韓国政府は今年上半期の中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)の感染拡大を受け、国指定の陰圧病室(隔離病室の一種)を拡充する方針を打ち出し、補正予算を計上した。ところが、疾病管理本部による支援対象の病院の指定が遅れたため、国軍首都病院と警察病院では陰圧病室の設置を断念していたことが、18日までに分かった。陰圧病室とは、空気が外に漏れ出さないようにし、院内感染を防ぐ特殊な病室だ。MERSの感染が拡大した当時は、陰圧病室の不足のため、患者たちが陰圧病室のある病院を探して右往左往する状況となっていた。
与党側の関係者によると、国軍首都病院と警察病院は、陰圧病室の設置や補修のため、7億5000万ウォン-17億ウォン(約7700万-1億7400万円)の予算を計上していたが、最近、疾病管理本部側に「陰圧病室の設置を断念する」という内容の文書を送った。支援対象の選定が11月末までとなっていたため、国の予算を執行する手続きを取る時間が十分に取れなかったためだ。
政府の関係者は「7月に予算の計上が決定したならば、9月には支援対象の病院を決定し、遅くとも10月には工事を始められるようにすべきだった。陰圧病室は設計だけで2-3カ月かかり、その後に工事の契約を交わすことになるが、意思の決定があまりにも遅れたため、予算を来年に持ち越すこともできず、無駄にしてしまった」と話した。これらの病院は9月、陰圧病室の関連機器を、10億ウォン(約1億240万円)程度の費用をかけすでに導入していたという。行政の手続きの遅れにより、来年の陰圧病室の設置ができなくなっただけでなく、導入した機器も無用の長物となってしまった。
疾病管理本部の関係者は「公募期間が長くなり、病院の評価にも時間を要したため、事業者の選定が遅れたことは事実だ。また、MERSの終息が想定以上に遅れ、中東地域で流行していたMERSの韓国での感染拡大を防ぐなど、やるべきことも多く、このような事態になったため、われわれとしてももどかしい思いだ」と話した。