産経新聞の前ソウル支局長に、無罪判決です。
裁判では、日韓関係への配慮を求める韓国外務省の異例の文書が読み上げられました。
検察は初めから起訴を思いとどまるべきでした。
澤穂希選手。
引退の記者会見を開きました。
悔いのない、やりきった、本当に最高のサッカー人生でした。
こんばんは。
ニュース7です。
韓国のパク・クネ大統領の名誉を傷つけたとして、在宅起訴された、産経新聞の前ソウル支局長に、韓国の裁判所は、大統領をひぼうする目的はなかったなどとして、無罪判決を言い渡しました。
その判決公判。
韓国外務省が裁判所に配慮を求める文書が読み上げられるなど、異例の展開となりました。
無罪判決を受け、午後6時ごろ記者会見をした、産経新聞の加藤前ソウル支局長。
当然の判決であって、特別に感慨を抱くということはありません。
韓国の検察当局においては、控訴することなく、本件を終結させることを望みますと述べました。
その上で、韓国の検察による在宅起訴は不当だったと訴えました。
問題があるとされたコラムについては、力を持たない、市井の個人を取り上げたものではありません。
一国の最高権力者の重大事故の当日の動静について、題材としたものです。
今回の裁判、加藤前ソウル支局長が、自社のウエブサイトに掲載したコラムが問題とされました。
コラムでは、去年4月に起きた韓国の旅客船沈没事故の当日、パク・クネ大統領の所在が一時分からなくなっていたと伝えた、韓国の有力紙の記事を引用したうえで、パク大統領が元秘書の男性と一緒にいた可能性を示唆していました。
これが、インターネットを使って、大統領の名誉を棄損した罪に問われました。
3時間にわたった判決公判は、異例の展開となりました。
判決文の読み上げに先立ち、裁判所は、韓国外務省が提出した文書を読み上げたのです。
その文書で韓国外務省は、日韓国交正常化50年のことし、今回の裁判が両国関係改善の障害になっており、大局的に善処すべきだと日本側から強く要望があったとしたうえで、最近、両国関係の改善の兆しがあり、特にあす12月18日が、両国の基本条約が発効して50年の記念日であることも勘案し、日本側の主張をしん酌することを望むと、裁判所側の配慮を求めました。
そして。
ソウル中央地方裁判所は、記事は、私人としてのパク・クネ氏から見れば、社会的な評価を深刻に阻害しているが、公人としての大統領の業務遂行については、公的な関心事であり、名誉を傷つけたと見るのは難しいと指摘。
被告が記事を書いたのは、韓国の政治や社会の事情を日本に伝えることが目的で、ひぼうが目的だったと見ることは難しい。
言論の自由は韓国の憲法で保障されており、公職者に対する批判は可能なかぎり、許容するべきだとする判断を示し、無罪を言い渡しました。
では、取材した矢野記者に聞きます。
矢野さん、長時間に及んだ裁判でしたが、どんな様子だったんでしょうか。
判決文はA4用紙で、およそ50枚に及び、読み上げは、日本語による逐次通訳を挟んだこともあって、およそ3時間に及びました。
この間、加藤前支局長は、裁判長から、高齢の人や体調が思わしくない人などを除いて、立ったまま聞くのが決まりだと指示されたため、被告人席でずっと立っていました。
そして午後5時ごろ、無罪判決が言い渡されますと、およそ130人が見守っていた傍聴席からはどよめきが起こりましたが、加藤前支局長は表情を崩すことなく、落ち着いた様子でした。
今回の裁判を巡っては、日韓双方で今後の両国関係の影響を懸念する声が上がっていました。
韓国外務省は関係改善の兆しがある今、善処を求める日本側の主張に配慮してほしいとする異例の文書を提出しており、検察側が控訴するかどうかが注目されています。
以上、ソウル中央地方裁判所の前からお伝えしました。
日本政府の反応です。
また、政府関係者の一人は、日本の主張にも沿った判決だ。
いわゆる慰安婦問題を巡る交渉にも、前向きな影響をもたらすことを期待したいと述べていました。
韓国の反応です。
韓国の通信社、連合ニュースによりますと、韓国外務省の当局者は、裁判によって生じた負担が取り除かれたことにより、今後、日韓関係が改善するきっかけとなるよう期待すると述べました。
その一方で、記事の内容が裁判の過程で虚偽だったことが明らかになった。
今後、このような虚偽の報道によって、日韓関係に負担を与えることがないよう願っているとしています。
次です。
南海トラフで想定される巨大地震。
備えが必要なのは、津波だけではありません。
こちら、超高層ビルなどを大きく揺らす、長周期地震動。
揺れは東日本大震災を大きく上回るとする国の想定が公表されました。
東京、名古屋の沿岸部では、最上階の揺れ幅が、最大で2メートルから3メートル、大阪市の埋め立て地では、6メートルに達するとしています。
対策はどこまで進んでいるんでしょうか。
すごい揺れてる。
4年前の巨大地震でもあった長周期地震動。
震源から離れても、揺れが衰えにくいのが特徴です。
周期が短く、小刻みの地震では揺れは大きくありません。
しかし、周期がゆっくりの長周期地震動では、地震そのものの揺れと建物などの揺れとが共振し、揺れが大きくなるのです。
4年前の巨大地震では、大阪でも高さ250メートル余りのビルの最上階で、揺れ幅が最大3メートル近くに達しました。
損傷が見つかった箇所は、360か所に上りました。
今回の想定は、国の検討会が初めてまとめました。
過去300年余りに、南海トラフ沿いで発生した地震などをもとに、超高層の建物への影響を計算しました。
その結果です。
最も影響が大きいマグニチュード9クラスの地震。
高さ200メートルから300メートル程度の建物の最上階の揺れ幅は、東京23区で最大およそ2メートルから3メートル。
名古屋市中村区で最大およそ2メートル。
大阪・住之江区の埋め立て地で、最大およそ6メートルでした。
では建物は実際にどのように揺れるんでしょうか。
名古屋大学の研究グループに依頼した実験です。
今回の想定で、揺れ幅が最大6メートルとされた大阪市の湾岸部のビル。
半分程度の揺れ幅や速度でも。
前後左右に、かなり大きく揺れています。
スピードが出てきました、つかまっていないと非常に危険な状態になっています。
揺れ幅は最大で3メートル近くに達しました。
こちらは最上階の室内の様子。
映像で再現したところ、固定していない家具やテレビは倒れて、吹き飛んでしまいました。
大阪の人たちは。
大阪にある日本一高いビル、あべのハルカスです。
最新の対策が施されています。
ビルの中層階に設置された壁。
波形に折り畳んだ鋼の板が変形することで、地震のエネルギーを吸収し、影響を小さくします。
さらに300台余りのダンパーと呼ばれる揺れの力を減らす装置も取り付けられています。
全国でおよそ2500棟あると見られる超高層ビル。
専門家は。
悔いなく、やりきった。
本当に最高のサッカー人生でした。
澤穂希選手が記者会見を開き、現役引退の理由について、心と体が一致してトップレベルで戦うのが、だんだん難しくなったと感じたと述べました。
おはようございます。
おはようございます。
引退発表から一夜明けたきょう、所属するINAC神戸レオネッサの練習姿を見せた澤選手。
笑顔を見せながら、およそ1時間半にわたって、パス回しなどの練習に汗を流しました。
練習後、チームメートからは。
大勢の報道陣が待ち構える中、澤選手が姿を現しました。
20年以上にわたって活躍してきた澤選手。
最も印象に残った瞬間は。
澤だ!
4年前の女子ワールドカップでの優勝でした。
私生活では、ことし8月に結婚した澤選手。
現役生活を振り返るとともに、今後についてこう述べました。
次です。
日本、そして世界の経済に影響が出ることも予想されます。
いわゆるリーマンショックのあと、7年間、異例のゼロ金利政策を続けてきたアメリカのFRB・連邦準備制度理事会。
日本時間のけさ早く、このゼロ金利政策を解除して、金利を引き上げることを決めました。
閣僚からは。
経済界は。
アメリカのFRB・連邦準備制度理事会が金利を引き上げたのは9年半ぶり。
全会一致で決まりました。
現在、0から0.25%の幅の極めて低い水準に抑えてきた政策金利は、0.25から0.5%の幅に引き上げられます。
2008年のいわゆるリーマンショックのあと、景気を支えるため7年間にわたって、金利を事実上、ゼロに抑えてきましたが、今回、いわば通常の状態に戻す段階に来たと判断したことになります。
東京株式市場は、取り引き開始直後から全面高の展開となり、日経平均株価は300円以上値上がりしました。
為替取り引きを大規模に手がけている大手銀行のディーリングルームです。
市場関係者の間では、事前の予想どおりとして、冷静に受け止められました。
ドルや円の売り買いの注文は想定より少なく、落ち着いているという声も。
一方、リスクを避けようという動きも出ています。
巨額の資金を運用する国内の生命保険会社は、利上げをきっかけに、金融市場が不安定になるおそれがあることから、投資先を分散させています。
このうち住友生命では、今年度から、アメリカ企業の社債に投資を始め、毎年、数千億円規模を投資する計画です。
世界最大の経済大国、アメリカが踏み切った利上げ。
17日のヨーロッパの主な株式市場では、アメリカの金融政策を巡る不透明感が和らいだことなどから株価が大きく値上がりしています。
アジア各国の株式市場も全面的な値上がりの展開となりました。
一方、懸念もあります。
ドルは7年間に及ぶゼロ金利政策で、大量に世界の金融市場に行き渡っています。
これが利上げによって逆流を始めることで、特に新興国で通貨安や株式市場が混乱するおそれも指摘されています。
利上げが原因の一つとなった例が、1994年のメキシコ通貨危機です。
FRBが1年間で急速に政策金利を引き上げた影響もあり、メキシコの外貨準備が激減し、通貨ペソもドルに対して急落。
メキシコでは急激なインフレや経済の低迷が続きました。
1997年には、タイの通貨バーツの急落に端を発するアジア通貨危機が発生。
ロシアの財政危機にまで飛び火しました。
2008年のリーマンショックは、利上げそのものが金融危機をもたらしたわけではありませんが、利上げが遅れ、バブルを拡大させたことが、混乱を大きくしたと指摘されています。
今回の利上げによる影響はあるのか。
世界が注目しています。
影響が特に懸念されているのが新興国です。
新興国では、アメリカの低金利政策の恩恵を受ける形で、大量の資金を呼び込み、経済成長につなげてきました。
しかし、アメリカの金利の引き上げを見越して、このところ、ブラジルや南アフリカなど、多くの新興国通貨がドルに対して値下がりし、資金の流出が加速するおそれが出ています。
こうした影響は、私たちの身近なところにも表れています。
都内に住む野中正幸さんです。
およそ8年前に、退職金の一部をブラジルの株式に投資する投資信託の積み立て投資を始めました。
しかし、ブラジルの通貨が大きく下落したことで、投資信託の価格は、購入した時から累計で3割ほど値下がりしてしまい、先月、売却したということです。
投資信託協会が、投資信託の運用対象となっている株式や債券などの資産を、通貨別にまとめたところ、ブラジルに関係する資産の規模は、ことし1月から先月までに41%減少。
インドネシアは25%、南アフリカは26%、それぞれ減少しています。
アメリカ経済の好調を示す利上げ。
しかし、新興国経済の減速を招くリスクもあります。
政府・日銀はリスクが現実になった場合、金融市場の混乱や、輸出の減少などを通じて、日本の景気を押し下げかねないとして、影響を慎重に見極めていくことにしています。
NHKの子会社、NHKアイテックは、社員2人が、放送関連施設の工事などを実体のない会社に発注するなどの方法で、およそ2億円を着服していた疑いがあることが、東京国税局の税務調査の過程で明らかになったと発表しました。
NHKアイテックは、引き続き国税局の調査に協力するとともに、社内調査をNHKとともに進め、刑事告訴を検討するとしています。
きょう夕方、NHKの子会社のNHKアイテックが、記者会見を開いて明らかにしました。
それによりますと、NHKアイテックの本社と千葉事業所に所属する、いずれも40代の男性社員2人は、平成21年からこれまでに、放送関連施設の工事や業務を、実体のない会社に発注するなどの方法で、会社の金およそ2億円を着服していた疑いがあるということです。
これらの工事は、テレビの地上デジタル化に伴い、アナログ放送の受信施設を撤去したり、国の補助金の対象となる、難視地域の共聴施設を設置したりするものなどで、合わせて五百数十件、総額およそ4億円発注され、このうちおよそ2億円を不正に受け取った疑いがあるということです。
これは東京国税局による税務調査の過程で明らかになったもので、社内調査に対し、2人は不正を認めているということです。
NHKアイテックは、引き続き国税局の調査に協力するとともに、社内調査をNHKと共に進め、2人を厳正に処分し、刑事告訴を検討するとしています。
NHKアイテックは、社員の不正行為が明らかになったことは極めて遺憾です。
事実関係を詳しく確認したうえで、厳正に対処しますとしています。
ニュースを続けます。
奈良県の高校で、今月4日、1年生の男子生徒が校舎から飛び降りて、自殺を図ったと見られる問題で、死亡した生徒の父親が記者会見しました。
その上で、なんとかして止められなかったのか、真相を究明してほしいと訴えました。
奈良県教育委員会は、第三者委員会で調査することにしていて、父親は、調査の状況や結果について、速やかに報告するよう求めたということです。
お葬式・葬儀の料金を巡って、注意呼びかけです。
国民生活センターによりますと、高額で納得できないなど、葬儀会社とトラブルになったという相談が、年間700件以上寄せられています。
また葬儀会社との打ち合わせの際には、親族など、冷静な第三者に立ち会ってもらうことが大切だとしています。
ことし6月、東海道新幹線の車内で男が火をつけ、男と乗客の女性が死亡した事件を受け、JR東海が防犯対策の強化です。
新幹線で非常ボタンが押された場合、運転席などのモニターに客室内の映像が自動的に映し出される仕組みを、新たに導入することになりました。
プロ野球・広島の黒田博樹投手。
現時点で球界最高年俸となる、推定6億円プラス出来高払いで、契約を更改しました。
黒田投手は、今シーズン8年ぶりに日本球界に復帰。
大リーグからを通じて、6年連続2桁勝利となる11勝を挙げました。
シーズン終了後は、現役を続けるかどうか決めていませんでしたが、今月に入って引き続き、広島でのプレーを決断しました。
黒田投手はきょうの交渉で、球界最高年俸となる推定6億円プラス出来高払いで契約を更改。
日米通算の200勝まで、あと7勝で迎える来シーズンへ、新たな決意です。
気象情報は寺川さんです。
こんばんは。
きょうは九州も雪が降りました。
全国的に寒く、特に北陸から九州では、この冬一番の寒さとなりました。
きょうは福岡や金沢など各地で、平年よりも遅い初雪を観測しました。
この雪や寒さ、あすにかけてはどうでしょうか?
今夜からあすの朝にかけては特に、北陸から山陰付近にかけて雪が強まりそうです。
平地でも雪の積もる所がある見通しです。
このためあすの朝は、路面の凍結や、雪による交通への影響など、十分にご注意ください。
そして、あすの日中はといいますと、冬型の気圧配置は少し緩んできます。
このため、日本海側の雪の降り方、いったん弱まりそうです。
そして太平洋側の地域ではきょうよりも晴れそうです。
ただ、日中もまだ空気は冷たいですから、暖かくしてお過ごしください。
ではあすの全国の天気です。
2015/12/17(木) 19:00〜19:30
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]
▼産経新聞前ソウル支局長に韓国の裁判所が無罪判決▼南海トラフ巨大地震の長周期地震動・初の想定を公表▼澤穂希選手が引退会見▼米がゼロ金利政策を解除・世界への影響
詳細情報
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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】寺川奈津美
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