「ロッテグループ創業者に法的後見人を」実妹がソウル家裁に要請

4番目の実妹、弁護士通じ裁判所に申請
経営権争いに影響か

「ロッテグループ創業者に法的後見人を」実妹がソウル家裁に要請

 ロッテグループ創業者で同グループの総括会長を務める辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)氏(93)の妹が「兄は正常な意思決定が困難な状況だ」として、同氏の代わりに意思決定・判断をする成年後見人の指名を裁判所に対し要請した。成年後見とは、精神的な制約により物事の処理能力や判断力が不十分になった人に代わり、裁判所が後見人を選任して法律行為などを代行できるようにする制度のことだ。

 これは、ソウル家庭裁判所が18日、「辛格浩氏の4人目の実妹(10人兄弟の8番目)シン・ジョンスク氏(78)=写真=が弁護士を通じ、辛格浩氏の成年後見人指名を申請した」と明らかにしたものだ。シン・ジョンスク氏側は後見人の候補者には、辛格浩氏の妻の重光初子氏と、長女の辛英子(シン・ヨンジャ)ロッテ奨学財団理事長、長男の辛東主(シン・ドンジュ、日本名:重光宏之)ロッテホールディングス(HD、本社・東京)前副会長、次男の辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)韓国ロッテグループ会長、次女の辛ユミ(シン・ユミ)ロッテホテル顧問という子ども4人を指名したという。この中から1人、または複数の後見人を裁判所に指名してほしいということだ。もし裁判所がシン・ジョンスク氏の申請を受け入れれば、後見人が法的に辛格浩氏の代わりを務め、同氏がした行為を取り消す権利も有することになる。つまり、成人のための一種の法定代理人と言える。

 今回の申請の結果は、ロッテグループ創業者長男と次男の間の経営権争いに少なからぬ影響を与えるものと思われる。長男の辛東主氏はこれまで「父は正常な判断能力を持っており、私を後継者に指名した」としているのに対し、次男の辛東彬氏は「兄は(健康上の問題がある)父を利用している」と主張してきた。

 成年後見人決定には、被後見人の「意思決定能力」が重要な判断基準となる。このため、裁判所は審理過程で辛格浩氏自身を法廷に呼んで尋問したり、精神鑑定を依頼したりする可能性がある。家庭裁判所関係者は「相続人である配偶者や子どもの1人が後見人に選任されることもあるが、家族間で争いがある場合は中立的な弁護士など専門家を後見人に指名するケースの方が多い」と話している。

ヤン・ウンギョン記者
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