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血液から膵臓がん治療標的の遺伝子異常検出- 国がん、新手法で解析可能に | 医療介護CBnews

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2015年12月20日 12時00分

血液から膵臓がん治療標的の遺伝子異常検出- 国がん、新手法で解析可能に


 国立がん研究センターは、ゲノム異常の解析を血液で高精度に行える新たな手法を開発し、血液から膵臓がんの治療標的となり得る遺伝子異常を検出したと発表した。この解析手法について、同センターは「膵臓がんに限らず、あらゆる固形がんで可能」としている。【新井哉】

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 ゲノム異常の解析は、これまでは生検や手術で採取した組織で行っていた。ただ、がん組織に直接、針を刺して組織を採取する「組織生検」は出血などの合併症の危険性が伴い、患者の負担も大きかった。また、5年相対生存率は7%と極めて低く、肺がんなどで行われているゲノム医療に基づいた分子標的薬による治療もほとんど行われていないのが実情だ。

 同センターがんゲノミクス研究分野の柴田龍弘分野長と谷内田真一ユニット長の研究グループは、血液検体から得られる遊離DNA(cfDNA)に着目。血液検体から得られるがん由来のcfDNAは微量で高度な解析を行うことは困難であったため、既存のキットと組み合わせた新たな前処理方法を開発。従来の20分の1の10ナノグラム程度のcfDNAで解析が可能な手法を確立した。

 研究チームは、膵臓がんの48例を対象に、高い頻度で変異が見られる遺伝子と治療標的となり得る遺伝子を解析。全ての症例で1つ以上の体細胞変異が検出されたことに加え、遺伝子の変異も14例(全例の約30%)の症例で認められたという。

 これまで分子標的薬の開発が進んでいない膵臓がんでも、がんの遺伝子異常に基づいた個別化治療が有効である可能性が示唆されたことから、同センターは「今後、さらに検出感度を向上させることで、治療標的の探索だけでなく、難治がんの早期診断への応用も期待できる」としている。


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