ!
(中村)離せ!待て!14年前…この公園でロクさんを殺したのはお前達だな。
その後の14年順調にきた君は事件を忘れようとし転落を続けた君はそんな彼から金をせびった。
いい加減にしてくれ。
一生付きまとう気か!?あと1年。
時効が来るまでの辛抱さ。
はははっ…そうか。
時効が来ても社会的地位っていうの?あんたがそういうの守りたいならまっ一生かもしれねぇな。
きれいな奥さんと可愛い娘が人殺しの女房と娘になってもいいならいつでもサツに突き出してくれていいんだぜ。
ああっ…あっ!ああーっ!!何で殺したの!?14年前どうしてロクさん殺した?成績が落ちてイライラしてたんです。
イライラ?塾が終わった後こいつと2人でそのベンチで…。
先客がいたのさ。
小汚ねぇ身なりのオヤジがさしみじみ歌なんか歌ってやがってさ。
歌…?「別れに星影のワルツをうたおう」
(時任)オッサンそこ俺達の席なんだけど。
ああそうか。
悪い悪い!
(時任の声)その仕草がシャクに触ったんです。
ねえねえ君達まだ未成年だろ?大事な体なんだから…ああタバコなんかよしなさい。
ねっ?親が泣くよ。
(時任)うらぁ!
(時任の声)1発殴ったら止まらなくなって…。
(時任の声)気づいたら相手は動かなくなってて…。
怖くなって…逃げました。
そんなことで人の命を…!あなた達が殺したのは私のお父さんよ!帰ろうとしてたのに…。
お父さんはちょっとずつ…ちょっとずつ私とお母さんのところに帰ろうとしてたのに!あなた達は私のお父さんを…!何で!?何で…。
(泣き声)君は14年の間に大人になり家族を持った。
今の君ならわかるだろう?14年前君が殺した人にも家族があった。
娘がいた。
人の命はかけがえがない。
(泣き声)
(時任の泣き声)何で…!
(泣き声)「別れに星影のワルツをうたおう」
(泣き声)吉川!時任が病院を抜け出した時になぜ資料課に連絡したんだ!?いやその前に刑事課に君達の上司であるこの私になぜ報告をしなかったんだ!?それはですね病院の時任を張れと指示されたのが資料課のおみやさん鳥居さんだったわけで…。
吉川そんなに資料課が好きだったらな署長に言っていつでも資料課に飛ばしてやるぞ!うわぁ!自分おみやさんの2代目務まりますかね?うわぁ!!不思議なんですよね。
記憶にないはずの父の顔がこの旅で思い出せたんです。
そう…。
笑ってる顔がはっきりと。
ゆきちゃんの記憶の中にはホントはちゃんとお父さんの顔が刻まれていたのかもね。
はい。
はあ…。
どうしたの?彼のプロポーズ受けてみようかなと思って。
ふふっ…私に奥さんなんて務まるのかな?どうだろう?おみやさん!お父さんならきっと言うね。
何とかなるさ。
おみやさん…。
大丈夫何とかなる。
…ですよね。
ふふふ…。
ねえおみやさん。
うん?ゆきちゃんはどうして結婚する踏ん切りがついたんでしょうね?ずっとこう父親に捨てられたと思ってた。
ところが父親はずっと愛してた。
そのことに気がついて父親を許す気になった。
まあそれと愛されてなかったと思ってた自分自身をも許すことができた。
それでこう心が自由になったんじゃないのかな。
ふーん…心が自由にかぁ。
ところでおみやさんはどうして結婚しないわけ?誰に許されたいのかなぁ?そういう洋子はどうなのかな?誰に許されたいのかなぁ?それは…もう女性にそういうこと訊く?デリカシーがないっていうか鈍感っていうかもう…。
おみやさん待ってよ!ちょっと待って!お待たせしました。
毎度おおきに。
どうも。

(一同)おみやさんいただきます!
(はしゃぎ声)こらー!何やってるんだ君達は!2015/12/18(金) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
おみやさん6[再][字]

【FILE.2】おみやさん(渡瀬恒彦)は、父親の捜索願を出しに来た女性(貫地谷しほり)と知り合う。一枚の絵ハガキを頼りに、秋の京都で父親の面影を辿る旅が始まる。

詳細情報
◇番組内容
京都鴨川東署資料課の窓際課長・鳥居勘三郎(渡瀬恒彦)が、部下の七尾(櫻井淳子)と迷宮入りした難事件に挑む!
◇出演者
渡瀬恒彦、櫻井淳子、七瀬なつみ、不破万作、林 泰文、片桐竜次、小野寺丈、一條 俊、相本久美子、友近、菅井きんほか
【ゲスト】貫地谷しほり、春海四方、原田篤

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

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日本語
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