サンタクロースを語る

永遠の憧れ

本当にあるかも知れない、そんな理想を信じていた人もいるでしょう。神話にしてもそうですが、それこそメディア作品に出てくる能力などを実際に自分は使えると子供の頃は信じてやまない人もいたはず。そういう人が成長すると厨二病に発達して痛い黒歴史を生み出してしまうという、そんな過去を持っている人もいるかもしれません。ですがそうした黒歴史とは行かなくても、純粋な意味で信じていた存在は誰しもあるもの。決して蔑まれることもなく、存在していると信じている点を誰も否定することは出来ない存在の象徴といえば、やはり『サンタクロース』の存在だ。

子供の頃、誰もがクリスマスに訪れてプレゼントを渡してくれると信じてやまなかった人もいるはず、子供の頃はそう信じており、時が過ぎて行くと現実を思い知らされる。信じていたことを恥ずかしいと感じる人もいるかもしれませんが、逆にサンタがいないことを理解していて、クリスマスになったら堂々とプレゼントを親に要求してくる子供もいるかもしれないが、正直言って可愛くない。子供なんだからそうしたメルヘンチックな存在に憧れや希望を持ってほしいというの我儘といえるのか、大人になれば純粋に物事を信じられなくなるもの、世間を知る事で、見えてくるものが多すぎるからだ。

そんな中でサンタクロースとはどういうものなのかを知ることになりますが、元々日本とは縁遠い存在だったことは誰もが思っているはず。何せサンタクロースという存在は海外から誕生した文化の象徴であり、異国である日本とは文化の形体そのものが異なっているからだ。それでもいつの間にかサンタクロースも、日本人の子供が憧れる存在へ成り上がったことを考えると、それだけ子どもたちに夢を与えるものがなかったのか、なんて事も考えてしまうところです。

さて、サンタクロースについて話をするとなったらやはり基本的なことから話をしていかないとダメでしょう。なのでここからはサンタクロースの、本当の意味で定番となっているイメージを参考にしつつ、世界的に広がる印象を考察していこう。

サンタの一般的なイメージ

サンタのことは12月真っ只中の、それも直前に語るなんてベストな瞬間…・・・、なんて状況には恵まれず、残暑残って秋雨前線が訪れて梅雨みたいな天候になっている9月上旬に書く。色々な意味でシュールですが、だからこそ涼しさ(?)求めてサンタについて話すのも悪くはないでしょう。そんなサンタですが、世間一般的なイメージを注釈してみると、大体こんな感じだろう。

  • 常に笑顔
  • 白いトリミングがされた赤い衣装
  • 赤いナイトキャップに白ヒゲを生やした老紳士
  • 肩には子どもたちに送るプレゼントの白い袋

日本だけに限らず、世界的なサンタクロースのイメージとしてはこれ以上に当てはまるものはないでしょう。そしてもう1つ忘れてはならないのが、夢の象徴であるということもそうだ。サンタクロースがいる、それはある意味神様のように誰もが知っているのに、誰もがその姿をきちんと見たことがない物となっている。架空のものであるけれど、それは実際に存在していると信じられている、伝承とはそういうものですが、サンタの場合は別格と見ていいでしょう。

サンタクロースは今でも子供の憧れだ、そう思いたいですが現代社会ではインターネットという情報収集に長けた文明の利器があるため、そこで不用意にサンタを調べてしまうとネタバレではすまない後悔に苛まれた人もいるはずだ。掲載されている情報が善意のものばかりではなく、悪意に満ち満ちたものが当たり前のように溢れ返っている電子上の世界で、質問をしたが最後なのは言うまでもない。

ですがそうした荒波に呑まれながらも、サンタの事を信じている人はいまでも多くいる。特に日本のような屁理屈ばかりが達者になるような捻くれた悪ガキがひしめく中では、まだ外国の子供達のほうがリアルにサンタを幼少時までは信じている、そう思いたい。日本の子供が可愛くわけではないが、偏屈な思想を持った可愛くない子供を見かける機会が多いので、そういう意味では偏見なのかもしれない。そうした中で日本人の子供でサンタクロースを信じているとしたら純粋に、夢を守りたくなってしまう。

サンタとは、そんな純粋な心が生み出した偶像ともいうべき存在だ。

サンタクロースは双子?

そんな夢を運んでくるサンタクロースという存在ですが、何人存在しているんだろうと考えるのはとても自然なことです。また親たちもそうした質問を投げかけられた際には疑問に思ったはず、どのように答えればいいのかと。一番オーソドックスで無難な答えといえば、1人と答えるでしょう。ただ一人と答えてしまうと、世界中の子供達にプレゼント渡すとなったらとんでもない時間を費やすのではないか、などと子供は思ってしまう。そしてそれを逆手にして子どもたちには早めに寝ないとサンタクロースは来ないとも子供を黙らせる時の、常套文句のはずだ。

ですが世界の、ドイツにはこんな伝承が言い伝えられていることをご存知だろうか。それは、サンタクロースとは双子だという伝承があるのです。1人は上述に紹介したような、絵の中から飛び出てきたサンタクロースとなっていますが、双子のサンタクロースについては少しどころの話ではない、全く毛色が異なっていた。サンタといえば赤いですが、その双子であるサンタは黒、ここでは便宜上『黒サンタ』と呼称しておこう。

赤サンタと黒サンタ、二人共が子どもたちにプレゼントを運んでくる。しかし渡されるのはプレゼントとは限りません、赤いサンタはプレゼントをくれますが渡す条件として『良い子』でなければならないということ、対して黒サンタは悪い子にお仕置きというプレゼントを持ってくるというから、ドイツの子どもたちにすればサンタのイメージは良いものと悪いものの両方があると見ていいでしょう。

どちらもプレゼントに違いありませんが、中身の質が天地がひっくり返るように違っているので子どもたちにしたら赤いサンタが来て欲しいと切実に願っているのかもしれません。

サンタのモデルとは

サンタクロースは子どもたちにプレゼントを届ける存在として認知されていますが、それもまた現代に近づく中で見出された1つの固定観念ともいうべきものです。その起源には色々な説が唱えられていて、どれも語りたいところですが、そういう話は後にしておこう。最初に触れておきたいのがサンタクロースと呼ばれる存在は、キリスト教の中でも特別崇高された存在として崇められる『聖人』として見られているのです。

それだけ英語圏ではサンタクロースの存在とは一線を画したものであり、愛されるべき存在であると同時に守らなくてはならないものとしても見られている。