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 コンビニが病院でサービスの幅を広げている。患者専用の食品を充実させたり、病室までワゴン販売したりと、病院ならではのサービスを競い、入院生活の楽しみにもなっているようだ。病院内に出店したコンビニは大手3社で約400店にのぼっている。

 塩を使わないうどん、糖尿病患者にやさしい甘味料、低たんぱく質で腎臓に負担をかけないご飯――。

 ファミリーマートが力を入れるのは「メディカルフーズ(療養食)」だ。今月から、病院内や近隣店でメディカルフーズを約90種類並べた専用棚を本格的に置き始めた。専用棚がある店は、いまの14店から2017年度には200店に増やす。

 品ぞろえは病院ごとに違う。その病院の管理栄養士らと相談し、どういった症状の患者が多く、どんなニーズがあるのかを見極めて商品構成を決める。

 療養食は1個500~1千円が中心。患者は通販などでまとめ買いする必要があったが、コンビニなら病状に合わせ好きなものをちょっとずつ買える。

 ファミマの玉巻裕章取締役は「病院と連携し、患者や家族をサポートしたい」。約110店ある病院内店舗も増やす方針だ。

 病院内への出店で最大手はローソン。全国に約230店ある。本社の病院専門チーム「ホスピタルローソン推進部」が出店の相談や店舗設計を支援する。

 慶応義塾大学病院(東京都新宿区)のナチュラルローソンは約120平方メートル。車イスでも入れるよう通路を広くし、隣には50席ほどの食事スペースもある。