重量挙げ:北朝鮮の英雄、「思想注入」キム・ウングクがドーピング違反

「卵に思想注入すれば岩でも割れる」発言もレトロゾール陽性反応
国際ウエイトリフティング連盟「選手資格停止」

重量挙げ:北朝鮮の英雄、「思想注入」キム・ウングクがドーピング違反

 北朝鮮の重量挙げ界に薬物問題が浮上した。これは、国際ウエイトリフティング連盟(IWF)が18日(韓国時間)、公式ホームページで「北朝鮮のキム・ウングク(27)=写真=がレトロゾール(letrozole)に陽性反応を示したため、選手資格を暫定的に停止する処分を下した」と明らかにしたものだ。北朝鮮は昨年12月、重量挙げ世界選手権金メダリストの女子選手2人(キム・ウンジュ、リ・ジョンファ)に続き、この1年間で3人にドーピング関与が明らかになったことになる。

 キム・ウングクは2012年のロンドン五輪で男子62キロ級世界新記録により金メダルを手にし、「努力英雄」の称号と勲章を贈られた選手だ。先月の重量挙げ世界選手権(米国・ヒューストン)でもメダルを計3個(金1・銀2)取った。ところが、大会期間中のドーピングテストで禁止薬物の服用が明らかになったものだ。

 レトロゾールは、競技力向上に直結するテストステロン(男性ホルモン)の数値を高い状態で維持できるよう促す成分だ。

 北朝鮮は、金正恩(キム・ジョンウン)体制発足(2011年)以降、重量挙げで驚くべき成果を挙げている。14の世界選手権では、金メダル12個をさらい、史上初の総合優勝も果たした。しかし、成績が急激に向上したため、ドーピング疑惑が絶えなかった。昨年の仁川アジア大会で、北朝鮮の重量挙げ選手たちは金メダルを取った後、「卵に思想を注入すれば岩でも割れる」と発言、「精神力」が好成績の秘訣(ひけつ)だと話していた。

オ・ユギョ記者
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