安全保障関連法成立から3カ月。東京や名古屋で若者らが安保法制反対のデモがあった=遠藤啓生、吉本美奈子撮影
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 安全保障関連法の成立から3カ月となった19日、各地で安保法制に反対するデモがあった。東京・原宿周辺で高校生グループ「T―ns(ティーンズ) SOWL(ソウル)」が主催したデモでは、制服姿の高校生を先頭に、家族連れや大人たち約1千人(主催者発表)が歩き、「憲法守れ」などと訴えた。

 同グループのメンバーで高校2年の女子生徒(16)はマイクを握り、「私たち高校生も主権者です。これからも政治のことを考え続けていく」と訴えた。沿道では多くの若者が足を止め、携帯電話で写真を撮ったり、ビラを受け取ったりしていた。デモ隊は「一緒に歩こう」と呼びかけた。

 横浜市の高校1年の女子生徒(16)は「法成立から3カ月経つけど、あきらめないでやろうと参加した」。静岡県三島市から参加した高専3年の鈴木大樹さん(18)は「来年は18歳選挙権も導入される。堂々と政治に意見が言えるようになる感じがしてうれしい。デモのような表現の場はますます重要になる」と話した。(後藤遼太)

■三重でも署名活動

 東海3県各地でも政権への抗議活動があった。岐阜市や名古屋市では主催者発表でそれぞれ約1千人が集まり、来年につなげようと声を上げた。

 岐阜市の金(こがね)公園での集会では、参加者らはそろって「戦争法廃止」のプラカードを掲げた。岐阜県関市の岐阜大2年、河上俊一さん(20)は採決が強行された安保法について「しっかり議論をすべき問題だったのに許せない」と語った。

 県内の弁護士が委員長の「もう黙っとれんアクション実行委」が、労働団体などの「戦争をさせない1千人委」県実行委と、県労連などの「憲法9条を守る県共同センター」に呼びかけ、初めて一緒に開いた。

 三重県四日市市の近鉄四日市駅前では、約20人が署名活動。「成立後も粘り強く声を上げ続ける」という同市の大野彰さん(81)は戦後、空襲で荒れ果てた街を見て「戦争は何と愚かなのだろう」と痛感した。

 署名をした同市の高校1年の女子生徒(16)は「どこかで戦争につながってしまうんじゃないかと不安。私たちの世代の問題でもある。小さなことから関わっていきたい」と話した。